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製版テスト(トーン別)(投稿日:2019年10月11日)

この記事は、神戸アートビレッジセンター(KAVC)公式WEBサイトに掲載されていたコンテンツを転載したものです。
KAVCは、2023年4月から「新開地アートひろば」に名称変更し、リニューアルオープンしました。これに伴い、KAVCのHPは2024年3月末を以て閉鎖となっています。自主事業全般に関するアーカイブは、https://s-ah.jp/ で掲載していますので、合わせてご覧ください。

最近はデジタル製版機も出てきましたが、アトリエKAVCでは感光乳剤をコーティングしたスクリーンに露光機で紫外線を照射する「写真製版法」によって版を作っています。

製版フィルムはオペークインクなどで手描きすることもありますが、ほとんどの方は第二原図用紙にコピーして作成しています。

このとき原稿に中間トーン(グレー)部分があると、紫外線量によってインクが落ちるか落ちないかが決まります。

写真では、100%、80%、60%、40%、20%の中間トーンの製版テストを行っています。

製版データ:180メッシュ、表3回コート、乳剤:(NEWアクアコート/ミノグループ)

積算光量カウント:10/20/30/40カウント

10カウント:20%の部分も落ちていますが、イメージ以外の部分にもインクが落ちていて、完全な露光不足です。
20カウント:20%部分が落ちていますが、100%と80%の境目がなくなっています。
30カウント:20%部分は少しだけ落ちて、80%も若干かすれが出ています。
40カウント:20%部分はインクが落ちずに、80%部分のかすれも出ています。

このように、製版フィルムの中に中間トーンが存在している原稿の場合、紫外線量をコントロールすることで、仕上がりのイメージが変わってきます。
上記イメージでは、20〜30カウントは文字部分がきれいに印刷できているので、通常の製版であれば25カウント程度がベストですが、写真印刷の場合はどれくらい印刷したいかで露光時間を変更します。
また写真をコピーしたときに、中間トーンのフィルムを確認しながら、カウント数を決めると良いでしょうか。

次回は写真イメージを使った製版テストを紹介します。

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