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草ブレードちゃんと行く中国人民铁路旅~牢记使命編~

《キーワード 世界有数の山岳路線 成昆铁路 食堂車 セントレジス成都 麻婆豆腐発祥の店 平成最後の日》

 前回はこちら↓

女士们先生们!いよいよこの旅行のハイライト、成昆铁路こと成昆線に乗車します。

 この成昆線は、世界でも有数の山岳路線とされており、それはそれは難工事だったとのこと。その絶景もさることながら、何重ものループ線をも使いながら、峠を超えていくこの路線、かの宮脇俊三先生は、方位磁石片手に乗車したとか。

 ただ、そんな成昆線も新線への切り替え工事が進められており、来年には完了してしまう模様。すでに、昆明側と成都側の一部区間では、新線が開通しており、実際乗ってみると、明らかに軌道状況が違うなぁ…というのがよくわかります。
 今回の旅行、はじめに検討していた時は、とりあえず人民铁路初心者として、西安と重慶回るくらいで…と考えていたのですが、完全に切り替わる前に乗ってみたい!ということで、こんな日程になりましたww

③快速K146次 昆明17:13→成都南12:52(+1) 1076km 新空调软卧

 改札を終え、いよいよホームで客車とご対面。これまで乗ったニ列車はどちらも電車でしたので、これが中国の長距離夜行列車初乗車。ちなみにお値段は、A寝台にあたる软卧の下段で388.5人民元。日本円で言えば6000円ちょっとでしょうか。日本なら寝台料金だけで飛んでしまうお金です。

 さっそく車内へ。コンパートメント式の室内に二段ベッドが2つ並びます。テーブルの上には造花が飾ってあったり。

 車内には、おもてなし(?)のBGMも流れていて、なるほど話に聞く通りだなwwと思ったり。

 入室した時には、コンパートメントには私一人でしたが、ほどなく、女性の一人客が向かい側の上段ベッドへ。多分ガラガラってことはないので、途中からまた乗ってくるのでしょう。ということで成都まで、20時間の旅のはじまりです。

 ああ…客レだ…客レの揺れだ…。車端部なので、音が少々うるさいですが、しかしそんなことはどうでもよく、明らかにここまで乗ってきた”電車”とは揺れの質が違う…、と一人感慨に浸ります。

 广通北までは、大理方面への電車特急も通る新線区間なので、この列車も快調に飛ばします。時速160キロで飛ばす直达には敵いませんが、それでもやはり早いなぁという印象。

 きっぷ引き換えに渡される換票証。あれ…?そういえば、昨日のD939次、換票がなかった…?
 中国の夜行列車は、この換票で乗客の下車駅を管理し、翌朝またきっぷと引き換えに、車掌さんが来て、寝過ごしのないようにしてくれるシステム…らしい。まだ、起こされたことがないのでわかりませんwww どうせ終点まで乗るしねww

 車内には、コンセント(コンパートメントに一つ。テーブルの下にあり)や読書灯(自分の寝台のはつかなかったけどww)や、ハンガー、ゴミ箱等の他に、なにやらパンフが置いてあります。

 ということで、黒悪势力についての啓発パンフでしたww 流石にご自由にお持ち帰りくださいではないらしいww

 さて、啓発パンフでお勉強したところで、お腹が減ってきました…。ということで中国の客車列車の魅力の一つ、食堂車へ! 実は発車後すぐに行ってみたのですが、その時は乗務員さんたちが休憩中だったんですよねww

 札束を持ち、一番厨房側の席に陣取っている人が服務員さんぽかったので、オーダー。麻婆豆腐飯を指差しでオーダーしたつもりでしたが、運ばれてきたのは同じ値段の西紅柿炒蛋(トマトと卵の炒めもの)飯。あれ?ww頼んだのと違うwww とはいえ、まぁぶっちゃけ運ばれてくるまでにも、若干時間がかかってて、もう腹減ったしいいやこれでと思って、食べてみてビックリ。うめえwwwwwww

 この西紅柿炒蛋、中国全土でよく食べられている家庭料理らしいのですが、多分初めて食べました。トマトと卵を炒めただけなのにこんなに美味いとは…。これとスープがついて42人民元。700円弱。街場の食堂と比べれば割高ですが、やはり車窓を眺めながらの温かい食事は格別。味も美味しいとくれば文句なしです。ごちそうさまでした。

 さて、广通北を過ぎると、列車は山の中へ…。流石にスピードも落ち、ゆっくりとした速度で進んでいきます。あ、ちなみに广通北で若い男女の二人組が、乗車し、四つの寝台は全て埋まりました。

 車内BGMで、おどるポンポコリンの中国語版が流れていますねwww

 さっき食堂車で食べたばかりなのに、なんとなく小腹が空いたりして、カップ麺を食べたりしていると、日も落ちてきました。

 山の中なので、外を眺めてみても、基本的にはそこには闇が広がるだけ…という感じなので、心地よい揺れと走行音を感じながらベットでゴロゴロ。とはいえ、たまには起き上がって外を眺めてみたり。たまーに街の明かりも見えます。やっぱり寝台ええわ…。

 そうこうしているうちに、攀枝花に到着。なかなか風流な地名で興味がそそられますが、毛沢東の時代につくられた、鉄鉱石・石炭産出のための人工都市らしいです。もう時刻も23時を過ぎているので、そろそろ本格的に寝ることにします。

