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神社でお祈りを待つ犬

これは自慢だが、うちの犬の話。いままでぼくのアカウントの写真からはじめ、このnoteに彼の数多くの写真を使わせてもらったが、彼は頭がいい。

やはり、多頭飼育崩壊で足の踏み場もない、糞尿極まる阿鼻叫喚の犬地獄の中で幼少期を生き抜いて来た犬である。彼が保護団体の方に見つけられたのは、あるばあちゃんが最初、保護で数頭飼っていたところそこで自然交配が進み、さらにはそのばあちゃんが入院をしたかで、それらの犬を管理する人がいなくなり、爆発的に増えて、どうしようもなくなってしまった時らしいのだ。

保護の方が見つけた時には、その家の1階には80頭を越す数の犬がいたという。ぼくも彼を引き取る前、その犬地獄の画像を観たが、もうあたり一面犬だらけで、寝る場所もないんじゃないかという本当の地獄的環境で、そんな中、彼は生まれ、本当に小さな頃から他の犬から小突かれまくって生きて来た(あ、想像しただけでまた泣けてきた・・・)。

しかも、彼はチワワ系の遺伝がある。ゆえに、生まれたてはさらに小さい。だから、彼はどこかにじっと隠れて息を殺しながら暮らしていたのだろう。未だに家でもノーリード、ノー首輪でも、1日中じっとして、ほとんど動くことがない。

彼がうちに来てから8年経ったが、この癖はいまだ治らない。そして、自分の食器以外から、例えば、おやつなど僕らの手からあげたとしても、自分の家に持って帰って食べようとする。これはたぶん、餌を横取りされるのが常になっていたからだと思うのだが、かろうじてなにか食べ物を見つけた場合は、他の犬に取られぬよう、自分が安心して食べられる場所まで持って行って食べる癖がいつまで経っても抜けないのだ。

だから、前にもこのブログに書いたが、散歩が未だに嫌いで、ようはそんな習慣などなかったし、ましてや、他の犬などと仲良く慣れるわけもなく、外に出るのが嫌いな犬なのだ。

だから、ものすごく犬らしくない。彼が唯一イキイキするのは、食事の時など、これは他の犬でも同じだが、目の前に食べ物がある時だけである。それ以外は、どこをほっつき歩くわけでもなく、大体決まったところでじっとしている。彼のこの行動を見て、最初、我が家に来た時は、心臓にでも病意があるのかと、すぐ病院に連れて行ったくらいである。

でも、そんな彼は、遺伝もあるんだろうが、生まれた頃からそんな自分の生死を分けるような、生き残り生活をしていたせいか、頭がよく、覚えがいい。

彼ができる技といえば、お手、おかわりは当たり前のこと、おすわり、伏せも難なくこなし、1番難しい技といえば、「バン!」とこちらが指ピストルを撃つ真似をすると、倒れて1回転するというものだ。

これをすぐ覚えた。

そんな中でも、彼の1番の得意技は、”待て”だ。

その昔、彼の出身保護団体が開催した、その保護団体から卒業した犬が集う同窓会があったのだが、そこに我が家は彼とともに参加し、そこで”待て”大会というのがあったんだけど、彼はそこで数多くの卒業犬の中で、堂々優勝したのである👍あれっ?2位だったっけかな??でも、2位である👍(笑)

それだけ、待つ。

待つのが、得意なのだ。

ま、じっとしているのが得意といってもいいのかも知れないが(笑)

だから、彼が凄いのは、ぼくと地元の氏神様の所に一緒にお参りに行く時、鳥居から一緒に挨拶し、神社の境内の前に立つ2匹の狛犬の前まで行き、彼に「待て」をしてもらうんだけど、そこにはどこにもリードを繋ぐところがないので、リードをそのまま離して、ぼくはひとりお祈りに行く。

もちろん、それにはまわりに他の犬やひとがいないことが前提ではあるが、ぼくが神社に一礼し、鈴を鳴らし、お賽銭を入れ、二礼二拍手し、祈念し、最後の一礼をして彼のところに戻るまで、彼はずっと同じところでぼくの帰りを待ってくれるのだ。

そして、「お前、本当、凄いなぁ。待てがこんなにちゃんとできるなんて、本当、凄いわ」という、ぼくのお決まりのセリフで一緒に帰っていくのだ。

ぼくの知っている犬なんて、ノーリードなどにしたら、帰って来ないのが普通だ。リードが外れ、自由の身になったことを悦んで。

でも、彼は、違う。

「待て」

と、言われれば、ずっと待てるのだ。

しかも、指定された場所で。




凄いでしょ、うちの犬👍




飼い主馬鹿なんだけど、本当、凄いやつなんです👍




みなさん、そんな彼を褒めてやってください👍

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