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中古原付で東京に行ってみたい

5月中旬に中古の原付を手に入れてから早2ヶ月弱が経過した。ここらでちょっと今までの事を雑に振り返ってみたい。
今回は写真少なめです。


最終的に東京に出るという目標を掲げてはいるが、資金が貯まるまではこのド田舎いわきで生きていかなければならない。
しかし車社会の土地で公共交通機関のみで生き抜こうとするのはハッキリ言ってドMのやり込みゲーマーが望む縛りプレイ並の苦行。二輪だろうが四輪だろうが、どうあっても自分用の"足"は必要なのだ。むしろ帰ってきてから今までよく自分の足無しでやれてきたな。それだけ親に頼って迷惑かけてきた事でもあるのでだいぶ後ろめたい。

幸い免許は大学時代に取っていたので、選択肢は2つ。自動車か原付か。今となっては自動車の運転もようやくそこそこ慣れてきたのでどっちでも良いのだが、買う頃はまだ断固原付じゃないと無理と考えていた。
以下、自分なりに考えてそれぞれのメリットデメリットを挙げてみた。太字の項目については詳しく述べる。

【原付のメリットデメリット】
○小回りが利き乗り回しやすい
○単純に安い
○保険料や税金、維持費も安い
○駐車スペースも問題ない
○東京に移住する時にも持っていける(金はかかるが)
個人的にこれがだいぶ魅力的だった。東京のデカい道で走るのはそれこそ地元以上に危険だが、小さな道くらいならどうってことはない…はず。何より住める範囲が駅近から更に広範囲に広がる。つまりより安くより良い部屋を借りやすくなるのだ。まぁ駐輪場のある物件には限られるし、駅前とかの駐輪場も借りないといけなくなるが。…それとあの魔の踏切が存在する限り、京王線沿いは厳しいだろう。高架線化の工事いつからいつまでだっけ…
╳30km/hの制限速度&二段階右折の義務はダルい
╳ほぼ生身剥き出しなので万が一の時ヤバい
╳雨の時はやりづらい、降雪時は運転自体が困難
╳キャリアボックスでも装備しない限り中くらい以上のサイズの荷物も積めない、装備しても無理な物は無理
╳いわきだとバイク用品店が皆無
逆にこれがかなり難しいポイント。どういう訳かいわきには最近できたばかりのアップガレージ以外にはバイク用品店が存在しないのだ。どんだけいわきのバイク需要(あるいは供給)低いんだよ。こうなると身に付けるものはワークマンで、それ以外は通販で妥協するしかない。とはいえワークマンコスパ良いからね。

【自動車のメリットデメリット】
○冬のタイヤ交換さえすれば年中いつでも乗り回せる
○制限速度も無いので移動も快適
○(あくまで二輪と比べて)安全
○車ゆえの自分の空間が増える
…悠々自適にスマホから音楽流したりできるのが特に魅力的。車に標準装備されてる類のサウンドスピーカーって結構良質だと思うんですよ(逆に言えば標準装備されてるものから選ぶ必要がある)。
○用品店にも困らない
╳(あくまで二輪と比べて)小回りが利かず乗り回しにくい(自分の場合苦手意識も強かったので尚更)
╳単純に高い
╳保険料も税金も維持費もバカにならない
…軽自動車でもかかる税金は10800円/年と実に原付の5倍。逆に原付がバカ安すぎるだけな気もするが…。それに原付と違って車検とかも必要になるから、維持費による負担はより大きくなる。
╳実家だと駐車スペースがもう無い(実家だと現状の3台がほぼ限界(内1台はご近所さんに間借りさせてもらってる)
╳東京に持っていくのもやや厳しい(都区外なら何とかなりそうだけど)し、持っていかないならそれはそれでかなりの無駄になってしまい、車両購入におけるコスパが悪い

正直少し迷いはしたが、現段階で出せる予算が多くないといった理由もあり、最終的には必然的に原付を選ぶ事となった。車が必要な時は家族の車を借りればいいわけだし。


いわきで唯一まともに中古原付を扱っているバイク王で選んだのはホンダのダンク(2014年製)。お値段は14万!?弱。約一年前に別件で検討してた時にも置いてあったような気がするが、もしかしてずっと売れ残ってたのだろうか…

まるでソニックのようなクールで青々としたカラーリング。近年のモデルの青色はかなり暗めなので比較的目立つように感じる。実際納車から帰ってきて妹から第一声「青ッ」て言われた。
まぁこれより更に明るい青色モデルもあるらしいのだが。

ちなみに走行距離は約5000km弱。車体のキズ、汚れやシートのカビ跡などもそこそこあり、まぁまぁ使い込まれた車両だ。なんならそれよりも状態が良くて安いジョグも直近で入荷してきていた。

それでもなぜこのダンクにしたのかは…結局のところデザインが気に入ったから、に尽きる。カクカクしたガジェット感のあるボディ(丸っこいのもそれはそれで好き)とか、フレーム剥き出しのハンドルとか、時計も付いてるメーター部分とか。
それとなんというか…フロントホイールを覆う部分が車体と一体になっているジョグのあの尖ったボディがどうしてもイマイチ気に入らないなーと感じたのだ。こっちはこっちで無駄に赤いし。
後はフィーリング的なものとしか言いようがない。