 普雄付近で起床。田舎だ…。目が覚めたら中国の山深い田舎町が車窓に広がるとか楽しすぎるでしょ…。人民鉄路万歳…。

この先も、飽きることのない沿線風景が広がります。さすが世界有数の山岳路線。夜のうちにちょっと雨に降られたのか、窓には少し水滴が。

 崖すれすれを通っていったりもします。よくこんなところに鉄道を通したなぁ…。

 途中の甘洛駅で駅名標が目の前に来たのですが、なんだか見慣れない文字?が。中国の少数民族である彝族の彝文字らしい。日本では顔文字の一部としてつかわれたりもするらしいですww 「ꇤꇉꍉ」と読めますが合ってるのかどうかはわかりません。ただ、「ꇤꇉ」で甘洛、「ꍉ」で「zha」つまり「站zhàn」にはなるようなので、多分合ってる…のかなぁ。

 給湯器で汲んだお湯でお茶を淹れたりしつつ、ゆったりとした時間を楽しんでいると、いつしか山を下りきって、水田地帯を走っていました。この辺はなんというか日本と変わらん風景だなぁ…と思ってみたり。そろそろ峨眉に到着です。終点まではあと二時間ほど。

 峨眉からはまた新線区間。高規格軌道でスムーズに走ります。

 列車は若干早着気味で終着、成都南に到着です。楽しかった!!

 初めての中国客車寝台、4人コンパートメントということで、同室者がどんな人かも含めて若干不安でしたが、過度に干渉するわけでもないながら、部屋のドアがかたくて空かねーなーとかやってると手伝ってくれたり、いい感じに快適な鉄旅でした。人民鉄路はいいぞ。

 さて、5月とはいえ夜行列車明け。要入浴オタクになっているので、まずはなにはともあれホテルに向かいましょう。まだチェックイン時間には早いですが、おそらく部屋には入れてくれるはず…。

 本日のお宿はセントレジス成都。SPGマリオっトグループでもハイブランドに位置する、セントレジス。日本では安い日でも一泊3~4万円はする高級ホテルですが、ここでは1万円台で泊まれる…ということで、セントレジスに泊まるという実績を解除するために宿泊ww

 流石に広い室内。いわゆるミニバーが見当たらないので、なるほどwww全部バトラーに頼めということかwwwと思ったら窓際のキャビネットの中にありましたww

 お風呂も当然、バストイレ別、シャワーブース付きです。ついでにバスにはテレビもついています。

 広いデスク脇のコンセントは、ハイクラスなビジネス利用を考慮してなのかUPSもついています。

 落ちてきたらひとたまりもなさそうなシャンデリア。

 セントレジスはカードキーもカッコいい(?? というかまだSPGプラチナエリーのカードケースなんですねここは。

 さて、念願のシャワーも浴びたところで、今日は平成31年4月30日。平成最後の日です。そんな日に海外に出かけている非国民なATBさん。とはいえ、どうせ日本にいたって現場に行けるわけでもなし、在宅でテレビ見てるだけだしなぁ、どこにいても変わらん。ということで、テレビをポチっとな。

 退位礼正殿の儀は、NHKのみならず色々な放送局で生中継されていて、すげーと思いつつ。

 無事、儀式を見届けたところで、街へ繰り出します。目指すは、陳麻婆豆腐の成都本店。その名の通り、麻婆豆腐発祥の店として有名です。どうやら、ホテルから徒歩でもいけるところにある模様。

 ゆっくり歩いて30分弱くらいでしょうか。お目当ての店に到着です。

 「老店」、つまり老舗。店内は広々。とりあえず入店してキョロキョロしつつそのへんにいたおっちゃんに声をかけたら、席に案内されました。

 写真付きのメニューをもらい、指差しでオーダー。とりあえず、麻婆豆腐の小、それからメニューの同じページに四川名物として載っていた、小笼蒸牛肉(牛肉に米粉をまぶして蒸し上げたもの)、それからなんとなく食べたかった宫保鸡丁、そしてご飯をオーダー。

 宫保鸡丁(一枚目)もなかなかに辛かったのですが、グツグツと煮えたぎる麻婆豆腐(二枚目左)のこの山椒の量!辛いwwwwww痺れるwwwwwけど美味い…wwけど辛い!!!!!wwwww よくよく考えたら、加多宝とかの冷茶頼めば良かったなぁと。あれで中和すべきだったww

 ご飯もでかいボウルに盛られたものが運ばれてきてたっぷり。正直、最後は持て余すくらいでしたww

 さて、こんな歴史のある名店、さぞかしお勘定も…と思いつつ「マイダン!」と服務員さんに伝えたあと、レジに向かい会計すると、なんと全部で46人民元(800円弱)。ガストより安いぞこれwwwwwww いやまぁメニューに値段が書いてはあるんですけどね。とはいえ安いのは本当。成都に行ったら是非足を運んでみてください。

 さて、だいぶ満腹になりつつ、またホテルへと戻っていきます。なんか街頭ディスプレイに、デスクトップが表示されてるぞwwwと笑ってみたり。

 腹ごなしにホテル近くのショッピングモールに寄ってみたり。なんともかわいらしい、社会主义核心价值观がありました。

 ちなみに、モール内のスーパーを覗くと、コナンのホワイトソーダがww

 ホテルに戻り、うたた寝なんかをしながら平成最後の夜を過ごします。

 そして、国際放送のため若干遅れるカウントダウン番組なんかを見ながら…

 ということで、令和の中国人民铁路旅は、「交通强国編」へと続きます!


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