見出し画像

ゲームのプレイスタイルは人となりを表すのか

10年くらい前だったでしょうか。アメリカの学会で再会した知り合いの研究者に,「World of Warcraftやってないの?」と聞かれたことがあります。

皆さんはやったことがありますか?

World of Warcraft(WoW)は,最多登録者数のMMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game;大規模多人数同時参加型オンラインRPG)としてギネスブックにも登録されたことがあるゲームです。


Warcraftの経験

Warcraft自体は,たぶんWarcraft IIをMacでやったことがあるはずです。そうそう,たしかこんな画面でした。

でもそのあとはまったくやっていません。日本語のローカライズもあまりよくなく,うまくいっていなかったという記事も見かけました。

いずれにしても自分にとってWarcraftはそれでおしまい。それ以降,ネットにつないで皆で参戦するWorld of Warcraftについても,やったことがありません。

日本語版がない,という点も,参加するハードルを上げているのかもしれません。

心理学者とWoW

アメリカの知り合いの彼は,当時こう言っていました。

WoWに心理学者のチームがあるんだよ。毎晩,そこに若いアメリカの心理学者たちが集まってグループを組んで敵と戦ってる

まじですか。

たぶん,10年前の若手心理学者たちということは,今なら中堅バリバリの心理学者のはず。もしも当時参加していれば,人脈が広がったかもしれません。人脈を広げるのにそういうルートもありましたか……。

ネットゲーム

これもずいぶん前のことです。「一度,オンラインゲームを体験してみよう」と思ってやってみたことがありました。そうそう,これです。

これがまた,時間をとられるのです。同盟を組んで作戦を実行するのですが,仲間が日本人とも限らないので作戦の実行開始時刻が夜中だったり,昼間もいつのまにか敵から攻撃を受けて資源を奪われてしまうのでつねに警戒していないといけなかったり。

1回まわり(それでも数か月間?)やったのですが,結論としては
これをやりつづけていると生活が破綻する
と思って手を引きました。

のちにこの本を読んだとき,「廃人になる人の気持ちがわかる」と思ったのでした。そういう実感をもつには良い経験でしたが,やり続けるのは危険です。

ゲームのプレイスタイル

さて,まさにWorld of Warcraftのプレイヤーを対象にした調査を行った論文があります。

Video gamers and personality: A five-factor model to understand game playing style

調査に参加したのは,オンラインでゲームに参加している1349名,そのうち1210名のデータが分析に使われました。平均年齢は約27歳,71%が男性,85%が白人でした。参加者は平均5.45年間プレイの経験があり,毎週平均5.8日間,平均26時間ほどログインしてWoWをプレイしています。やはりずいぶん長い時間をオンラインで過ごしていることがわかります。

調査に使われたのはBFIという,海外ではよく使われるビッグ・ファイブ・パーソナリティの測定尺度です。

ゲームのプレイスタイルとパーソナリティ

ここから先は

910字

【最初の月は無料です】心理学を中心とする有料noteを全て読むことができます。過去の有料記事も順次読めるようにしていく予定です。

日々是好日・心理学ノート

¥450 / 月 初月無料

【最初の月は無料です】毎日更新予定の有料記事を全て読むことができます。このマガジン購入者を対象に順次,過去の有料記事を読むことができるよう…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?