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継手と仕口が救う見積オーバー~熱海の崖に家を建てる

みなさん、こんにちは。かとうゆりです。
「竹伐採」の話と、「お出かけ話」ばかりの「熱海の崖に家を建てる」シリーズですが、今日は久々に建築の話です。

現在、崖の家は実施設計に基づき絶賛見積中。
ですが、ご想像の通り、なかなか予算に着地しません!
本人たちには一言も言っていないのですが、実はこの見積作業を通じ、VUILDにしてよかったかも、と思い始めています。
今日はその理由をお伝えしようと思います。

熱海の崖に家を建てようと思います。
名付けて、熱海Case Study House。
自腹でケーススタディしながらか
今そこにある技術・アイデアを実装した
現代のCase Study Houseを目指します。

熱海Case Study House

大きな費目から削る

崖の家ですから、杭工事、基礎工事の費用が大きくなりがち。そこで、これらの費用が予算の2割くらいに収まる目途がついた段階で、基本設計に目途を付け、実施設計に移りました。

その後、実施設計を進め、最終予算にむけ調整を進めております。
が、現状は予算の2割増し。
となると、費用の大きいところから削減案を考えなければなりません。

費用が大きいのは、躯体工事と建具工事。
さて、さて。どうしたものか。

継手と仕口で補強用金具を減らす作戦

躯体工事で予算を削減するって、なかなか難しそうですよね。
構造的な安全性は絶対条件だし。崖だし(笑)。

今年に入り、VUILDさんは、「継手と仕口」を使い「補強金具」を減らすことで、見積削減する検討を進めています。

そもそも、継手と仕口って何?

Copilotさんに、「木造建築における継手と仕口について教えてください」と聞いてみたところ、下記とのこと。
日本の伝統的な木造建築技術のようです。

木造建築における「継手」と「仕口」は、木材と木材を接合するための重要な技術です。
継手は、木材と木材を釘を使わずに繋ぎ合わせる技術で、主に木材の長さが足りない時に使用されます12。金属を使用しないため錆びることもなく、見た目も美しく仕上がります3。また、継手は、木材を加工して(刻んで)重ね合わせて一体化します4
一方、仕口は、2本以上の部材を木造建築に使用する際、直角やある角度で繋ぐ接合のことを指します5。木造住宅では柱や梁、桁などを組んで構造をつくるとき、材木同士をしっかりと組むために各部材に「刻み」を入れます5。この刻みが、役割によって「継手」、「仕口」と呼び分けられています5
これらの技術は、木材の特性を活かし、強度と美しさを両立させるためのもので、日本の伝統的な木造建築技術の一つです61。また、これらの技術は、地震の多い日本でも耐えられる木造建築物をつくり出してきたのです6。現代でも、これらの技術は、木造建築の安全性と美観を保つために重要な役割を果たしています65

MS Bing Copilotより

継手でも仕口でも、継ぎ合わせるには複雑な木材加工が必要。
それを実現するのは、VUILDが持つCNCルーター「ShopBot」を使ったデジタルファブリケーション技術の力
宮大工がいなくても、VUILDならば、実現できそうです!

構造設計を変える度に、構造計算やり直し

打合せの度に、「専門的なのであまり説明しませんが・・」と言いながら、継手・仕口のスケッチをチラとみせてくれる秋吉さん。おそらく、継手・仕口の方法に加え、これらに強度を持たせる補強金具として何を採用するかを検討し、その度に構造設計家と相談しているのだと思います。そしてそれで強度が足りているか、構造計算をしている。

「絶賛見積中です」のフェーズになってから、なかなか先に進まない理由はここにあります。自分たちの技術力を使って全体のコストを下げようと努力してくれていると思うと、VUILDにしてよかったと思わずにはいられません。いつもありがとうございます!

窓枠材とガラスで断熱性能は大きく違う

熱海の崖の家は、絶景ハウスでもあります。窓を大きくとっています。
ということは、窓からエネルギーが駄々モレの可能性がある。次世代のCaseStudyHouseを目指すからには、窓の断熱性能を高めなければなりません。

ちなみに、再びCopilotさんに「木造住宅における窓の断熱性能が与える影響について教えてください」と聞いたところの回答は下記。
建具工事の費用を削減するとしても、適切な窓枠の材質・ガラスの選択でしなければなりません。

窓の断熱性能は、木造住宅の断熱性能に大きな影響を与えます。具体的には、窓の熱貫流率が2.33~6.51[W/m²K]に対して、壁は0.35~0.53となり、窓は躯体よりも7~12倍も熱を通しやすいとされています1。つまり、窓からの熱の流出や流入は、全体の断熱性能に大きく寄与しています。
したがって、窓の断熱性能を向上させることは、全体の断熱性能を向上させるための重要なポイントとなります。窓の断熱性能を向上させる方法としては、複層ガラスの使用、窓枠(サッシ)の材質選択(例えば、アルミよりも樹脂や木製の方が断熱性が高い)、窓に適切な日射調整機能を持たせるなどがあります234。これらの対策により、窓からの熱の流出や流入を抑制し、木造住宅の断熱性能を向上させることが可能です。

MS Bing Copilotより

木製サッシにどこまでこだわるか?!

今の家の窓は、ペアガラス+アルミサッシと、ペアガラス+木製サッシの2種類。当時(12年前)は、ペアガラスにしておけば断熱性能高いだろうと思っていたのですが、差は歴然。今の季節、木製サッシにはない結露がアルミサッシ周辺には発生。うっかりするとカビっぽくなったりしてしまいます。

よって、アルミサッシは選択外。

問題は木製サッシってバカみたいに費用が高いことなのです。
デザイン性の高い木製サッシといえば、キュレイショナーさんが有名ですが、我が家の窓をすべてキュレイショナーにすると軽くポルシェのタイカンが買えます。

固定窓を増やし、開閉部だけキュレイショナーにするか、樹脂窓にするか。
見積によると、樹脂窓はキュレイショナーの半額。いやはや。

樹脂窓の質感、思ったより悪くない。

悩んでいても仕方がないので、ショールームに行ってきました。YKK APさん。猫のCMで、ものすごく印象のよい会社さんです(猫好き限定かも)。

ショールームで、ガラスの種類+窓枠で、熱伝導率が全然違うことを体感。加えて、「木製風」の樹脂窓の質感が結構よいことを確認。

これならいいじゃーん、と帰宅してパンフレットを熟読したら、どうやら「木製風」の窓枠は、室内側は樹脂、室外はアルミで、性能的にいま1歩。いやんどうしよう。

いっそのこと、白い樹脂サッシにして色を塗るか、黒の樹脂サッシにするか。それとも、APW511 の性能でよしとするか。邪魔にならない細いサッシであることを重視するか。

うーん、悩ましい。
ここにきて悩む施主に、丁寧に付き合ってくれるVUILDのみなさん、感謝です。もう少し調べてさせてください。

まとめ

このほかにも、太陽光発電と屋根材が一体になった製品を出しているモノクロームさんとか、雨水を循環させて生活用水をまかなう小規模分散浄水システムを出しているWOTAさんとか、我が家のコンセプトにぴったりな連携先を紹介してくれているのは、VUILDが社会課題解決を志向するスタートアップだから、と思っています。類は友を呼ぶ。

なんとなくいいなと思ってVUILDに設計をお願いしているわけですが、ここにきて、VUILDのよさを実感しつつあります。建て方に入ると、また別の側面でのVUILDのよさが見えてくることを期待して。

願わくば、このまま無事着工にいたり、竣工できますように。

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