かくして俺はこいつと旅に出ると言わんばかりにほぼ即断的に購入決定。2〜3週間くらいで納車されるらしい。
その間に役所にナンバープレートを受け取りに行ったのだがここでまたちょっとした悩みが。

いわきには割と前から原付用のご当地ナンバープレートが存在する。

こんなの。しかしここはホントにハワイアンズ(とせいぜいアクアマリンふくしまくらい?)しか目立った特色が無いんだなと改めて思う。

ビックリするほど陽気でカラフル。明るい寄りの青色ボディだし結構似合いそうではあるのだが、その陽気さも相まってなんか「地元最高!!」とか言ってる浮かれポンチのヤンキー感がしない事も無い気がしてくる(超絶ド偏見の塊)。逆にかなり最近になって決まった四輪の方のご当地ナンバープレートの柄だったらそんなに抵抗感は無かったのだが。

このシンプルかつクール(ダブルミーニング)な柄よ。
ちなみに正式な交付は今年の秋かららしい。

そんな感じで悩み続け、実際に役所の窓口に着くまでなかなか決断を下せずにいた。筆者は変なところで重度の優柔不断を発揮しがち。
が、いざ窓口で手続きを進めていくと、なんと当然のようにご当地ナンバープレートの方を出してきたのだ。え?と思いつつ話を聞いてみると「今はご当地ナンバープレートがデフォルトで、無地の方は在庫が無くなり次第発行終了」との事。
つまるところ現状新規発行するとなると無地の方が希少価値が高いわけで、だったらもうそれ一択だよなぁ!?とここに来てようやくビシッと決断できたのだった。判断が遅すぎる!!(おうふくビンタ)


そしていよいよ納車日。店舗で鍵を受け取りこのままこの原付を運転して家まで帰る事になったわけだが、正直死ぬかと思った。原付ナメてた。ちょっとスロットルひねるだけであんなグイグイ加速するもんなんだ。よう無傷で帰れたな俺。
と、最初はそんな感じで原付は原付なりの難しさ(主にカーブとかカーブとかカーブとか)があるのを身をもって学んだものの、慣れればどうってこともなくなりほとんど難なく動かせるようになった。ついでに車の方も徐々に慣れてきた。やっぱり何事も考え込んでるより実践した方が良いものなのだ。ここ数年ですっかり悩んでばかりになった自分にはだいぶいい刺激な経験になったと思う。


ところでヘルメットだが、中古品のジェットヘルメットを通販で購入した(トップ画でシートの上に置いてあるやつ)。カインズで売ってるフリーサイズの安物という手もあったが、こういう大事な物には妥協したくないという拘り(そのくせに中古で買うの?とはなるけど、商品の状態とか吟味した上での判断なので…)と、"あるもの"とセットでバリ安価格で売られていたのが決め手だった。サイズについては遠出した時に寄った現地のバイク用品店で同じものを既に試していたので無問題。
その"あるもの"こそがB+COM PLAY。早い話がヘルメット用のサウンドシステム(厳密にはインカムではない(一応マイクは付いてるけど)だ。

ちなみにB+COMシリーズのシステムボイスはあの有名な結月ゆかりだったりする。最初聴いてビックリしたよ。

この選択は間違いなく大正解だったと確信している。ヘルメット自体も中古とはいえヤマハ(ZENITH)製の上質な物だし、プレイくんも性能・使い勝手・電池持ちいずれも非常に優秀。これをベストなタイミングで売っていたアップガレージの通販サイトには深く感謝している。どうも昔からこういうところでは運がツイてる方らしい。
…けどヘルメットの縁ゴムはだいぶ剥がれている。どうにかして直したいけどどうやるんだこれ…


