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7/31今週の展望(ファンダメンタルズ)

こんばんは、アトレです。昨日のテクニカルに引き続き今日はファンダメンタルズについて解説します。

こちらのレポートは私の米国株式相場に対する考察を述べている物でして、売買の推奨や投資勧誘を目的とするものではありません。また、当レポートに記載されている内容を元に売買をされた際の責任を負う物ではありません。記載されている内容は正確性の高い情報を集めてはおりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、途中引用として使用する記事や指標の所有権はその発行者の方に帰属いたします。また、当レポートで使用する引用記事などは複数の弁護士の方の確認を得て問題が無いという判断を行っております。

さて、先週はインテルとメタの決算が印象的でしたのでまずはこの2つの分析からやっていこうと思います。

以下はメタの決算です。メタは22年に大いに苦戦して決算の度にメッタメタとか揶揄されてきましたが、Q2は大きく反発回復を見せています。特に売上高が22年Q4と同じレベルに復活し、EPSに至っては落ち込んでいた22年Q3のほぼ倍まで回復です。中身の詳細は別の方の方が詳しく解説しているので割愛します。

続いて以下はインテルです。インテルはコロナ禍からの回復に大きく苦戦した銘柄でした。半導体の中には垂直統合と水平分業という2つのスタイルがあり、インテルは垂直統合と言って、自社で設計して自社で作るという「半導体なんでも自分でやりまっせ」スタイルを堅持しています。

これに対して、インテルの弟分のAMDや、今を時めくNVIDIAなどは設計だけやって、半導体製造をTSMCに委託するという水平分業というスタイルをとっています。これは言わば、人気ラーメン店が麺まで自家製で作るお店と、麺は外から買ってくるお店に分かれるのと同じですね。自家製は手間暇かかる分、こだわりが詰まっていますが、それが収益に繋がるとは限りません。むしろ、麺は麺屋さんに任せた方が効率的という考えもあります。

この辺もっと知りたい方はこの記事も参照ください。
インテル vs TSMC 半導体ウォーズの勝者はどちらか  Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン) (ismedia.jp)

そして今、時代は水平分業です。各社が半導体の各々の工程に一点特化した形で分業する方が良いものが作れるという時代です。この点でインテルは遅れをとり、半導体銘柄の中でもコロナ禍からずっと収益が低迷したままでした。そんなインテルがようやく、今回のQ2決算で右肩下がりから反発しました。

つまり、2銘柄に共通するのはQ2決算で復活の兆しが見えてきた事です。
これは意外な決算で、両銘柄、そしてここまで決算発表してきた銘柄に多く共通する現象です。
なんせ、2022年に株価下落開始してから企業は業績を大きく落としてきましたが、その時から今が最も金利が高い時にも関わらず、業績がなぜか反転してきたわけです。
FRBが金利を上げ続けているのは経済の熱を冷ますためにも関わらず、なぜか業績は勝手に回復しているわけです。

この現状に対し、私は在庫サイクルだと読み解いています。インテルの決算を見てわかる通り、約1年かけて業績が悪化しましたが、ここに来て回復しています。これは半導体のスーパーサイクルと呼ばれる物で、約4年~5年周期で訪れます。前回は2018年後半から2019年にかけて半導体の業績が悪化した訳ですが、その4年後が2022年から2023年に当たります。これは半導体の景況感がよくなりすぎると、「ついつい作りすぎて、需給バランスが崩れて在庫調整に入る」というフェーズを指しますが、半導体業界の在庫は22年後半に大きく溜まり、現在は段々解消されつつあります。これがインテルなど半導体業界の決算が反転し始めている理由と見受けます。

ところが、半導体の在庫調整と、世界的な景況感は分けて考える必要があります。先週のレポートで解説しましたが、半導体の中でも製造露光装置という先端半導体を作る上で最も重要な機械を製造しているASMLという会社の決算について触れました。
7/25 半導体銘柄はどうなっているのか?|アトレ (note.com)

ポイントは、ASMLという会社の機械は大人気な上に高価な代物で、そのASMLの決算がQ1→Q2が横ばい、そしてQ3のガイダンスも横ばいという内容でした。これは、結構驚きで、通常この手の設備を購入するには数年待ちは当たり前の世界の中で、在庫調整のような目先数か月の景況感の話ではなく、目先数年先の景況感を表すので重要と考えます。

つまり、仮に半導体産業がこれから上向き、景況感が上がってもその高い需要に応えられるだけの製造装置をASMLが作っていないとすると、今後の半導体業界の足かせになる可能性があります。

この点から私は、短期では米国半導体に対し強気、中期目線では少し弱気に考えています。

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