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5/18 冥王星×木星 スクエアの出発点について考える。


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冥王星と木星

5月18日 午前10時10分頃。冥王星と木星がスクエアを形成しました。このアスペクトはおよそ6年周期で起きる珍しい配置。冥王星=物事を徹底的に掘り返して弱みを炙り出す。木星=物事を探求して明らかにする――そんな2つの天体が合わさると、「執拗なまでの壮大な向上心」などの意味が浮かび、ちょっと怖い雰囲気が漂ったりします。

ましてや今回は、冥王星水瓶座と木星牡牛座に、火星獅子座・ドラゴンヘッド牡牛座・ドラゴンテイル蠍座が加わってグランドクロスが形成され、物事の本質を探りたい気持ちが燃え上がり、運命という衝動に突き動かされるようなことが起きやすくなります(真相はまだわかりませんが、既にそうした出来事がありましたね)。

ただ、グランドクロスは大きな天体イベントではあるものの、宇宙の大きな流れからすれば、1つの通過点に過ぎません。特に今回はスクエアなので、月のサイクルになぞらえれば、上弦の月と同じ段階。つまり、冥王星と木星がコンジャンクションした出発点=新月のようなものがあり、今回のスクエアにはその途中経過をチェックする役割があります。

そこで今回は、冥王星と木星のコンジャンクションを遡り、冥王星と木星のスクエアと合わせて、チャートを見てみたいと思います。この強烈なエネルギーが私たちに何を求めているのか?見えてくるかもしれません。


2020年 冥王星×木星 コンジャンクション

冥王星と木星のコンジャクションは今から3年前の2020年に起きていました。 通常は 1回だけアスペクトを形成することも多いですが、この年は、なんと3回も冥王星と木星が重なっていました。

2020年といえば、コロナウイルスの流行によって、私たちの生活すべてがストップしたり、新しい生活様式へ移行したり、社会のシステムが大きく変わるキッカケになったことは記憶に新しいですよね。

木星は将来へのビジョンや社会通念をあらわすので、まさにそれが冥王星によりひっくり返され、新しい社会のあり方を″執拗なまでに探求する″ことになったと言えるでしょう。


1回目のコンジャクション


冥王星×木星 コンジャンクション① 2020年4月5日


ではここからは、2020年当時のチャートを見てみます。まず1回目のコンジャクション。これは2020年4月5日に起きています。日本ではちょうど緊急事態宣言が発令されたときです。

冥王星と木星は6ハウスと7ハウスの間。働く環境や健康状態、個人の能力を活かせる生活習慣、それにともなう人間関係。これらに対する価値観が大きくひっくり返って、新しいあり方を目指すとき、ということで、もうそのまんまですね。

さらに、冥王星と木星が位置するのは山羊座24度(サビアン25度)「東洋の布を扱う商人」社会や環境に新陳代謝を起こす意味を持っており、これもその通り。

このチャートは全体的に、右側=相手軸側に天体が多いので、自他のバランスや相手との関わり方に意識が向かっていたことがわかります。

そんななかで目立つのは、2ハウスにポツンといる月。2ハウス=経済や物質的豊かさ、生活環境、仕事、自分の才能に関心が向かっていました。

月は乙女座なので、現実にしっかり対処する気持ちが強い状況。ただ、天王星・ドラゴンヘッドとアスペクトを形成しているので、変化と挑戦の意識は強いです。社会との関わりや働くことに対する意識を変えて(10ハウス
天王星)、形のない夢や理想に目を向ける(12ハウス ドラゴンヘッド)心境になりやすかったかもしれません。

一方で、月とドラゴンヘッドは土星を頂点にした複合アスペクト ヨッドを形成しています。土星は山羊座のルーラー(支配星)で、山羊座は冥王星と木星が位置する星座です。つまり月は、冥王星と木星に間接的に影響しています。

土星は水瓶座で7ハウスにいるため、今までの常識にとらわれず、自分の個性を示して、人間関係を築いていく、自立精神が強い状態。ただ、土星には火星も重なるため、こうした人との新たな関わり方について、かなりピリピリと緊縮した雰囲気が漂っていたことがわかります。


