見出し画像

「ジョブ型雇用」の前に考えたい「ロール型雇用」とは?

これまで日本では"人に仕事をつける働き方"である「メンバーシップ型雇用」が広く取り入れられてきました。

一方、近年の働き方改革の推進や在宅勤務・テレワークの導入などによって、欧米で主流となっている"仕事に人をつける働き方"である「ジョブ型雇用」が注目を浴びています。

多様で柔軟な働き方がしやすい雇用方法として、すでにジョブ型雇用を導入している企業もありますが、終身雇用制度や年功序列が根強く残る日本で浸透させるのは極めて難しいと言われています。

そこで、今回は「ジョブ型雇用の導入方法」に加えて、役割に人を割り当てる働き方である「ロール型雇用」についてもご紹介します。

「ジョブ型雇用」を上手く導入するために…

画像3

*ジョブ型雇用とは
仕事の範囲を明確にすることで「労働者の専門性を高める」採用方式。

ジョブ型雇用は、企業が仕事内容や責任の範囲、労働時間、勤務地などをまとめた職務記述書(ジョブ・ディスクリプション)を作成し、社員一人ひとりの仕事の範囲を明確にします。

その雇用方法の特徴から
・成果主義型の働き方が浸透する
・仕事が専門化する(=専門知識に強い人材が増える)
・柔軟な働き方がしやすい
・仕事のゴールが明確になり、長時間労働に繋がりにくい

というような、メンバーシップ型雇用にはない様々な特徴やメリットがあります。

しかし、これまでメンバーシップ型雇用を行ってきた日本がジョブ型雇用を取り入れるには、企業文化や給与体系・評価制度の大幅な変更や、在籍している社員への対応など様々な懸念点があります。

ここからは、懸念点を踏まえた上で「ジョブ型雇用を上手く取り入れる方法」について紹介します。

①管理職から取り入れる

管理職の社員は労働組合に守られている一般社員と比べてジョブ型雇用を導入しやすい立場となります。

また、管理職についている社員は一定の専門知識をもっているため、ジョブ型雇用に適していると考えられます。

②一部の社員に適用する

ジョブ型雇用は職務記述書で担当する役割や仕事、条件を明確に定めるため、本来であればやるべき仕事が漏れてしまうことも考えられます。

そのため、例えば専門性の高い仕事を担当する社員は「ジョブ型雇用」
臨機応変な対応が求められる仕事を担当している社員は「メンバーシップ型雇用」
というように、一部の社員に適用することで仕事の漏れを防ぐことができます。

③働き方や仕事内容を振り返る

長期的に育成を見据えて徐々に仕事を割り振る場合や、人的な余裕がないベンチャー企業、仕事上幅広い業務が強いられる…など、業種や業界によってはジョブ型雇用が適さない場合があります。

まず自社に「ジョブ型雇用」が適しているのかどうかを知るために、社員の働き方や仕事内容を振り返ることが必要です。

以上のような方法で、少しづつ導入を進めるのも一つの手ですが
「価値感や環境も異なる日本での導入は難しいのでは…?」
「雇用の形を一気に変化させることは現実的ではない…」
と感じる方も多いのではないでしょうか?

ここからは「メンバーシップ型雇用」の特性と「ジョブ型雇用」の柔軟さの両方を実現できる「ロール型雇用(役割型雇用)」についてご紹介します。

役割に人を割り当てる「ロール型雇用」とは

画像3

*ロール型雇用(役割型雇用)とは
社員それぞれが担う役割を明確にし、その役割と成果に応じて給与を支払う雇用制度。

役割に人を割り当てる採用方法である「ロール型雇用」は、ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の中間の雇用方法とも言われています。

以下では導入のメリットをいくつか紹介します。

*ロール型雇用導入のメリット

・人材を起点としながらも、社員一人ひとりの仕事の役割がはっきりしているため、仕事内容と評価を連動することができる。

・仕事の役割が明確なため、入社後のミスマッチが起こる可能性が低くなる。

・日本には「役割給」を導入している企業が一定数存在しているため、役割を定め処遇に反映する(役割に応じて給与が変動する)体制を整えやすい。

・企業文化や給与体系、評価制度などを大幅に変更する必要がなく、メンバーシップ型雇用から移行しやすい。

「ロール型雇用」はジョブ型雇用を導入したときと同じようなメリットが期待できることに加え、比較的導入がしやすいことも大きな特徴です。

風習・文化×新しい考え方=自社にあった雇用方法

画像3

日本はこれまで、ポテンシャルや人柄を重視し会社一体となって助け合う雇用を行ってきました。

そこに突然ジョブ型雇用を取り入れてしまうと、メンバーシップ型雇用の良さや企業のバランスを崩してしまうことになりかねません。

そのため、新しい方法をただ取り入れるのではなく、風習や文化、考え方を残したりかけ合わせたりすることで、自社の状況にあった導入方法を検討する必要があります。

「人材の雇用や採用のあり方を見直したい」
「ジョブ型雇用に関心はあるが、導入が進まない」など
自社の人事に課題を感じられている場合は、今回ご紹介した方法を参考にしていただけると幸いです。

運営・発行:
株式会社 大新社
TEL: 0120-451-008[受付:平日10時~18時]
※ホームページの更新、プラン変更、サービスのお申込みなどのご相談はお気軽に弊社までお問い合わせください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?