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IQと知能検査の基礎知識 〜 WAIS受検記 1

こんにちは。YUKIと申します。
私は大人になってから、WAISという知能検査を受検し、自分の正確なIQを知りました。
このnoteでは、基本的な知能検査の解説をはじめ、受検に至った経緯や、どこで検査を受けられるのか、ネットのIQテストってどうなのかなど、検査に興味がある方の参考になりそうな内容について書いていきたいと思います。
あくまで参考用ですので、詳しいことについては専門のサイトなどをご覧ください。
もし何か聞きたいことがあれば、お気軽にTwitterの方で声をかけてくださいね。


受検のきっかけ

私が知能検査を受けてみようと思ったのは、以前から好きだったYouTuberのQuizKnockさんが、知能検査に関する動画を上げておられたことがきっかけでした。
この動画は検査やIQについて、基本的で大切な点がよくまとめられており、とても分かりやすいので、よかったらご覧になってみてください。

WAISとは

さて、まず大切なことですが、正式なIQを測定するためには、病院やクリニックなどでウェクスラー成人知能検査(Wechsler Adult Intelligence Scale、略称WAIS)という検査を受ける必要があります。16歳以上が対象で、15歳以下の場合はWISCというものがあります。
WAIS(ウェイス)は現在最新版がV(5)ですが、まだ日本版が出て間もないため、IV(4)を使用しているところが多いかと思います。私が受けたのはIII(3)です。バージョンアップされる度に、内容が少しずつ変化しています。

時々誤解されていますが、この検査は例えばパズルや何かの問題を解くといった、特定の検査だけを行うのではなく、2〜3時間かけて多種多様な検査を行う総合パッケージのようなものです。
内容については、受検前に知ってしまうと正確な測定が出来なくなる可能性があるため触れませんが、「いかにもIQ検査っぽい!」ものだけでなく、多岐にわたっています。
色々な側面から検査を行うことで、「知能」という多面的で定義が難しいものを、いくつかの種類に分類し(言語理解・知覚統合・ワーキングメモリー・処理速度など)、それぞれの種類の「群指数」と、すべて総合した「全検査IQ」というものを算出します。
学校のテストに例えるとすれば、国語・数学・英語など各教科の偏差値が群指数、全教科の総合偏差値が全検査IQといったイメージでしょうか。

なお、余談になりますが、群指数よりさらに細かい「下位検査項目」(いろんな検査一つ一つの結果。先ほどの例えで言うなら英語のテスト中の英作文の点数)については、版元の指示により、開示してはいけないことになっています。
ネット上では開示してもらったという話も載っていたり、より細かく分かった方が今後に活かせるという意見もありますが、基本的にNGです。
個人的にも、知能検査の結果はあくまで参考程度に、こと細かに分析しようとするよりも、ざっくり一歩引いて見て「こんな傾向があるのね」くらいに留めておくのが一番有益なのではないかと思っています。

IQ200の大天才?

そこまで面倒なことをしなくても、IQならネット上でも調べられるよ!調べたことあるよ!という方もおられるかと思います。
ただ、ネット上やアプリなどで測られる「IQ」は、ほとんど信用のおけないもので、実際とはかけ離れた数値が出ることも多いです。後期のドラゴンボールばりにIQがインフレしており、「あなたはIQ200の大天才です!」とか出てきたりしますが、そもそもIQ200なんていう数字は、WAISでは計測されません。161が最高値です。

また、IQの算出の仕方には、標準偏差(SD)の設定によりいくつかのやり方があります。通常はSD15の数値が使われることが一般的ですが、テレビなどではあえて大きい数字を使ってインパクトをもたせるため、より高い数値が出るSD24が使われていたりします。
私の全検査IQはSD15で136ですが、これをSD24に換算するとIQ158となります。かなり印象が違いますよね。

また、MENSAという高IQの人たちが集まる世界的な団体が日本でも活動しており、定期的に入会テストを実施しています。
このテストは、MENSAの入会基準である全人口中IQ上位2%(130以上)を選別するために行われているものですが、内容には偏りがあり、IQのすべての側面を測れるわけではありません。
先ほどの例えで言うなら、特定の教科の点数のみで全教科の偏差値を予測するような無理が生じるので、MENSAの入会テストの結果はあくまで入会の可否を判断するためだけのものであり、それをもって正確なIQがわかったり、確実にIQ130以上であると判断できたりするわけではありません。

知能検査で発達障害がわかる?

そのほか、よくある誤解として、「知能検査を受ければ発達障害の有無が診断できる」というものがあります。
よく言われているのは、上で触れた言語理解、知覚統合といった群指数の間に大きな差があると発達障害と判断できる、という説です。
これは大きな誤解で、知能検査は、発達障害を診断するための参考材料のひとつとして用いられることはありますが、そもそもそうした目的のために作られた検査ではありませんし、それだけをもって発達障害の有無を診断することはできません。
実際の事例でも、発達障害の診断が下りていても知能検査の群指数には差がほとんどなかったケースもあり、逆のケースもあり、結果は人によって様々です。

前置きや用語の説明がえらく長くなってしまいましたが、次回は私の受検に至る経緯と、実際のクリニック探しなどについて書いていきたいと思います。
ありがとうございました😄

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