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「共に歩む僧侶と弟子を迎えたい ~未来の曹流寺の基礎づくり~」

※お檀家さまへお送りした2023暮れのお便りと、ご祈祷法要の一般参加のご案内です。

前回のお盆のお便りでは、曹流寺再建計画を具体的に進めるのは時期尚早だと決断をしたことをお伝えしました。大きな理由は、理想の再建計画を実現するためには、様々な協力者(企業・僧侶・檀家・妻・従業員など)が必要だと痛感したからです。
 
実は、お盆明けに魅力的な条件でのホテル誘致の提案を受けました。しかし、私ひとりで再建計画を進めるのは準備不足であるため、お断りしました。新たな一歩を進めるためには、理念と拠点を共にしてくれる僧侶が必要不可欠だからです。
 
改めて、曹流寺の理念です
1.救われない思いを抱えるあらゆる人に、坐禅という選択肢を提示する
2.坐禅の実践を行う場所として、生きた仏教を継承し続けていく
3."没後供養で救われる"という仏教信仰の礎の場所とすべく勤め続ける
 
私は、共に活動してくれる僧侶と組織を作り、再建計画を改めて始動させたいです。公私共にお世話になっている遊心和尚と道宣和尚も強力な味方ではありますが、彼らの活動拠点は残念ながら関東です。曹流寺を拠点にできる僧侶を募りたいです。
 
「子どもができれば解決できるのでは」とお考えの方もおられるかもしれませんが、私には、世襲しか選択肢がない寺院から卒業したいという思いがあります。
 
まず第一に、私は世襲を全否定したい訳ではありません。師匠から弟子に「法(仏の教え)」を継承することが世襲でもうまくできるなら、それで問題ないでしょう。しかし私は、お檀家さまの御先祖様をお祀りする曹流寺を盤石な形で次世代に継承するために、世襲という選択肢しか持たないというのは無責任だと考えています。仮に配偶者が見つかって子どもを授かったとしても、その子ども――このメチャクチャな私の遺伝子を受け継いだ息子や娘――が、仏道を志すかどうか、曹流寺の理念にふさわしい僧侶になるかどうか、全く未知数です。運良くそれが叶ったとしても25~30年はかかります。不確定要素があまりに大きく、リスクが高すぎます。
 
トヨタ自動車の社長が昨年交代しました。豊田章男さんからバトンを引き継いだのは、創業者一族ではない東京出身の佐藤恒治さんであることは皆様もご存知でしょう。組織の理念を継承するに相応しい人物がトップに立つのは当たり前のことです。私で31代目になる曹流寺の歴史の中で、堀部家が担ったのは直近のたった3代だけです。世襲にこだわらなければならない理由はないはずです。
 
私は、坐禅と供養を大切にしながら、曹流寺の寺門興隆に共に励むにふさわしい僧侶を募り、家族経営ではなく複数体制での組織運営をしていきたいと考えています。 
 
加えて、私の元で出家得度し、僧侶としての人生を歩む方の育成も行いたいです。
 
2020年代の調査によると、日本人の男性のおよそ4人に1人、女性は6人に1人が生涯未婚です。結婚しても3組に1組は離婚しています。今後、独りで生きていく人は増え続けるでしょう。
 
曹流寺の理念の根底には、「亡くなった方々だけではなく、生きている人をも救えるお寺にしたい」という思いがあります。このような時代、坐禅修行のさらに先には、出家して仏道人生に専念できる未来があることも提示したいです。
 
武田信玄や黒田官兵衛など、戦国武将にも出家者はいます。出家の背景は個人によって異なりますが、現在の日本で一般人が出家する場合、多くの目的は仏道修行です。そのような方々は、先祖供養が主目的の寺院に関わりたくはないでしょう。
 
曹流寺は、仏道修行と先祖供養の両方を理念に掲げる、ハイブリッドな寺院です。私は、先祖供養は、大乗仏教僧侶の本分である「一切衆生の救済」の一環だと考えています。曹流寺であれば、自身の仏道修行に励みながら、一切衆生の救済を担う曹洞宗僧侶として、志を同じくする僧侶と切磋琢磨して歩むことができます。
 
具体的な流れとしては、私の元で弟子として得度した後、大卒だと半年以上、高卒だと2年以上専門僧堂で修行をすると、曹洞宗僧侶の教師資格(2等)が取得できます。専門僧堂には私が修行した永平寺や總持寺のほか、名古屋なら日泰寺専門僧堂、女性なら愛知専門尼僧堂などがあります。専門僧堂での修行の後、曹流寺で3年ほど僧侶の檀務を勤めれば、仏道修行に加えて、曹洞宗僧侶として一通りのことはできるようになるはずです。
 
仏道修行のスタート地点として曹流寺を選んでくれた方には、最終的には国内外どこで活動して頂いても構いません。私が応援します。その中に、曹流寺の理念を承継し、組織運営に携わってくれる仲間が誕生することも、合わせて期待しています。
※弟子入りの詳しい条件や内容について、関心のある方はお問い合わせください
 
今回は、僧侶の協力者を募ると共に、弟子の育成も行いたいという思いと、その経緯についてお伝えしました。再建計画を具体的に進めるため、曹流寺をより良い形で次世代に継承し、寺院継承のモデルケースを作るための基礎づくりでもあります。
 
このお便りは、プロのライターさんの協力の元で皆様にお届けしています。その方とは曹流寺の坐禅会で知り合いました。過去に坐禅会に参加してくれたお檀家さまは、これまで5名程ではありますが、来年もより一層しつこく坐禅の宣伝に力を入れて参りますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
                            合 掌



こちらは暮のご祈祷のご案内です

追記、来年の坐禅会予定


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