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HACCPに取り組もう② HACCPだけで大丈夫?

こんにちは! あたたけ です。


前回、HACCPに関連して、安全な食品を提供するための3つの要素に
触れました。
今回はその1つ、一般的衛生管理(PRP)とHACCPの関連を見ていきます。
(マネジメントシステムについては、別の機会に)


1.一般的衛生管理(PRP)って何?

さて、聞きなれない言葉、しかもアルファベットの羅列ですね。
HACCPもそうなのですが、、、、
個人的に、この『聞きなれないアルファベットの羅列』が
HACCPの浸透に一番の問題点になっている気がします。
『聞いてもわからない』以前の『そもそも聞く気にならない』という点で。

ということで、簡単一言で。

HACCPは作業自体の管理、PRPは作業環境の管理

身近なところで考えてみましょう。
皆さん、何かしらのスポーツはされますか?
スポーツの試合をする時のことをイメージしてください。
『試合に勝つ』だけ考えて、試合での戦術のことだけを考えても、
それだけで結果が出るわけではありません。
それ以前に、そもそも試合を行うこともできません。

場所や道具の準備、メンバーを集めるといった事前の準備
給水や、もしかしたら応援といった試合中の支援
さらには戦術を実現するためのトレーニング
そういったものがそろって初めて、試合も出来るし、結果も出せるのです。

この事前準備や試合中の支援が、食品を作る際のPRPに該当します。
(HACCPは戦術の設定&試合の実施ですね)

また、スポーツでは不公平となるかもしれませんが、
『安全な食品を作る』ということであれば、
環境にあった戦術(作業)』や
戦術(作業)の精度を上げるための環境整備、調整』を
考えるとより良い成果に繋がるでしょう。

2.PRPってHACCPの前にするの?

これは間違っています。
いまだに、『HACCPの前に一般的衛生管理(PRP)に取り組む必要がある』
と書かれていることを見かけます。

PRPとは『Prerequisite Programs』から来ている言葉で、
『前提条件プログラム』と訳されることが多いです。

この『前提』という表現が誤解を招いている気がします。

『作業にあった環境』『環境にあった作業』を考えると良いと
先ほど述べましたが、そのためには、
HACCP(作業自体に関わること)とPRP(作業環境に関わること)を
同時に考えていくことが必要
です。
(別々に考えると、先に決めた方に引っ張られ、柔軟な発想が失われます)

ということで、私のイメージするHACCPとPRPのイラストです。


【余談】HACCP対応の施設って何?

さて、ここで、私から食品衛生関連企業の皆さまに苦言です。

HACCP対応施設、HACCP対応厨房ってなんやねん!!!!

HACCPとPRPは作業自体と環境の関係ですので、
『ソフトとハード』の関係に近いかもしれません。
※ただし、決して、PRPはハードの管理だけではありません。

施設や厨房といった作業環境がどんなものであろうと、
HACCPには取り組める
のです。
大切なのは『環境にあった作業を考える』ことですから。

それを、『うちの商品で環境を整えるとHACCPに対応できます』みたいな
雰囲気を出しちゃってさぁ。。。。。。
環境だけ整えても、HACCPにはならないっちゅうねん!

まぁ、確かに環境が整うと作業精度が上がるのは事実ですが。
せめて、『HACCPが(少し)楽になる施設』くらいですかねぇ。
これもだいぶ誤解を招く表現ではありますが。
ついでに、これではインパクトに欠けて売れないか。。。。

ちなみに、私個人のことですが、展示会等で『HACCP対応厨房』などと
書いてあるブースは基本的にスルーします。


さて、少し気も晴れたところで、今回はこの辺りで。
次回はようやくHACCPの中身に入っていきますが、
まずは、『飲食店でのHACCP』から見ていきましょう。

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