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HSPはどんな性格特性に関連するのか

HSP(Highly Sensitive Person)という言葉も,この数年で一気に広まった心理学用語のひとつではないでしょうか。「繊細さん」などと呼ばれたりして,書籍もたくさん出版されています。

HSPの研究

その一方で,HSPイコール生きづらさのような解釈を問題視する心理学者もいます。私自身,いくつかHSPの論文にかかわっていて,あくまでもひとつの心理的な個人差特性に対する興味としてHSPを捉えていますので,あまり「HSPがあるから生きづらい」のようには捉えていないのですよね……。

たとえばこちらは,HSPと幸福感の関連を検討した論文です(Highly Sensitive Personは主観的幸福感が低いのか?─感覚処理感受性と人生に対する満足度,自尊感情との関連から─)。確かにHSPの高い人は主観的幸福感も低い傾向はあるのですが,美的感受性の下位側面は主観的幸福感の高さにも関連します。

こちらは,HSPと年齢との関連を検討した論文です(Relationship between sensory-processing sensitivity and age in a large cross-sectional Japanese sample)。HSPの下位側面の中には,年齢が上がるにつれて上昇していく側面と,下降していく側面の両面があります。

そもそも,HSPはどのようなパーソナリティ特性に関連するのでしょうね。

性格とHSP

世界の研究を見ると,これまでにいくつものHSPとパーソナリティ特性との関連を検討した研究が見つかります。では複数の研究を統合した時に,HSPはパーソナリティ特性とどのように関連するといえるのでしょうか。メタ分析で検討した研究がありますので見てみましょう(Sensory Sensory Processing Sensitivity and its Association with Personality Traits and Affect: A Meta-Analysis)。

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