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3/17 株価はうつむき加減、カギになるのはインフレデータですよ

こんばんはアトレです。思わぬ反響をいただきましたので、壁紙は今週も女性で行きたいと思います、株価同様にややうつむき加減です。

*最後に今後注目の業界についても語ります。

さて、先週はCPIの総合値、コア共にピタリで当てました。応援してくださった皆様ありがとうございました。想定通りやや強めな数字が出ましたね。そしてCPIの先行指数でもあるPPI(生産者の物価指数)の方もサプライズ上昇があり、金利が再び上昇、それらの流れから「24年の利下げは遅れるし、回数も減る」という考えが市場参加者の間で強くなり株価が下落したという流れです。

1週前の雇用関係の数値(JOLT、ADP雇用統計、雇用統計)などのデータから雇用の悪化がインフレを低下させていき、利下げが近いのではないか?という考えがマーケットで出てきたので金利が低下。その後、先週のインフレ指標(CPI、PPI)によって裏切られた形です。

つまり、この先は、”労働インフレは落ちてきたが、インフレは再燃し始めている?”という疑念に対し、株価がどう動くかはインフレデータにかかっていると思います。

先に結論言いますが、インフレの再燃は可能性低いと私は考えております。理由はこんな感じです。
①米国のインフレをリアルタイムで見れるTruflation曰く、インフレは1年前から下落トレンドをキープ。既に2%を切っており、実データよりも遅れて反映されがちなCPIと異なり、速報に近いこのデータでは下落が継続しており、インフレは低下中と考える事ができる。
引用元:Dashboard | Truflation

尚、このデータは個別に12個のカテゴリーに分類されているが、現在上昇傾向なのは「食料品、飲料」と「ヘルスケア」の2つだけで、残り10項目は横ばい、或いは下落トレンドであった為、インフレは総合的には下落基調と考える。

特に、衣料品の項目が気になる。衣類は食料やヘルスケアと異なり、景気の良さを如実に表す項目であり、1年間かけて大きく下落し、むしろ3月からはマイナス圏に入った事が人々の景気へのネガティブなセンチメントである事を表している。

②GDPの低下、以下のアトランタ連銀によるGDPの速報集計によると、先週はGDPのリアルタイムの予想値において急低下しており、更にこの発表の直前には小売売上高の低下(予想+0.8%に対し結果+0.6%)や、直後にはNY連銀の製造業景況感指数(予想-7に対し、結果-20.9)などネガティブサプライズもあり、GDPのリアルタイム値は下がる方向に今後も動きそうなデータが出てきています。

③エネルギーの価格見通し
先週発表のあったデータで見逃せないのが、以下の通り、eiaの発表したWTI原油のスポット価格の見通しです。青のForecastを見て頂くと、現在の80ドル付近から夏にかけて90ドル台に近づくもそこからは減少の予測がされており、今の価格から10%程度の上昇の可能性があるが、それ以上には伸びない(つまり、景気が悪く原油の需要が減少する)と見ているものと解釈できる。
引用元:短期的なエネルギー見通し - 米国エネルギー情報局(EIA)

これらのデータから、私は短期的に原油、食料品のインフレリバウンドが仮にあっても、他の項目のインフレ低下(ディスインフレ)と、経済の見通し悪化は続くものと考えております。

インフレが起きる原因は「供給が少ない状態」か「需要が高い状態」の両方or どちらかが発生している状態です。今はコロナ禍が過ぎ、ウクライナの戦争も市場を揺るがすほどのインパクトは無くなり、供給が安定してきたので「需要の高い状態」がインフレをけん引していると考えてよいと思います。

需要はお金を持っているから生まれるもので、賃金の伸びと、貯蓄の拡大が需要に大きく影響します。
以下は青線が平均時給の伸び(前年比、左軸)、赤線が家計の貯蓄率(前年比、右軸)です。どちらも減少している事が分かります。これは個人が働いても賃金は伸びておらず、貯蓄に回せる率も徐々に低下中である事が分かります。つまり、個人の家計は「けっこう苦しい」という事が分かります
その証拠にクレジットカードの支払い滞納者がコロナ前を上回るまで伸びており、個人の家計事情は、「需要は強くないが仕方なく支払い続けている」という状態に近いかと思います。


引用元:FRED

この先、PCEなどインフレデータが発表されますが、その動向はしっかり見ていきたいと思います。私もデータ次第ではフレキシブルに意見変えます。

マーケットはどうか?

短期的には金利の上昇が嫌気されて各銘柄に利益確定の売りが発生しており、マーケットは調整局面に入るかどうか?というところに来ています。”AIバブル”と称され、その先頭を走ってきたNVIDIA(NVDA)ですが、以下のチャートの通り、ほぼずっと上値の切り上げ、下値の切り上げが続き、上昇トレンドを形成してきましたが、ここに来て初めての綺麗なダブルトップの形を作って上値の切り下げが発生、このまま下値切り下げが発生すると調整に入る可能性が高まる、というチャートが形成されつつあります。

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