そんな感じで、もはや自分の日常において無くてはならない存在になったダンクくんだが、乗り続けることで実感できるようになった欠点もある。

・やっぱ原付の制限ダルすぎ…二段階右折はともかく、30km/hというのは想像よりもかなりトロい。車より遥かに小さいからなおのことトロく感じる。正直もう既に小型二輪免許取って乗り換えられる余裕があるなら即そうしたいと思ったくらいだし、いずれ必ずそうしようと決意した。125ccクラスだとトリシティとか良いな〜と思っているが、まぁやたら高いしやっぱり二輪車になるだろう。収納スペースは必須なのでスクータータイプ一択ではあるが…。閑話休題。
・結構な頻度でキズがつく…これは自業自得なのだが。既にこの2ヶ月弱で2回もぶつけたり立ちゴケしたりしている。思ってたよりも重い、二輪特有の扱いの難しさだなぁと痛感。家で縦列駐車する時も毎回苦労している。いいかげん何とかしようとネットの海でほぼ消滅しかかっていた同じ色の塗料を探し当て注文できたが、希少さ故か結構持ってかれた。チクショウ。ついでに綺麗な状態の純正シートも探してます。
・ウインカー切り忘れがち…他の原付とか125ccクラス以上の二輪もほとんどそうらしいが、車と違ってウインカーが自動で切れたりしないので逐一手動で切らなければならない。…のだがこれが結構忘れてしまいがち。自動でウインカー切れるのってとてもありがたい事だったんだなぁ…
・グローブボックスのソケットは邪魔なだけだった…ダンクの大きな特徴のひとつとして、乗って左側にあるグローブボックスにはスマホの充電とかができるソケットが付いてるのだが、これのおかげでボックス内がめちゃくちゃ狭い。スマホひとつ収めるだけでもういっぱいいっぱいだし、そんな状態で運転したら振動で壊れちゃ↑〜う。当然この状態だとコードどころかUSBソケットもコンパクトなものでないとまともに挿せないので、しまったまま充電なんて物理的に不可能。宝の持ち腐れもいいとこである。
・(特に夏)ヘルメット着用で抜け毛がヤバくなる…この記事書いてる最中に発覚。寝て起きた時枕に付いてる毛の量が明らかに増えている。「ヘルメット被ってるとハゲる」とか風説だろと半分思ってたが事実だった。嘘であってほしかった。これといって効果的で実行可能な対処法も無いので、蒸し暑いうちはこまめにコンフォートライナーを外してファブリーズしたり、ひたすら頭皮ケアに気を遣うしかない。さすがにこれは想定してなかった、やべぇよやべぇよ…(絶望)

しかしそれらの苦労以上に自分の足がある事の便利さ、そして走行時の風の気持ちよさに目覚めたのも事実。後者に関しては乗り始めた季節がちょうど良かったからではありそうだが(冬の走行時とかあんま想像したくない)。さすがに走ること目的で出かける事こそまだ無いが、そういう目的でツーリングしている人達の気持ちがちょっと理解できるようになったと思う。


ある日、家から3〜40分くらいかけてイオンモールの映画館にグリッドマンユニバースのレイトショーを観に行った。グリッドマンユニバース、最終的に合計で3回も観に行ったくらいにはとても大好きな映画になったのだがそれはさておき。
深夜11時頃の帰り道はとても広く、そして自分以外ほぼ誰も走っていない。そこで思い切り走らせる事の気持ちよさを会得したと同時に、ひとつの欲求が湧き上がってきた。

「このまま東京までずっと走らせられるんじゃないか?というか走らせたい…」

脳裏をよぎったのはある記憶。数あるnote記事の中でもかなり有名であろう、麻宮ミヤネ氏の例のあの記事の中に出てきたルームシェアの(元)同居人、義也さんの事だ。

その件については主に後日談的な方の記事に書いてあるが、その方は上京する際に和歌山から東京まで原付で旅をし、その道程を配信していたそうだ。今書いてて気づいたけど水曜どうでしょうでも似たような事やってたな(規模感は全然違うけど)。原付に乗るようになって、そういった企画とか旅とかへの憧れがどこかで芽生えてたのかもしれない。
そこである決断をした。ここに宣言します。


今後上京する事が決まった暁には、いわき〜東京間、200km超・約9時間の旅路を配信します!!


…いや、やっぱ配信はキツいかもしれない(おくびょう)。GoProとかでもそんな長時間持つわけない。バッテリーを抜いて電源と直接繋げられればワンチャンあるっぽい(でもソケットの低出力じゃ無理そう)し、それでなくても途中でどっか泊まって日を跨ぐならまだやれるかもしれないが。
というか今読み返してて気づいたけど別に義也さんだって走っているところを生配信してたわけではないよ!!何を勘違いしてたんだ俺バカかコラカス!!!!!(義也さんごめんなさい)
まぁそれ以前に原付で国道をひたすら走り続けるとか、多分今思っているよりも遥かに苦行だろうなというのは、さすがにバカの自分でも容易に想像できる。

が、やはり人生で一度くらいはこういう無茶をしてみたいのだ。今まで逃げてばかり甘い蜜啜ってきてばかりの人生だったが、そんな自分がまともに社会復帰するにはこれを成し遂げるのと同じくらいの技量とか度胸とか覚悟とかが必要になるのだろうし、そういう意味でも丁度いいのかもしれない。…いや丁度よくはないだろ。
後「そもそも東京出るのに50万近く貯めなきゃならないしそれ以前に社会復帰の目処だってまだ立ってないのに何を夢みたいな寝言くっちゃべってんだよ」という自覚はある。そこは今ホントに頑張ってるところなのでゆるして。

いずれにせよぶっつけ本番では走破できるわけないので、まずは水戸ないし大洗か、同じくらいの距離の郡山までは行けるようになりたい。この夏か秋にやってみようかな…


原付、買ってよかったなぁ。メンタルへの影響もかなり大きいと思う。今は夏休み期間限定の短期バイトに挑戦しようとしたり、本当に少しづつではあるけど、これをきっかけにしてようやく前に進めそうです。

ダンクくんとYJ-20&ビーコムくんはコンゴトモヨロシク…そして待ってろよ東京!!!

実家から前住んでた世田谷のアパートまでのルートを仮に出してみた。
東京までは基本的に国道6号線を南に向かってまっすぐ。迷いはしないだろうけど、通勤ラッシュの時間帯を避けての実行は必須事項だろう。


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