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遺伝子組み換えメダカの流出に関するメダカ愛好家に起こりうる危険性

本記事投稿の目的

本記事は、環境保全のために飼育する魚を放流することは
絶対にやってはいけないということを伝えるためのものです。

👇放流はせず、下記連絡先に相談しましょう。
地方環境事務所 連絡先

2023年3月8日、遺伝子組み換えメダカを育てたとして
販売業者の男ら5名が逮捕となり、拡散に関わった男女4名も書類送検です。
詳細は以下のテレビ朝日報道局リンクよりご覧ください。

【遺伝子組み換え】”赤く光る”メダカを不法育成か 1匹10万円で販売も…9人摘発「カルタヘナ法」で全国初(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

本件に関して、私が警鐘を鳴らし続けている理由を
説明したいと思います。

今回の事件の重大性

①2009年から翌年にかけて流出した件

今回遺伝子組み換えメダカを流出させた人の動機は
「同級生の母親に渡すため」だそうです。
しかも「人にあげてはダメ」と伝えていたそうです。
違法であることを認識した上で、流出させています。

流出した時期が2009年から2010年ということで、時効が成立しており
この人は、なんの罰も与えられておりません。
実名報道すらされていません。
東京工業大学ということだけがわかっており、管理体制について
厳重注意を受けたのは東京工業大学です。

これっておかしくないですか?

②容疑者の1人が用水路に放流

本件で押収された遺伝子組み換えメダカは1400匹を超えるそうです。
容疑者のうち1名は、捜査に気づき
約20匹~30匹を、千葉県九十九里町の用水路に放流したそうです。

環境省や警察の調査によると、当該メダカは発見できておらず
用水路は枯れており、アメリカザリガニが近くから確認されたことから
捕食されたか、死んでしまったと考えているそうであり、
複数の専門家にも確認し、生物多様性への影響は現在ないとされている。

現在は影響が出ていなくても今後影響が出てくる可能性はあります。
今回流出したメダカは「ミナミメダカ」という在来の品種です。

「ミナミメダカ」は現在、絶滅危惧種に指定されており
また、昨今の改良品種ブームもあって、遺伝子汚染が叫ばれています

水生生物研究NPOグループに席をおかせていただいている身として
日本固有の水生生物環境保全のことを考えると、
今後同様の事件が発生しないよう、本件の重大性を伝え
啓発し、未然に防ぐことが重要と考えています。

③メダカ愛好家約50名の手に渡っている

当該メダカの繁殖個体が、メダカ愛好家(愛好家と呼ぶのもおこがましい)
約50名の手に渡っているそうです。
その方たちも、知らなかったでは済まされないでしょう。

今回逮捕された販売業者は、購入者に対し口止めを行なっていたそうです。
販売方法はSNS、ネットフリマサイトや展示販売会です。

本件は2021年に開催された東京都台東区で行なわれた
展示販売会で発覚したそうです。

そこからSNS等の記録から流出先を割り出しているのでしょう。
これからも捜査は続くと思います。

今後メダカ愛好家に起こりうる危険性

①気づかず入手してしまう可能性

本事件のはじまりは約14年前です。

そのため他の品種との掛け合わせが行なわれていると思います。
販売業者が逮捕されているので、確実に掛け合わせているでしょう。

遺伝子組み換えと改良品種の掛け合わせとなると
購入者が見た目から判別することは、ほぼ不可能です。

ネットフリマの卵販売であれば、もうわかりません。
すでに本件で逮捕者がでたことを知った愛好家が
当該メダカ関連のメダカを処分するために
ネット販売で手放そうとしている可能性もあると思います。

②他の生物や、人間の健康被害の可能性

当該メダカは、他の生物との遺伝子組換えです。
イソギンチャクモドキの赤い要素を含む遺伝子を組み込んだとする記事や
サンゴの遺伝子を組み込んだとする記事がありました。

メダカは食物連鎖では下位に属します。
当該メダカを捕食する生物への影響
そして当該メダカを捕食した生物を食べた人体への影響は未知数です。
どのようなアレルギー反応が起こるかすらわかりませんし、
起こらないかもしれません。

起こらないに越したことはないですが、
最悪を想定しておくのは科学研究においては常です。
ただし、不安を煽りすぎるのもよくありません。

本記事は不安を煽るものではありません。
あくまで、環境保全のために飼育魚の放流は
絶対にやめてほしい
ということを伝えたいです。

当該メダカの特性を踏まえての判別方法

2023年3月14日段階でわかっている情報から
遺伝子組み換えメダカかそうでないかの判別方法をお伝えします。

当該メダカは「ロイヤルピングー」という名前で売られていたそうです。
掛け合わせ等に、この名称がある場合は絶対に購入してはいけません

環境省、もしくは地方環境事務所に連絡しましょう。
地方環境事務所 連絡先

特性としては、暗い環境下で光るそうです。
所謂「蛍光メダカ」と同じです。

紫外線ライト(ブラックライト)を当てると、より光るそうです。
このような特性を持っためだかは
当該メダカの遺伝的特性をもっている可能性があります。

環境省、もしくは地方環境事務所に相談、連絡しましょう。
地方環境事務所 連絡先

最後に

飼育している改良メダカを川や用水路に放流してはいけません。
必ず最後まで責任をもって飼育しましょう。

【画像等引用参考先リンク】
遺伝子組み換え】”赤く光る”メダカを不法育成か 1匹10万円で販売も…9人摘発「カルタヘナ法」で全国初
2023年3月8日 テレビ朝日報道局
https://news.yahoo.co.jp/articles/e446d8beb36fe15e9992e45cf8032182fdf759f4

全国初、カルタヘナ法違反 光るメダカ育成で販売業者や愛好家ら逮捕
2023年3月8日 産経新聞
https://www.sankei.com/article/20230308-KTP2JOTHZFN7BLPH6Y4ZDQITLQ/

【解説】遺伝子組み換えメダカ違法育成か 5人逮捕 社会部・生田目剛記者
2023年3月9日
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000290843.html

遺伝子組換えメダカの学外持ち出しに係る文部科学省からの厳重注意について
2023年3月8日 東京工業大学
https://www.titech.ac.jp/news/2023/066134

遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(通称:カルタヘナ法)
最終閲覧:2023年3月12日 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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