見出し画像

人を操ろうとする人が選択する学問

大学の中にいると,どうも学部や専攻によって,人となりに違いがあるのではないだろうか?という直感を抱くことがあります。

これは受験制度も影響しますし,時代の影響もあるでしょう。大学を受験するときに,どのように選んでいくかという問題です。十分に考えながら専攻を選んでいく時代や地域と,とにかく大学に入ればいいという時代や地域とでは,専攻を選ぶことの背景の要因は大きく変わりそうです。

性格と専攻

これまでにも,大学の専攻と性格(パーソナリティ)特性との関連は検討されています。学生たちは自分のキャリアを,専攻する学問を選ぶところから開始します。これはひとつのアイデンティティの探究でもあり,自己の選択が反映する行為でもあります。

過去の研究では,ビッグ・ファイブ・パーソナリティと大学の専攻との関連がよく研究されています。しかし,もう少し異なるパーソナリティの側面については,あまり検討されていないのも確かです。

たとえば,他者を操作しようとしたり自分の目的を優先したりするパーソナリティ特性である,マキャベリアニズムについてはどうでしょうか。自分自身を優先して,利益を追求しようとする傾向なのですから,なんらかの形で大学の専攻との関連も出てきそうです。

では実際に,関連が検討された研究の結果を見てみましょう。世界177ヵ国で行われた調査を分析した,こちらの論文です(Cause we are living in a Machiavellian world, and I am a Machiavellian major: Machiavellianism and academic major choice)。

ここから先は

784字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?