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なぜ理系に女性が少ないのか

世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数」という指標を発表しています。2022年に発表された数字が,内閣府の男女共同参画局のHPに掲載されています。

日本は……なんと「146か国中116位」だそうです。

大学の場合

大学も大学院も,男性に比べて女性の比率が低い,というのが日本の特徴です。

早稲田大学の場合,学部生全体の女性比率は約37から38%くらい,教員の女性比率はわずか19%です。職員の女性比率は41%となっていますが,下のリンク先の表の欄外に書かれているように,これは専任職員と常勤嘱託職員の合算した値です。そしておそらく,(自分が見ている範囲において)嘱託職員は圧倒的に女性が多いだろうと予想されます。

いわゆる「文系」の大学でも,男女比率はこんな感じなのですよね。そしてこの比率は,大学によってずいぶん異なってきます。ざっと調べてみると,国立大学全体の女性比率は早稲田大学と同じくらい,いわゆる旧帝国大学では3割を下回り,東京大学は2割を下回ります。

一方で,近年では,欧米の大学は女性比率が高くて,アメリカ全体では約6割が女子学生だという統計もあります。

なぜ理系に女性が少ないのか

さて,最近読んだ本が,この『なぜ理系に女性が少ないのか』(横山広美著, 2022年, 幻冬舎)です。

わが家の子どもたちも,特に「文系」「理系」と区別して子育てをしているわけではないはずなのですが,なぜかわが家の女子たちも理系科目が苦手になってしまって不思議です。

しかしこの問題は根深くて,私たちの生活の中の些細なところで少しずつ,女性たちが理系を回避していく仕組みが組み込まれてしまっています。

子どもたちが親に進路の相談をしたときはどうでしょう。もちろん親たちは,面と向かって「女の子だからこうしたら」とは言わないでしょう。また親も,「女の子なんだからこの学問は向いていない」と強く思っているわけでもないでしょう。しかし,あれこれと理由をつけて誘導していることは,十分に考えられることです。その蓄積が,日本全体で統計的な数値の結果として表れているのではないでしょうか。

ぜひこの本を読みながら,考えてみてください。

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