私たちは，人の顔をわずか100ミリ秒（1000分の1秒）見ただけで，その人を大まかに判断することができる，ということがわかっているそうです。もちろん，すべてがわかるわけではありません。非常に最小限の情報だけで，人々は楽々とまた直観的に，相手の魅力度を評価することができるそうなのです。

魅力

人の心を惹きつける力のことを魅力と言います。魅力度が高い人物は人々の注目を集めやすく，また魅力的な人物は多くの人が共通して「魅力的だ」と回答しやすく意見が一致しやすい傾向もあります。

その一方で，魅力にはポジティブなハロー効果があるとも言われます。外見が魅力的な人物は，パーソナリティ（性格）も望ましいと見られがちです。例えばこれまでの研究でも，より魅力度が高い人物は，より外向的で協調性が高いと評価されがちな傾向があります。

就職や入試などの面接場面を考えると，この現象はなかなか厄介です。見た目だけでよい印象をもたれてしまい，本当の適性や能力がわからなくなってしまうからです。

国際比較

ただし，魅力度のハロー効果については，欧米の研究で明らかにされてきた結果が大部分です。そこで，世界の11地域にわたって魅力度のハロー効果について検討した研究を見てみましょう。こちらの論文です（Examining the “attractiveness halo effect” across cultures）。