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観光施設は落書きだらけ

海外の観光地に行くと目につくのが落書きです。観光地ではなくても,アメリカの街角では落書きを本当によく目にしますし,きれいに描かれているものもありますよね。

とはいえ,どこまでが「落書き」でどこからを「芸術」と見なすのかはとても主観的で,明確な線引きがあるような問題ではありません。たとえばこういった,公共施設への落書きに対する評価もそうです。

そして,バンクシーの落書きではないかということで話題になった騒動も,そうですよね。反体制・反権力を作品のエッセンスにする作家の作品を,権力者が大きく宣伝するというのは,それ自体が何かの皮肉のようでなかなか面白い現象のように思いました。バンクシーの作品と電車の落書きの違いはどこにあるのかということを考えてみるのも良いかもしれません。

観光地の落書き

これまで,海外で観光地に行ったときに,落書きの写真を撮ってきました。

街中のきれいな壁画のような落書きは,作品なのか落書きなのかよくわからないものもあるのですが,明らかに「落書き」と言えるものは,観光地に書かれた「自分の名前(と日付)」の落書きです。さすがにそれは作品ではないですよね。

カサ・ロマ

たとえば下の写真は,トロントにある個人が建てた大豪邸カサ・ロマで撮ったものです。この大邸宅というかもはやお城なのですが,いくら大富豪が個人で建てたとはいえあまりのこだわりと完成度に感動します。入場料はやや高めですが……。

撮った場所はタワーに上る階段の途中です。だいたいこういうところには,数え切れないほどの落書きがあるものです。しかしそれにしても,いろいろな国の言語で書かれているように見えます。落書きは人類共通の習慣なのでしょうか。

中には「どうやってこの高さまで書いたの?」という落書きまであります。この一番上のレンガに書かれている文字なんて,いくら背が高い人でも絶対に届かないような高さにあります。いったいどうやって書いたのでしょうか。

ザダルの塔

次は,クロアチアの観光地ザダルに建つ教会の塔の中にあった落書きです。

おそらく,階段の踊り場だったように記憶していますが,白い壁一面に落書きがありました。ホワイトボードじゃないのになあ......と思ったのを覚えています。

サグラダ・ファミリア

5年以上前になりますが,バルセロナのサグラダ・ファミリアを訪れて塔の上に上ったときにも,数多くの落書きを見つけました。もうすぐ完成するということですので,完成したらまた行ってみたいものです。

多くの落書きがあったのですが,当時は今のようにスマホのカメラの解像度がよくありませんでしたので,一部分を撮影しています。

これも人の名前でしょうか。最近だと,フルネームで落書きを書けばSNSで検索して本人を特定されたりしちゃいそうですよね。Facebookなんかに,いつごろどの観光地に行ったかも書いてありそうですし。

サグラダ・ファミリアでは,ペンではなくて尖った何かで彫ってあるものも見つけました。壁の素材的に,先のとがったものだとすぐに彫ることができてしまいそうです。しかし,いつの時代の落書きなのでしょうか。

名前を残す

こういった落書きを分析する研究も面白そうだなと思いましたが……それにしても,これだけ落書きをされてしまうと,せっかく観光地に行ってもちょっと興ざめしてしまうのが残念です。日本の観光地も世界中から観光客が来ていますので,同じような問題に悩まされることは目に見えているようにも思います。

しかし,観光地に名前を残したいと思う気持ちは,世界共通なのかも知れません。

日本でも古い神社に行くと,天井の内側などに名前が書かれた紙が貼られていますよね。それは千社札というそうです。

千社札は自分の名前や屋号が書かれた紙で,その寺社に参拝した証を残して御利益を得ようと江戸時代に流行った風習のようです。ところが,今でも千社札をネットで買うことができますし,今でも貼ろうとする人がいることがニュースになっていました。

やはり,他の国のことを笑うことはできなさそうです。

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