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仕事には勤勉性がやっぱり大切

職業と性格との関連については,多くの研究が行われています。

こういった研究は,職業適性という観点からも重要ですよね。特に日本の場合は,大学を卒業して一斉に仕事に就く場合が多い社会的なシステムになっています。

そしてそこでは,専門性があまり問われることはありません。会社に入ってから活躍できる人材を,まだ特に実績がない状態で選ぶ,という形式になっています。これは,入社の判断をする際に「まだ現れていない潜在的な能力」を見ようとするわけですから,そこで心理検査や職業適性検査が関与する余地が多々あるということを意味しています。そういうシステムだからこそ,心理検査の需要が生まれやすいということです。

研究者が大学に就職するときや弁護士が法律事務所に就職するときに心理検査をする,なんていうことはありませんからね。専門の領域が明確であれば,その専門性をそのまま評価すれば良いのです。必要とされる能力やスキルがよくわからないから,潜在的なものを測っているような気がする心理検査の需要があるということです。

やっぱり勤勉性?

これまでの研究では,ビッグ・ファイブ・パーソナリティのうちの勤勉性(Conscientiousness;  誠実性)が職業に関連するパフォーマンスにいちばん関連するという結果が得られています。とはいえ,メタ分析も行われているものの,網羅的に完全にされているわけではありません。そこで,複数行われているメタ分析をさらにまとめていくとどうなるか,という研究を見てみましょう(A century of research on conscientiousness at work)。

これまでに行われている92のメタ分析をさらにまとめていきます。これまでの研究のなかで報告された職業関連の変数は175ありました。この変数をいくつかの観点から分類していきます。

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