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ぼぎわんが、来る/澤村伊智

2015年日本ホラー小説大賞を取った「ぼぎわんが、来る」を読んだ。

幼い頃、不気味な何かの訪問を受けた秀樹。
成長した彼のもとに、再び怪異が起こり始める。やがてそれは彼の家族も巻き込んで、妻、娘も餌食(ターゲット)の対象になる。
秀樹は友人に霊媒師を紹介され、協力を仰ぐ。
彼らを守り闘う巫女たちだが、呪の原因は根深く・・・。

感想。面白かったっす!(^ ^)
物語が三部構成になっていて、それぞれ違う人の視点から描かれている。
いち登場人物から見た時はわからなかったことが、次の章でだんだん解ってくる。
序盤おばあさんの言葉で何となく、これって家族間に根の深いものがあるんじゃ、、、と思ったがやはり。
もともとは「怨み」から来ているのよね
魔、というか邪悪なモノは、そういう隙につけ入るのだ。

家族を大事にしなさい、と忠告されたのに、自分がズレていることに気付かない秀樹。それにずっと嫌気がさしていた。こういう人ってたくさんいるよなと薄ら寒く感じる。事態悪化と原因は他ならぬ自分自身だというのをわかってないのだ。
そもそも田原家の血筋そのものが呪われているのでは、、と最後の辺りじゃ思えてくる。
秀樹と結婚した香奈の不運が気の毒でならない。

またぼぎわんが襲うひとに近づこうとするとき、吸血鬼に似通った条件があるなと思った。
たとえば誰かが呼びかけに応じること、扉を開けて招き入れることなど、Sキング小説の呪われた町を思い出す。人間に憑依して声音まで似せる技は、映画エクソシストを彷彿とさせた。

キングの名作。読んでるだけで背中が寒くなる。夜中コツコツ窓を叩き、呼びかける声。決して開けてはいけない。
世を震撼させた映画。悪魔祓いの大変さと憑依のおそろしさ。バズズの像が邪悪でこわすぎる

そんな中で、凶悪なぼぎわんに対抗する2人の霊媒師姉妹の純粋な善、捨て身で誰かを救おうとする姿が、どんよりとした物語の中で希望の光であり、文句なしに頼もしかった!
妹の真琴はピンクの髪に細身の美人、除霊能力は姉に及ばないが子供好きで情にあつい。
姉の琴子は熟練のシャーマン、幾度も霊媒を繰り返し戦ってきたせいで身体じゅうに傷がある。滅多に感情を見せず、冷静でカッコいい。作中では小柄だとしか書かれていないが、身長はどれくらいなんだろう?自分がかなり小柄なので、容姿端麗なキャラでなくてなんだか嬉しい。
比嘉姉妹はシリーズ化されているようなので、続きが読めるのが楽しみだ😊

しっかし・仕事とはいえ巫女って激・過酷な職業だよなとしみじみ思った。強敵との対戦は命懸けだ。報酬がいかほどなのか、いやどんだけ金を積まれても絶対割に合わない。根底によほどの強い信念がないとできないことだ(~_~;)


「ぼぎわん」は、題名からしてそそられた(^ ^)
昨日、気になってたホラー小説を三冊借りたんだけど、怖い夢見そうなのに読まずにいられない、たまにこういうときがあるんだよね
三冊で二週間、、、キツいかなと思ったけど、
夕方から読み始めて、間にドラマ見たりしながら一冊目(コレね)を夜中に読破。読み出したら止まらない!
この調子であと二冊。感想アップできるかな🤔

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