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一台の車の向こうに

表題は1992年から
小学4年生用教科書に
掲載されていた、
谷川俊太郎作の
「一本の鉛筆の向こうに」の
パロディである。
わたしはリアルタイムで
「一本の鉛筆の向こうに」に
触れた世代であるが、
上の世代は子供の本読み課題などで
触れた方もいらっしゃるかもしれない。



余談ではあるが、
物語内で登場する
日本で最も知られたスリランカ人、
ポディマハッタヤさんが
一昨年、新型コロナウイルス感染症にて
お亡くなりになったとのことで
SNSなどでまた脚光を浴びていた。



話は元に戻る。



わたしは
すれ違うクルマを見ながら
所有者の心情を
つい、勝手に深堀りしてしまう。
この地域において、
このクルマを選択する背景は
何だろう。と。



例えば、在住雪国県では、
四輪駆動…現代で言うところの
〝AWD車〟(※1)…
をベストバイとする傾向にあり、
加えて近年の世界的な
SUVブームにより
多くのSUVが目に入るようになった。



そんな中でも雪国に不利とされる
FR車(※2)やFF車(※3)などの
クルマは意外と走っている。
2台持ちで普段は車庫保管し
晴れの日にしか乗らないとか、
通勤・通学にも使うが
大した距離ではないため
雪の影響がないとか、
AWD車は割高だから
FF車にしたとか、
仕事の転勤で思いもよらず
雪国に来たとか、
FR車やFF車他(※4)を
所有するに至る理由は
様々あるとは考えられるが、
地方・雪国県では少数派である。



わたしも例に洩れず
FF車を所有しているが、
雪国での不便や、他車両の
所有によるコスト増加という
デメリットを加味しても
やはりそのクルマを
駆りたい気持ちが勝ってしまった。



もちろん、誰もが
クルマに対して興味関心が
あるわけではない。
乗れりゃいいじゃないか、
運べりゃいいじゃないか、
そう仰られるのも当然であり
業界分類でいうところの
「輸送用機器」に大別されるのも
文字通り、運ぶための機器だから
当然と言える。



一台のクルマの背景は、いかに。



分かりやすく、地方・雪国県の
車両選択を例に挙げたが、
某メーカーのお膝元県で
他社メーカーのクルマに乗るのも、
所有者の強い意志を感じる。



自動車メーカーの社員が、
通常販売価格より安価に
クルマを手に入れられるのは
周知の事実だが、
子会社、取り引き先メーカーなども
様々な恩恵が受けられる。
以前、某メーカーのお膝元県の
会社にお勤めの方に伺ったところ
県を挙げて、そのメーカーの車両を
売ろうという気概があり
販売促進方法の豊富さに驚いた。



もはや、そうまでして
メーカーを推すのであれば
その県で他社メーカーを選択するのは
非国民ならぬ、非県民の
レッテルを押されるかの如くである。
独占禁止法を叫ぶほどの
取り引き制限などは
行われていないようなので、
それはそれでタチが悪い。



近年、多様なハラスメントが
問題となっているが
これをハラスメントと呼ばずして
何をハラスメントと呼べばいいのか。



(この文章を打ちながら笑う、わたし。)



…ちなみに、この件について
Googleで検索してみたところ、
自動車メーカーの
社内のハラスメント問題や、
運転に対するハラスメントなど
的を得ない検索結果となった為、
有識者の方には
ご意見を賜りたく存じるところで
〆させていただく。



AWD ※1
「All Wheel Drive」の略。
「全輪駆動」の意であり、
SUBARU車を筆頭に
近年増加傾向にある駆動方式。
代表車両はSUBARU FORESTERなど。

FR ※2
「Front engine Rear drive」の略。
車両の前部にエンジンを置き、
後部に駆動輪がある駆動方式。
代表車両はTOYOTA SUPRAなど。

FF ※3
「Front engine Front drive」の略。
車両の前部にエンジンを置き、
同じく前部に駆動輪がある駆動方式。
代表車両はHONDA CIVIC TYPE Rなど。

他 ※4
MR「Midship engine Rear drive」、
RR「Rear engine Rear drive」、
パートタイム4WD、など。

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