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国によってマインドフルネスと性格の関連は多少異なる

割引あり

マインドフルネスは,「いま,ここ」に注意を向けて現実をそのまま受け入れることを指します。トレーニングをすることもできますし,マインドフルネス状態に至りやすい個人差特性として表現されることもあります。


マインドフルネスの側面

マインドフルネスの尺度にもいくつかのものがあるのですが,5つの側面から測定する尺度があります。

◎自覚的な行動(Acting with Awareness):今この瞬間に注意を向ける
◎描写(Describing):経験や体験を言語化する
◎体験の観察(Observing):内的・外的体験に気づく
◎判断しない態度(Nonjudging):泣いてきた意見を評価することなくそのものに注意を向ける
◎反応しない態度(Nonreacting):感情や思考に即座に反応せず,そのものを認める

これらはマインドフルネスの要素であり,日常生活の中でこのような状態にどの程度至りやすいかという個人差特性でもあります。

ビッグ・ファイブ・パーソナリティ

これらマインドフルネスの要素とビッグ・ファイブ・パーソナリティとは,どのように関連するのでしょうか。これまでの研究でも,マインドフルネス傾向は,情緒安定性(神経症傾向の逆),勤勉性,外向性,協調性,開放性とプラスの関連を示すことが報告されてきています。しかし研究によって,関連の様子は微妙に異なってもいるようです。

では,複数の国で得られたデータを分析するとどうなるでしょうか。ビッグ・ファイブ・パーソナリティとマインドフルネスとのあいだには,同じような関連が観察されるのでしょうか。それとも,国によって関連の様子は異なってくるのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Big Five of Mindfulness and Personality: Cross-Cultural Network Analysis)。

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