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昨年、第34回伊東静雄賞の佳作の件で

(以下は僕の2/21のブログからの転載に書き直しを加えた記事です。皆さんの何かのお役に立てばと思って、備忘録として、ここへ転載します。)

昨年の、第34回伊東静雄賞の佳作の件で、委員会から式次第の小冊子がおくられてきました。

こんなものです。
ページをめくると、受賞作品と受賞者の言葉、最終選者である以倉紘平先生ら、お二人の、受賞作とその他の候補作4つに関する講評があります。
次が1次選者である、平野宏さんと、森永和子さんの選評が記載されて、佳作者50名の氏名一覧でした。
(ちなみに、今回の応募者数は1,080人とありますから、佳作の50人も狭き門ですね。)

他の方もおられるので、中をお見せしていいのかどうか、わからないので、
そちらは遠慮いたします。

もちろん、佳作者一覧に僕の氏名はあったのですが、
嬉しいことに、平野さんの選評で「心に残った詩」として、拙作「点(ドット)」を作品名だけ挙げていただいております。
光栄なことで、感謝いたします。

4回目の応募で、今回、佳作に初めてなりました。
今まで、全然、ダメだ、入選もできないと思っていただけに嬉しいです。

この「点(ドット)」は、自分的にはそんなに悪くないと思いつつ、何回も改稿を重ねた作品で、今回、大幅に削除して、単語は同じであっても改稿で大きく書き換えました。
父の死を描いたものでしたから、レクイエム的に鎮魂歌として、どうしても、どこかに爪痕を残したかったのです。
それが抒情詩として、生活派の伊東静雄賞に残るのは一番、自然な流れだったのでしょうね。

今度、作る詩集には、そのままの形で掲載するつもりです。

今回の入選で、これからも生活派的な抒情詩を一つの儀式として、毎年、必ずこの伊東静雄賞には送る事に改めて、誓いました。
当落選にかかわらず、それはそれで自分の詩の歴史になるなあ、と考えたからです。
過去に、佳作に入った若手の実力詩人の方で、「モチーフを限定されそうで怖い、自分の詩風を曲げてまで、ここへは応募しない」との趣旨を書かれた著名詩人もおられました。
たぶん、それはそれで正しい考え方だと思います。

僕は自分の詩風というものはおおよそでしか、まだ確定しておりません。
全ての詩風を書いてみたい派なので、気にしません。
それぞれの賞に合うものを書くのも、短歌俳句川柳でいうところの兼題の類で、修行になると考えています。

(*1篇の詩単位で評価される公募コンクールで、一番権威のあるものがどれなのか、この’24年2月22日現在の僕には判断はしにくいです。
 たぶん、できたのは新しくとも、講評が『現代詩手帖』に載る西脇順三郎賞の新人賞が、それに該当するのだと思います。

 もちろん、日本現代詩人協会のWEB投稿欄とかもありますが、一般の素人には分かりにくいですし、『詩と思想』の新人賞もあります。でも、現状、『詩と思想』自体が一般の書店や図書館にほとんど置かれていない状況では、汎用性にかけていると思わざるを得ないです。

 そうした中で、この伊東静雄賞は、堅実で手難い印象があります。
 同様な抒情詩・生活詩派的なものに、白鳥省吾賞があります。伊東賞との差は分かりませんが、選考員の知名度は伊東賞の方が上な印象があります。
 あと、永瀬清子現代詩賞がやはり抒情詩・生活詩の詩風な気がしますが。こちらはまだできて歴史が浅く、まだまだマイナーな感じがあります。
 今回の伊東賞の佳作になったことで、これら三つの賞のいずれも入選まではたどり着いたことになり、ひと区切りには到達できたんだ、と感じております。
 一層、精進すべきですね。
 ただ、僕個人としては、汎用性の点から〈ユリイカの新人〉や〈現代詩手帖賞〉を受賞しない限り、現代詩人を名乗るのは恥ずかしい気がしています。
(ただこの二つは基本、象徴詩・言語修辞派になる気がします。『詩と思想』新人賞は、象徴詩も含みつつメインは抒情詩派ですよね)
 もちろん、本格的プロ詩人は、詩集単位の公募賞を受賞しない限り、詩界隈的にはダメなようですが。(色々不文律があって、僕にはよくわかりません)
 僕は、象徴詩も、抒情詩も、ライトバース、童謡もなんでも描きたい派なんですが、詩の教室に来られる同じ素人詩人で、大部分を占める抒情詩派の、他の方々からは象徴詩派に見えるようです。
うーん、僕の詩などわかりやすいと思うんですが。)


ところで、今年の中原中也賞の受賞作、佐藤文香さんの『渡す手』(思潮社)に決まりました。

渡す手
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選評にある、対抗馬の大島静流さんの『蔦の城』(思潮社)も手に入れましたので、ゆっくりと読むつもりです。

蔦の城 lux poetica④ (lux poetica 4)
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佐藤さんは、すでに俳句で有名な方ですし、大島さんも第26回でも候補になってますから、順当なところなんでしょうね。


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