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<無料>2/18 半導体業界を知りたい

みなさんこんばんは、今日は最近伸びつつある半導体セクターについて、「わからんすぎる」とか、「(銘柄ごとに)何が違うの?」という声を頂き、それを簡単にご説明しようと思います。
基本的には、私の頭の中で家事、育児で忙しい主婦の方、患者様の事で頭が一杯な医療関係者など半導体を見たことも無い人に分かるレベル感での説明を目指しております。玄人の人向けではありません。

質問)まずは半導体ってなに?
こたえ)そのまんま半分導体なものです、つまり電気を通す事と電気を通さない事を同時にできる物です。
って言っても分からないと思うので、例えます!水道の蛇口です!
蛇口は水を流す物であり、止めるものですよね、つまり制御するものが水か電気の違いです(*'ω'*)
*もうお分かりかと思いますが、玄人の方のご指摘を一切無視して、細かい説明を大幅にカットし、この位のレベル感でお話します。

質問)半導体ってなんで成長産業だと言われているの?
こたえ)半導体を使ってできる事がどんどん増えた事と、使われる用途が広がっているためです。多くの人が想像する半導体の用途は今ならAIやスマホだと思います。少し目立たない所で言うと、LEDも半導体(光半導体)ですし、スマホの顔認証も半導体(ストラクチャードライト)、電車の駆動部(パワー半導体)にも使用されています。今挙げた3つ、10-20年前まではほぼ使われてなかったですよね。つまり、半導体の用途が広がり、生活が地味に便利になっていっている訳です。

質問)今話題のAI半導体って一体何がすごいのよ?
こたえ)例えばパソコンの中でいくつもある半導体チップに対して指示を出すのがCPUと言われる半導体です。パソコンに無数にある半導体をリードするオーケストラの指揮者的な感じですね。
これに対し、昨今注目なのがGPUと言ってNVIDIAが昔から得意としてきた半導体です。GPUのGはグラフィックのGで、本来、ゲーマーが使うパソコンで愛されてきた半導体でした。
ただコイツ、マルチタスクが得意という特技があって、言わば、両手両足でいくつものオーケストラに対して同時に指揮しているような感じで、同時処理能力が非常に高いです。
*GPUは複数の女性と同時進行でお付き合いが可能なモテ男くん、CPUは一人との関係が終わってから次に行く紳士くんと覚えておきましょう。

なお、最近はDeep Learningと言って、膨大なデータを処理しながらAI機能を高めていくのが流行りなので、その流行りに乗ってDPUというデータ処理特化型の半導体も出てきています。これもキーワードですね。

質問)なんか日本でも半導体銘柄が人気って聞きますけど、日本って半導体弱いんじゃなかったの?
こたえ)半導体は90年代まで強かったのですが、今は素材と装置が世界のトップとして半導体の製造を支えています。以下は、日本株のヒートマップですが、黄色く囲んだ会社たちは半導体との結びつきが強い会社たちです。

出展:https://nikkei225jp.com/nikkei/

意外な銘柄や知らない銘柄もあると思うので少しだけ解説します。
●電気機器セクター:ほぼ半導体製造装置、或いは半導体の周辺に配置されるプリント回路基板材料、電子部品を作っている会社が多いです。
ソニー:CMOSイメージセンサー半導体
キヤノン:露光装置
など、企業イメージと違った半導体銘柄も含まれています。
●情報・通信セクター:ソフトバンクGはARMの筆頭株主です。
●輸送機セクター:トヨタはEVなど車載半導体のビッグユーザーの一角であり、デンソーは主に車用に、実は自社でも半導体を製造するメーカーです。
ダイキンは世界的なフッ素メーカーであり、フッ素ガスやフッ素樹脂は半導体、及び回路基板の製造に広く使用されます。
●味の素:同社のABFという半導体用相関絶縁接着剤はなんと世界シェアほぼ100%の超半導体銘柄です。
層間絶縁材料 - 味の素ファインテクノ株式会社 (aft-website.com)

