マガジンのカバー画像

基本性格特性セット

99
ビッグ・ファイブ・パーソナリティやダーク・トライアドなど,多くの研究のキーとなる性格特性を説明した記事を集めました。人間の性格特性の基本次元を知ることができます。記事は随時追加さ… もっと読む
他の記事に出てくる用語を押さえるための,基礎知識セットです。人間の性格特性の基本次元を知ることがで… もっと詳しく
¥1,499
運営しているクリエイター

2019年10月の記事一覧

きょうだいがいる人といない人の性格の違い

「結婚したら何人子どもが欲しいですか?」という質問は,芸能人の結婚記者会見では定番のものです。 城島リーダーの結婚会見でも,その定番の質問が出ていました。きっと,想定内の質問なので「どう答えるか」は事前に考えているのでしょうね。 話題になったこちらの記者会見でも,その質問はありました。「何人でもありがたい」というのが,共通した答え方になっています。 何人欲しい?実際に,結婚するカップルが子どもを何人ほしいと思っているかというと,「2人」がいちばん多くて「3人」がそれに続

グリットなのかそうじゃないのか,それが問題

同じなのか違うのか,というのは概念を扱う心理学の領域では大きな問題になります。 普段の会話の中ではそんなに意識することもなく,言葉を使います。意味も厳密に決まっていませんし,深く理解する必要もありません。 なのに,何となく言葉を使うことができるというのは,本当に不思議なことではないかと思います。 今回紹介する論文は,ある概念と別の概念との間でよく似ているのではないか,もしかしたら一緒なのではないか?本当に違うの,それとも同じなの?という問題について検討しているものです。

「やり抜く力」のやり抜ける程度はどれくらいなのか

「グリット」という概念も,この10年ほどですっかり定着して広まってきた印象があります。子どもの学校に行っても,見聞きすることがありますからね。それだけ研究の世界から現実のさまざまな場面へと,新たな概念が広まってきたということなのでしょう。 そういう意味では,新しい概念が提唱されて,その概念が世の中に広まるという,貴重な現象を目の当たりにしているとも言えます。 しかも,まだまだこれからも広がる勢いがありそうです。 ところが,ある概念が広がってくると,それに少しだけ「待った

自分を肯定するのは能力なのだろうか?

「自己肯定力」という言葉をたまに耳にすることがあって,気になっています。 皆さんは耳にしたことはあるでしょうか。 ちから「力」という言葉が付いていると,能力や技能のような概念を想定しがちです。「女子力」「人間力」「就職力」「決定力」などなど。そこでは「できる」「できない」ということが問題になっていて,「できる」ことがより望ましいとされています。 トレーニング可能性さらにその概念は,トレーニングによってよりそうなることを獲得されるという特徴もあるように思います。 成長と

パーソナリティの再現性

パーソナリティ特性は実生活に関連するのでしょうか。このnoteの記事でも,いろいろな実生活上の行動や結果にパーソナリティ特性が関連する論文を紹介してきました。 こういう問題を扱うときの難しさは, ◎結果が再現されるのか ◎関連の大きさはどれくらいなのか という点をちゃんと検討するところにあります。 パーソナリティと実生活のさまざまな問題との関連の大きさはやはりそれほど大きなものではないため,たまたまその関連が見られたわけではなく,繰り返し観察されるということを示すことに意

神経症傾向の重要性

人間が示す多様な問題となる行動を,おおきく2つに分類するやり方があります。内在化問題と外在化問題です。 ◎内在化問題(internal problems)……抑うつ,不安,恐怖など自分自身の内部に問題が生じる傾向 ◎外在化問題(external problems)……攻撃,暴力,盗み,いじめなど自分と社会との間に問題が生じる傾向 この両者は,どちらも「問題だ」とされるような行動や結果なのですが,その中身の質が違うことはなんとなくわかるのではないでしょうか。 神経症傾向基