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もう一度コンセプトについて考えてみませんか?

コンセプトがなぜ必要なのか?

 コンセプトがなぜ必要なのか?多くの企業やブランドがコンセプトを掲げるのには理由があります。当記事では、コンセプトの役割と、その作り方を記載していきたいと思います。

[モノ消費の時代からコト消費の時代とは。]

 モノを作れば売れる時代から、作っただけでは売れない時代になったと言われて久しいです。
 改めて説明する必要もありませんが、”モノ消費”とはモノを所有することや、商品やサービスの機能を使うことに価値を見出す消費のことであり、”コト消費”とは、商品やサービスから得られる体験や経験に価値を見出す消費のことです。
「ホンダステップワゴン」のテレビコマーシャル(1996から8年間続いたキャンペーンCM)は、この時代の変化をよく表しています。
「こどもといっしょにどこいこう!」のコピーと共に浸透した同テレビコマーシャルはアートディレクターの佐藤可士和氏が手がけた代表的なものとなりました。今日では、マーケティングを重視するだけでなく、商品そのものの本質をアピールすることは一般的な考えとなっていますが、今(2021年現在)から25年前に価値観を一新するようなクリエイティブを世に発信した同氏には感嘆するばかりです※1。
2004年11月1日に発行された[デザインのメイキングマガジン]デザインノートのインタビュー中で、同氏は「ホンダステップワゴン」のディレクションについて以下のように述べています。

「広告で商品のイメージが良くなり売れればいい、シンプルにそう考えています。それを実現するためにどんな広告を作るか、それに尽きます。
(中略)
『ステップワゴン』のような車は、スペックだけがウリなのではなく、家族と乗るという機能がある。それが大事なのではないかと気が付いたんです。でも当時は家族サービスなんてカッコ悪いと言うイメージがあった。そのイメージを全く変えてしまうような、要するに子供を連れて遊びに行くことは素敵なことなんだ、おしゃれなことなんだとなれば、その商品を堂々と買えるようになると思ったんです。だから、家族で楽しむとはどう言うことだろうからコンセプトメイキングをして、絵本の世界なら家族と一緒にどこにでも行けると考え、手書きのクレヨンの世界を作りました」
引用:デザインノート―デザインのメイキングマガジン (No.1) (P14)

 つまり車自体の魅力ではなく、その車を所有することでどのような体験ができるのかという魅力を優先度高くし、コンセプトメイキングしたということです。
品質では差別化しづらくなったことや、消費で自分らしさを表現する時代になった昨今、コンセプトを考えるということは、企業やブランドにとって非常に重要なことなのではないでしょうか?

※1 同じ記事中のインタビューで大貫卓也氏の存在は大きかったと述べられているように先人達の足跡が影響していることは言及するまでもありません。

有料版では、下記内容について記載してあります。
ご興味あればぜひご覧ください。

○コンセプトの役割とは
 [方向性である]
 [境界線である]
 [抽象と具体をつなぐものである]
○コンセプトはどう作るのか
 [何を実現させたいのか]
 [どのように実現させるのか]
 [なぜそれを実現させたいのか]
○消費者こそコンセプトを意識するべき理由
 [コト消費の次は?]
○まとめ

尚、当記事では、“コンセプト”を広義的な意味として使っており、例として挙げているSDGsの”誰一人取り残さない”やGoogleのミッションや社是などもコンセプトとして扱っています。
また、当記事内で認識の誤っている箇所やこんな考え方もあるよ〜や、こんな話ともつながるね〜などあればコメントしていただければ幸いです。


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