2回目のコンジャクション


冥王星×木星 コンジャンクション② 2020年6月30日


続いて、2回目のコンジャクションについて。これは2020年6月30日に起きています。

冥王星と木星はいずれも逆行中のため、物事を大きく進めるよりも、じっくり見直して問題をあぶり出す雰囲気が強まります。

2つの天体が位置するのは3ハウス。物事の判断基準や情報との向き合い方、コミュニケーションスタイル。これらに対する課題をとことん追求するときでした。

ちなみにこの頃は、あおり運転罪の法律適用や、国内で初めて歩きスマホ禁止条例施行などが起きました。いずれも交通や移動に関することで、これは3ハウスが象徴する″物事の流通″とリンクしています。

私は「世間で起きる事象は私たち個人の内面や状況と繋がっている」と考えているので、思考回路や情報・言葉のやり取りに関して、問題が起きていたと解釈します。

たとえば、今回の事例をもう少し広い視点で見ると、あおり運転は、自分に合わないからと他人を攻撃している状態、歩きスマホは1つのことに固執しすぎて周りが見えなくなっている状態、と言い換えられるんじゃないでしょうか。

このチャートでは、3ハウスの冥王星と木星に4ハウスの海王星が繋がり、MCを頂点にして、複合アスペクト ヨッドを形成しています。物事の考え方やコミュニケーションにおける課題を突き詰め、安定した生活に対する理想を求める中で、自分はどう行動し、動くべきか?迷いやすい配置です。

言い換えるなら、他人への攻撃性も周りが見えなくなることも、自分の土台が不明瞭なことの裏返しかもしれません。その証拠に、今回のチャートも前回と同様に、月がポツンと離れたところにいます。月は蠍座12ハウスのため、社会や人との精神的な繋がりを求めていますが、土星とスクエアを形成するため、それがままならない状態です。

ただしこれは、自分の内面に集中して、今までできなかったことをするチャンスだったと言えます。月はリリスとオポジションを形成し、内に秘めた大胆さや潜在能力を解放する機運が高まっていました。

さらに、ASCは蠍座15度(サビアン16度)で、人に影響されず自然体で振る舞い、自分の内面的なパワーを引き出すことをテーマに掲げ、MCの獅子座22度(サビアン23度) 大胆さと慎重さを持って、大きな挑戦を行うことを目指しています。

ここまでをトータルして考えると、相手との物質的な関わりがままならない時こそ、物事の判断基準やコミュニケーションスタイルを見直し、自分の本質を取り戻すことが大切な時期であった、と解釈できます。

そして、それらの時間があるからこそ、MC獅子座で示された、「大胆さと慎重さを持って、大きな挑戦を行うこと」へ考え方を転換できるのでしょう。


3回目のコンジャクション


冥王星×木星 コンジャンクション③ 2020年11月13日


最後に、3回目のコンジャクションについて。これは2020年11月13日に起きています。

冥王星と木星は逆行を終了し、山羊座25度から23度まで戻っています。さらに土星も逆行していたので、冥王星・木星・土星がもっとも近づいている状態。土星は物事を構築する天体なので、新しい社会のシステムを現実的に作り替えるパワーが強まります。

3つの天体が位置するのは2ハウス。お金や経済、物質的基盤、自己価値観、才能の発揮(仕事)。これらに対して新しい方法やシステムを求めるときです。

冥王星と木星が位置するのは山羊座22度(サビアン23度)「戦争での勇敢さをたたえる2つの賞」物質的(表面的)なことと精神的(本質的)なことの両方を充実させる意味を持ちます。

なおこの頃は、東京証券取引所にてシステム障害が発生。さらにコロナウイルスの影響で、国内で初めて航空会社が破綻しており、2ハウス的な出来事が起きています。

これも先程と同様に、「世間で起きる事象は私たち個人の内面や状況と繋がっている」とすると、私たちのお金との距離感や稼ぎ方、今までの物質的価値観を考え直して、具体的な改善策へ向かい始めるスタート地点と解釈できます。

このチャートで、「冥王星/木星」は「月/金星」に繋がり、スクエアを形成しています。月と金星の組み合わせは、物質的豊かさや人とのつながりに心が揺れ動くことを表しており、この場合は11ハウスにいるので、現在の環境や既存のルール・コミュニティを越えたところに、それを求める気持ちが高まっています。11ハウスはフリーランスも表すので、先程の2ハウスの意味も考慮すると、自立精神も高まりを見せているでしょう。

