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性格タイプのメリット

人間のパーソナリティの見方には,類型論と特性論があるという話は,パーソナリティ心理学のテキストには必ず出てくる話ですし,高校で習う倫理の教科書にもたいてい登場してくるような,基本的な話です。

類型は人々をいくつかのグループに分類する見方で,特性は人々の評価をする観点の要素をまとめるやり方です。類型論であっても特性論であっても,どちらも「まとめる」という点に変わりはありません。私たちは,何らかの形でまとめないと,ものごとを理解できないのです。どこかに書いたことがありますが,データの羅列を見て「ああそうか」と納得できれば良いのですが,そんなことはできません。ですから,平均値を出したり順位にしたり,データを処理した形で理解しようとするのです。


プロトタイプ

パーソナリティ全体を考えた上で,人々を分類するとおおよそ3つに分かれるのではないかということが言われています。また,ビッグ・ファイブ・パーソナリティを使って類型を導いても,だいたいこれと同じような人々の分類になります。

◎Well adjusted:よく適応している,心理的に適応的なタイプ。「レジリエント」とも呼ばれます。
◎Undercontrolled:衝動的で落ち着きがない,注意散漫なタイプ
◎Inhibited:無口でびくびくする,見知らぬ人に会うと動揺しやすいタイプ

メンタルヘルス

この3つのタイプと精神的な健康との関連は,どのようになるのでしょうか。もちろん,よく適応しているタイプは健康的でありそうなのですが,実際にそのような傾向は見られるでしょうか。先行研究のレビューを行った研究を見てみましょう。この論文です(Resilients, overcontrollers and undercontrollers: A systematic review of the utility of a personality typology method in understanding adult mental health problems)。

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