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個人でも、「大金をもらっても絶対にやらない仕事」という哲学が必要な時代。

先月、ハイパー資本主義経済の根幹である「株主至上主義」が終わるかもしれない、そんなことを感じさせるニュースが流れた。

米国経済が一つの転換点を迎えた。米国大手企業のCEOらが所属する団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は19日、企業のパーパス(存在意義)について新たな方針を発表。これまで20年以上掲げてきた「株主至上主義」を見直し、顧客や従業員、サプライヤー、地域社会、株主などすべてのステークホルダーを重視する方針を表明した。181社のCEOが署名した今回の見直しについて、同団体は「時代に合わせ、長期的視点に立った方針に変更した」と見解を示している。

個人という立場からみたらすごくまっとうな話だけれど、大きな経済システムから見たらリスクをとって資金を拠出している株主のリターンよりも、他の関係者を優先するなんて…という立場によっては受け入れられない話である。

消費者に支持されるブランド、優秀な社員が集まる会社と考えると、株主至上主義で短期利益を求めるよりも、株主にとっても関係各位とうまくやれる「優しいブランド」であることのほうが得であるということが証明されたということなんだろう。まさに山岸俊男先生の書かれていた「正直は最大の戦略」ということが、現実社会で実装され始めているのかもしれない。

さて、社会の流れとして、悪徳な守銭奴な企業運営から、長期的な信頼を元にした正直戦略が見直されていくのであれば、自分株式会社(自己資本という意味で株主は自分といえる)はどうあるべきかを考えておきたい。

短期利益が指標でないなら、指針となるのは「哲学」だ。長期に続くファミリー企業でもなにより大切にされてきたのが家訓であり、その家の哲学だった。それは、信頼が一番大切であり、一家の名前を辱めない(=ブランドを守る)こと以上に大切なことはないという暗黙知があったからだ。

これからは、自分株式会社にとって、自分の名前を辱めないためにも、大金を積まれてもやらないことを意識しておく必要がある。綺麗ごととか意識が高いとか、もはやそういうレベルではなく、今後の自分の生存戦略的に意識する必要がある。

例えば、自分の支持しない活動に寄与するようなことは、絶対に加担しない。自分の価値観的に許せないことの手伝いになるような仕事はしない。胸を張って他人に話せないような仕事は絶対にしない…など。そして価値観のあう人や、気持ちよく働けるクライアントを優先して、そうじゃないと感じた仕事は、しっかりと断るということも今後も徹底していきたい。(実際にお断りしているお仕事の方々、すいません。仕事を請けるかどうかって、こちらも相手を見て決めるので)

そもそも時間は有限なのだから、優先的にどの仕事を請けるのか、取り組むのかを考えるときに、お金だけではなく、哲学というフィルターも通して、仕事を選らばないといけないという当たり前のことなんだけど。日産のさらなる情けないニュースを見ていると、仕事人として個人がちゃんと哲学を持っていないといけない時代だと悲しく感じた

今週は以上です。。。

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