ただし、「冥王星/木星」と「月/金星」の関係性はスクエアで葛藤を伴うので、新しいシステムや生き方へ向かう不安も感じていました。一方で、月と金星は5ハウスにいる火星とオポジションを形成し、既存の方法から飛び出ることに意欲も引き出される配置です。さらに、ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルとも繋がるため、こうした不安を乗り越えることは、私たち人類の新たな学びであると言えるでしょう。この時の月・金星・ドラゴンヘッドは風の星座のため、物事を客観的に捉え、人との協力関係を築くことで、ワンランク上に成長できるはずです。

そして、ASCは蠍座24度(サビアン25度)で、物事の構造や仕組みをじっくり観察することをテーマに掲げ、太陽も重なって自分の方向性や意志を明確に打ち出す必要性が示されています。一方で、MCは乙女座4度(サビアン5度)で、想像力を働かせて未消化の問題を確認し、新しい道筋を描くことを目指します。乙女座の支配星・水星と繋がっているため、水星がいる12ハウスが象徴する長年の夢も浮かび上がってくるかもしれません。

いずれにせよ、物質的・経済的なあり方、自分の価値の活かし方について、内面的に充実した仕組みを主体的に考えることが大切であり、次に冥王星と木星が重なる2033年まで、根底に流れる大きなテーマになるでしょう。


2023年 冥王星×木星 スクエア

冥王星×木星スクエア 2023年5月18日


ここまでは、2020年に起きた冥王星と木星のコンジャンクション-新しい社会のあり方を″執拗なまでに探求する″出発点について見てきました。

全体的な傾向として、働き方やお金の使い方、自己価値観について向き合い、自分の表面的な実績だけでなく、内面的な個性や望みと向き合うことの大切さが示されていました。その中でも、「自立精神」は非常に大きなキーワードで、これは先日起きた冥王星×木星 スクエアでも明確に示されています。

冥王星は水瓶座0度(サビアン1度)で6ハウスに、木星は牡牛座0度(サビアン1度)で9ハウスと10ハウスの間に、それぞれ位置しています。働き方や今の生活を変えるべく、自分の力を高めることを目指して、新しい環境に目を向ける/人生経験や勉強してきたことを社会で活かせるように行動範囲を広げることが大切です。

この場合、冥王星 6ハウスが本願で(働き方や環境を一掃すべく、自分の力を高めることを目指す)、木星9-10ハウスはそのための手段(新しい環境に目を向ける/経験やスキルを社会で生かす)です。

冥王星は12ハウスの火星と向き合い、心の中に秘めた理想を実現させることに強烈なパワーを発揮しています。一方の木星も、ドラゴンヘッド・水星と重なり、新たな情報や知識、人間関係を求めている状態です。特に木星は牡牛座に入り、今まで書いてきた「個人の価値観や才能」を活かし、発展させようとする力が働きます。

これは、手放しのドラゴンテイルがICに重なって、慣れ親しんだ状態からの脱却が強調されていること。MCのサビアンシンボル(牡牛座5度)が自分の資質や才能で自立し、さらに能力を磨くことを意味していることからも明らかです。

つまり、仕事や今の生活、これまでご縁のあった関係性において、トラブルや不可抗力的な出来事があった場合、それはあなたの本当の価値や個性、精神的な自立とのズレがあることを示しています。

冥王星の力は非常に強烈なので、5月中旬~末にかけて身体を壊してしまう人もいるかもしれません。

とはいえ、例えば、ここでいきなり仕事を辞めるなどは難しい人が殆どだと思うので、今まで見せる機会のなかった実は得意なことを披露したり、どんなことでも良いから意思表示をしたりなど、行動のパターンや方向性を変えるところから始めてみるのはどうでしょうか?あるいは2020年に始めたことを見直すのも良いかもしれません。


冥王星と木星のスクエアは5月で終わりますが、木星牡牛座入りした瞬間のチャートの効力は来年の5月まで続きます。つまり、今回ここでお伝えしたことも、一過性のものではなく、これから常に付いて回るビッグテーマです。

ぜひゆっくり時間をかけて、あなたらしい才能の表現を見つけて、心身ともに健康的な生活スタイルを目指していきましょう。


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