lomography
LOMO LC-A
LC-Aをトイカメラのジャンルに入れていいんだろうか。
このカメラで撮れる写真はいたく「ちゃんとしてる」ので「トイ」という形容詞は当てはまらない気がする。
ロシアのカメラだが、ぼくが持っていたのはどこで作られたものか分からない。
というのは、このLC-Aは数奇な運命を辿っているからだ。
このカメラは他のロシアカメラの例に漏れず、モデルになった機種が存在する。
それがR-D1の記事でも登場したコシナの「COSINA CX-2」だ。
1982年に旧ソビエト連邦サンクトペテルブルクにあったLOMO PLC光学研究所で、CX-2を元に誰でもが気軽に使えるカメラというコンセプトで作られたらしい。
レンズは「MINITAR 1」という独自に設計されたものが搭載され、これの写りが独特で面白いと評判になった。
しかし、その後のソ連崩壊でロシア製のものは「旧体制の産物」として扱われていく。
しかしソ連自体にヒットしたLC-Aは東側諸国にも輸出されていて、90年代の初めのプラハでウィーンの大学生が、このLC-Aを見つけたことから状況は大きく変わる。
この大学生が「Lomographic Society」の創始者のマティアスとヴォルフガングであった。
と、まぁ歴史はこのくらいにしておこう。
LC-Aは90年代以降のウィーンバージョンとかレンズも「Made in Russia」や「Made in USSR」とか。
今は中国で作られているので「Made in China」もあって、とにかく種々雑多である。
なのでぼくが持っていたのがどこ製なのかというのが分からないといった事になる(ちゃんと調べたら分かるんだろうけど手元にないしねェ)
でもファインダーのカバーに「ロモ蔵」はいなかったから、結構古いやつかも知れない。
MINITAR 1は32mmf/2.8。
感度設定はISO100から1600まで出来る。
距離は目測で絞りはf/2.8から16。シャッタースピードはバルブから1/500まで対応する。
ファインダー内に赤いLEDがあって一つだけの時は撮影できるの合図、二つ点くと暗いのでスローシャッターになるから手ぶれに注意の合図だったと思う。
基本的にオート「A」の撮影でいい。
絞りもシャッタースピードも感度と光の具合でカメラが決めてくれるから、気にするのは距離だけになる。
いつの間にかあったカメラ
このカメラ、本当にいつどこで買ったのか覚えてない。
いつの間にかあって、知らないうちに手放していた。
「がちゃん」と落ちるシャッターの感触はよく覚えているから、それなりに持ち歩いたのだろうけれど、感銘を受けたり愛着を持ったり、ではなかった気がする。
申し訳ないんだけどね。
それでも距離だけ気にしてればいいというのはずいぶん気楽で、32mmという画角も扱いやすいものだった。
Belair X6-12
自分で撮ったこのカメラの写真がなかったので借り物で...。
と、まぁここまでなら(思ったほどじゃなかったよ)で済む話だけども、見た目に釣られて買ってしまったBelair X6-12というカメラにはまったくヤラれてしまった。
どうやらぼくにはカメラをおもちゃの延長として楽しめるほどの度量はなかったのだ。
どうも毎度記事が長くなるので(笑)、カメラの説明はこちらのページを見ていただこうと思う。
なににヤラれたかというと、とにかくこの付属のプラスティックレンズだ。
これくらい小さいとあまりわからないけれど、よく見るとどこにピントが来ているのかさっぱりわからない。
フィルムの特性もよく出ているのだけど、ローライの微粒子フィルムだとシャープに写るから多少マシに見えるが、トライXなんかだと、なまじっか120mmフィルムが故になんとも眠い画になってしまう。
まぁもともと距離は目測なので、ある程度緩いのは覚悟していたけど...。
それでもカメラ自体はカッコいいし、6×6、6×9、6×12とマスクでフォーマットが変えられるのは楽しいので諦めきれず、後から出たガラスレンズの入ったBelairgon 90mm f/8というのも買ってみた。
写りに関してはずいぶんマシになった。
これなら...と思ったのもつかの間、とにかくボディがプラスティックで軽いのに対してガラスレンズは重くて、とんでもなくフロントヘビーなカメラになってしまった。
普通に首から下げていてもカメラが真下を向いてしまう。
このカメラは蛇腹構造になっていて、その蛇腹の先にレンズを取り付ける。
蛇腹を支えているのはベースになるレールとかはないから一応金属製の骨組みみたいなものになるのだけど、それがなんとも頼りなく、下手をするとレンズからカメラを落っことしそうな気がする。
そのくらいいいじゃないか、ちゃんと持ってれば問題ないでしょ、と言われるかも知れないが、このカメラはシャッターがレンズのマウント横に付いていて、手持ちで撮ろうとなると左手でレンズを支え、右手でシャッターを切る事になる。
まぁそれは当たり前の姿勢だけども、同時にボディが支えられない(蛇腹を伸ばしているので)から、両手とも前に伸ばした姿勢になってしまう。使ってみると分かるけど、これを毎度持ち出す気にはなれなかった。
これだけ使わなくなった理由をはっきり覚えているカメラは珍しい(笑)
再度断っておくが、これはぼくのトイカメラ耐性がなかっただけの事だ。
こういう写りやカメラのキャラクターを愛せる人には素晴らしいカメラに違いない。
ま、こうして改めて見ると、写真自体はそう悪くもないかな(笑)
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