などなど、日系の優良銘柄の多くが実は半導体事業による収益が大きいという事が分かります。特に、装置、素材が多かったのが分かったと思います。

これには深い理由がありまして、、、昔日本は完成品としての半導体を多く製造していたのですが、米国との戦いに敗れ、ついには台湾、韓国にも抜かれ、衰退していった過去があるのですが、今(21年データ)ではこのありさまです。

21年時点の半導体世界シェア

半導体は製造に莫大な費用がかかる上に、特定の商品に人気が集中しやすいという特徴があります。アイドルグループの握手会さながら、人気のある人に顧客が集中しがちなので、生き残りが難しいです。
なので何をするか?
特徴を出すわけです。アイドルグループの一人が急に金髪にする、野球に詳しいですよキャラを出す、トークは一流、のように差別化を図る訳です。
なので、上記の図で言うなら、サムスン(韓)、SKハイニクス(韓)、マイクロン(米)はメモリー半導体に特化、メディアテック(台)、クアルコム(米)はスマホ用半導体に特化、など顧客から指示される特色を出したわけです。

なお、インテルは別格です。まさにアイドルグループのセンターをやるために生まれてきたようなインテルは全方位に集中しています。同業他社が分業して特色を出すのに対し、インテルは「全部やる」という分かりやすい方針なのですが、近年は妹分であるAMD(米)にシェアを奪われまくるなど、世代交代の波に押され、赤字継続気味です。。。

質問)こたえが長すぎるのよ。で、結局半導体各社は何がちがうのよ?
こたえ)今は水平分業という時代で、半導体業界は分担が進んでるんです。家事で言うなら、シェアハウスの住民が洗濯、料理、掃除など得意な分野ごとに得意な人がやってる感じが今の流行りです。インテルは一人暮らしで全部自分でやってます的な感じです。

そこで、今回は分かりやすく料理に特化します。
まずはARM!
ARMは半導体チップの設計のライセンスを販売する企業です。なので、料理のレシピ本だけを売ってる感じの人です。
NVIDIAはそのレシピ本を見て、「今晩は何作ろうかな」と考える人です。
ライバルはAMD、得意料理が実は似ている二人です。

そして、NVIDIAさんが考えたレシピ通りに料理(半導体)を作るのがTSMCです(市場シェアが6割超えているので、人気の料理人という感じ)。ここでポイントなのがNVIDIAさんは自分で料理(製造)しない事。自分で料理しなければ、買い物、下準備、調理、後片付け、野菜が腐らないように次の献立考える、、、このような面倒な事を一切考えなくていい訳です。
逆に、TSMCさんは献立を毎日考えるのが苦痛なので、大好きな料理に専念して、毎日フライパンを振る事だけに集中できる訳です。WINWINですよね。

一回図解しますね。

という感じで、半導体製造はほぼ料理で例えられますし、その方が分かりやすいかと思います。
なお、インテルはレシピ、献立を自分で考え、調理も自分であるという完璧さですが、素材や装置はさすがに外から買います。

では、それぞれのまとめをお伝えします。
<ARM>
メリット:非常に高いシェア、勝手にライセンス料が入り続ける仕組み。
デメリット:レシピというアイデア勝負なので、常に選ばれるための継続開発が必要。

<半導体設計メーカー>
メリット:NVIDIAのように一回ハマればリターンが大きいという夢が大きい。
デメリット:開発費用も莫大で、成長が鈍化した際に一気に負け組になるリスクあり。この分野の競合は多い。*インテルがAMDにシェアを奪われ続けているのが好例。

<ファウンドリー>
メリット:競合が少なく、半導体設計メーカーの業績が良い限り、安定して注文が入ること。
デメリット:常に設備投資して、製造能力を最先端であるようUpdateし続ける必要があること。なまけた瞬間に他社にとられる。

<装置メーカー、素材メーカー>
メリット:実は細かく細分化されており、各々の持ち場がある。その持ち場で存在感を出す限り、半導体の使用量増加=自社の販売増加という無限成長モードに入れる。
デメリット:名前があまり知られておらず、知名度が低い企業が多い。扱う商品次第では、顧客のさじ加減で販売が大きく左右され、「常に採用される状態」のキープが難しい。

長くなったので、まずは一旦ここまで(*'ω'*)

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