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基本性格特性セット

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ビッグ・ファイブ・パーソナリティやダーク・トライアドなど,多くの研究のキーとなる性格特性を説明した記事を集めました。人間の性格特性の基本次元を知ることができます。記事は随時追加さ… もっと読む
他の記事に出てくる用語を押さえるための,基礎知識セットです。人間の性格特性の基本次元を知ることがで… もっと詳しく
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#自尊感情

個別の領域の自尊感情と全体の自尊感情の関係は

教科書によく出てくる自尊感情のモデルの一つに,階層構造モデルがあります。心理学者シェーベルソン(Shavelson)のモデルがよく知られているのではないでしょうか。このモデルでは,グローバルな自尊感情つまり個人の人間としての価値に対する総合的な評価と,領域別の自尊感情が設定されます。領域別の自尊感情は,学力や容姿,社会的関係など特定の領域における自分自身の評価のことを指します。 トップダウンかボトムアップか全体と領域固有の自尊感情の関係を考える時に,下から上に影響があるのか

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自己愛と自尊感情は互いに連動するのか

自己愛(ナルシシズム),しかも病理ではない,一般のパーソナリティ(性格)としての研究論文が世界中に数え切れないほど存在している,というと,心理学の研究にあまり近くない人たちは驚きそうです。 Google Scholarで「narcissistic personality」をキーワードに検索すると,「約45,400件」と表示されました。やはり,なかなかの数です。すべてをチェックすることはもうできないでしょうね。 逆説的どうして自己愛の研究がこれほど多く行われているのでしょう

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幸福感と自尊感情って何が違うのか

「似ているけれど違う」という現象は世の中にたくさんあります。親子もきょうだいも,一卵性のふたごだって「似ているけれども違う人」です。 そもそも「似ている」とか「似ていない」というのは,何か絶対的な違いがあるわけではありません。 そこにあるのは「相場」です。「何と何の関係よりも似ている」とか「これとあれとの関係は,これとされたの関係よりもよく似ている」と考えた方が良いものです。 そして,比べるものが違えば,似ていないと思っていたものも,よく似たものに変わっていってしまいま

自尊感情・自尊心・自己肯定感・自己評価…?

これって,昔からよく言われることなのです。 「自尊感情って,高ければ良いというわけではないですよね」 という意見です。 自尊感情はよく自分の研究で扱っていた概念なので,研究発表をしたり大学院生時代に院生どうしで話をしたりすると,よくこのような意見が出てきました。 高いだけではダメ,という考え方は根強くあって,いろいろな研究上の工夫をしてきた歴史がそこにはあるように思います。そういう話を何回かに分けてしてみたいと思います(このテーマは不定期に継続する予定です)。 今回