性格と養育態度
「どういう育て方をしたらどういう性格になりますか?」という疑問も,答えるのはなかなか難しい問題です。
それと同じように難しい問題が,「どんな性格の親はどんな子育てをするのですか?」という問題です。
今回は,この後者の疑問について考えてみましょう。
子育てパターン
以前,親の子育てにはパターンがありそうだという研究の話を書いたことがあります。
そこでは,大まかに3つの養育態度が研究されてきています。
権威主義的なパターンは,親がとにかく子どもをコントロールして,言いなりにさせようとします。子どもを自分の思い通りにさせようとする育て方ですね。親にとっては「子どものため」と思うのかもしれませんが,他の人から見ると「言うことを聞かせすぎでは」と思わせることもあります。
許容的なパターンは,権威主義的なパターンとは異なり,子どもの要求をできるだけ聞こうとしてコントロールをあまりしない子育てのしかたです。「甘やかしている」と言ってもいいかもしれません。
そして,この両者の長所を併せ持ったような子育てのパターンが,権威主義的な子育てのやり方です。適度に「ダメなことはダメ」とコントロールしながら,子どもの意見はしっかりと聞いて受け止める,というパターンです。
研究によってはもうひとつ,子どもに関与すること自体をあまりしない,放任的なパターンについても扱っている場合があります。
性格と子育てパターン
親の性格と子育てのパターンには何か関係があるのでしょうか。この論文(The relations between parents' Big Five personality factors and parenting: a meta-analytic review)では,先行研究の結果を統計的にまとめるメタ分析でこの問題を検討しています。
子育てパターンの整理
この研究では過去の研究をまとめていますので,子育てパターンをだいたいここまでに書いた3つに整理しています。
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