人間以外の動物たちの性格（パーソナリティ）を検討する研究は世界中で行われていて，とても興味深いものです。おおよそどのような動物にも，行動にそれぞれの個体に特有の，一定のパターンがあるようです。

行動パターン

動物の行動パターンを観察する方法には，いくつかのものがあります。

人間が観察して記録したり，印象を評定したりする方法も，そのひとつです。これは，人間が自分自身のことについてアンケートに評定したり，インタビューに答えたり，親が子供の行動を評価するのと同じです。

また，ある環境や状況のもとに自由の活動させて，距離や回数や行動の有無などを記録していく方法があります。行動パターンとして記録するには，それぞれの動物が独特の行動パターンを繰り返すことを記録する必要があります。

そして近年，センサーやトラッキング技術の向上によって，普段の活動の中で行動の記録をとっていくことができるようになっています。人間の研究についてもそうなのですが，人間以外の動物の研究にも新しい技術は使えますね。これまでの研究では，特に活動性の高さや探索行動については，安定した特徴として観察することができそうです。

子牛の研究

今回紹介する研究は，90頭の乳牛の移動行動を56日間記録して分析したというものです。特に，1日の移動距離と滞留時間に焦点を当てつつ，いくつかの側面について調査を行いました。

では，こちらの論文を見ていきましょう（Evidence of personality-dependent plasticity in dairy calf movement behaviours derived from automated data collection）。