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投資手法:信用取引×指数ETF

こんなことなら手持ちの米国株を現金化しておけばよかった!

このように感じている投資家の方も多いのではないでしょうか?

3月下旬の時点で、4月相場はアノマリーを考慮すると特に前半は横ばいになると想定していました。

ところが中東での地政学的緊張の高まりなどもあり、米国株市場は予想以上に大きな調整を経験することになりました。

3月末の時点でいったん現金ポジションを増やしておけばよかった、そうすればこの調整で買いに向かえたのに、という気持ちの方も多いのではないでしょうか?

私も中長期で米国株市場は上であるという相場観で4月上旬からフルインベストメント状態を継続しています。

しかし、信用取引を活用することで、今回の調整での値動きで利益を上げるためのトレードを行っています。

その手法が、指数ETF(S&P500などに連動するもの、レバレッジ型ではない)の信用買いになります。

2023年10月下旬からの上昇相場

2023年の10月の調整局面から反転した直後(赤印)からS&P500に連動したETFであるVOO800株を380ドル台で信用買い(現金はすでにフルインベストメント済)を行い、2023年12月に430ドル台で利益確定するまでに約35,000ドルの利益を現物投資とは別に得ることができました。

この記事では米国株市場の調整局面後の反発・上昇トレンドを活用したこの手法をご紹介します。


1. なぜ信用買い×指数ETFなのか?

米国株式市場は長期にわたり上昇トレンドが続いており、多くの投資家がその恩恵を受けています。

そのため私の基本投資スタイルは、上昇相場への順張りを基本としています。

そのため信用取引においても「信用買い」しか行いません。
売りで華麗に利益を出すことを否定はしませんが、自分には合わないスタイルでリスクが高いと考えているため基本的に信用売りはしません。

一般的に、以下の要因で信用売りは信用買いよりリスクが高いとされます。

1)損失に上限がない
株価は下落には下限がありますが、上昇には上限がありません。そのため信用売りの損失は理論上は無限大になり得ます。

2)ショートスクイーズ
多くの投資家が同じ銘柄を売っている場合、株価が上昇した際に、多くの投資家が損失を最小限に抑えようと株を買い戻す動きがでます。
これは「ショートスクイーズ」と呼ばれ、株価をさらに急激に押し上げる要因となり、売りポジションは大きな損失を抱える結果になります。

このような信用売りの怖さから「買いは家まで、売りは命まで」という格言もあるくらいです。
自分はあえてそこまでのリスクは取りたいと思いません。

次に投資対象についてですが、信用買いの場合は個別株は基本扱わず、指数ETFのみとしています。

私は特にS&P500に連動する指数ETF(VOOなど)を取引しています。
S&P 500などの主要株価指数に連動するETFは個別株に比べて値動きが穏やかです。

過去のデータを見ると、VOOの1日の最大下落幅は平均約2%、1週間での最大下落幅は約5%程度であり、これにより大きな市場の動揺があっても比較的安全に投資を続けることが可能です。

もちろんさらにリスクを管理するための工夫はしており、それについては後半で触れていきます。

そのため、私はフルインベストメントの状態でも調整後の反発で収益を上げる目的で信用買い×指数ETFによる投資を行っています。
この手法についての自分の考えを以下では説明させて頂きたいと思います。


*当記事では、指数ETFの信用買いという、追加リターンを目指せるものの同時にある程度のリスクを伴う投資戦略について深掘りしています。

特にフルインベストメントの状態からの信用買いはすなわちすでに保有している米国株やETFを代用有価証券として担保にする形になるため、市場急落に備えたリスク管理が必要になります。

この手法は一定の知識と経験、資金面での余裕が要求されるため、必ずしもすべての投資家に適しているとは言えません。

そのため、この戦略は安易に試すべきものではなく、投資家が自身のリスク許容度と投資目標を慎重に考慮した上で行うことが重要です。
このような背景から以下のコンテンツにはペイウォールを設けています。


2.信用買いのタイミング(勝てそうな時だけ戦う)

まず私はこの信用買い戦略を行う場面をかなり限定しています

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