見出し画像

「二兎を追うな!」

※イラスト提供 mii 

ここだけの裏話:イラストが出来るまで

今回は日経の記事では2コママンガの体裁で、計4枚のイラストで、タイトルのイメージを膨らましたのだが、実際にはもっとたくさんのイラストを描いてもらったので、その顛末を(笑)・・・その前に

 たくさんの人にご覧いただけて、掲載二日経っても未だにランキング1位なのでお礼を申し上げます、皆さん、いつもお読みいただけてとても感謝しております、誠にありがとうございます、皆さんがシェアしてくださり、いいねしてくださることが励みとなって、コレまで続けてくることが出来ました、プロの物書きではないので、稚拙で冗長で回りくどくて癖のある文章をお読みいただくのを心苦しく思っております、とはいえ、今さら文体を変える根性もないので、今まで通りでやっていきますので(笑)。

 どうか職場の上司や同僚や、友人・知人のかたにも広くお勧めいただき、一人でも多くのかたにお読みいただいて、なにかのヒントになったり、行動を変えるきっかけになれば、私の命の時間を費やしてでも書く意味があったと思います。よろしくお願いいたします。

20200131ランキングTOP1

これは採用した二匹の兎を私が狙っているという微笑ましい、私の似顔絵としてすでに何度か登場しているが、今後も登場することになるのでお見知りおきをお願いします。

画像1

二兎を追う者は一兎をも得ず、のイメージ第一弾はこちら。私が、こんな感じね、と注文して描いてもらったのだが、イラストレーターに日経の掲載前原稿を読んでもらったら、「この話の内容だと、このイラストは違うじゃん」と指摘されてしまい・・・

画像2

描き直してくれたのがこちら 二兎を追うために全然違う二つの方法で捕まえようとするので、それじゃ上手く行かないよ、と言うイメージを上手く出してもらえた、ありがたい

画像3

で、二兎を追うのを諦めて、次に狙う「一石二鳥」の二羽の鳥に気がついたのがこれ

画像4

そこで私が頼んだのは二羽の鳥を両手で捕まえている様子だったのだが、原稿を読んだイラストレーターから「ぜんぜん二鳥を得るってイメージと違うじゃん」とダメ出しをされてしまい

画像8

じゃぁ、一度に二羽の鳥が捕れる方法ってなんだろう、と話し合って、私が「じゃ、かすみ網なら一網打尽だよ」と伝えたが、若いイラストレーターは「それ、なに?」と知らなかったので、ネットで検索した写真をシェアすると「あーぁ、これね、かすみ網って言うんだ」とぶつぶついいながらも描いてくれたのがこれ

画像5

よーし、これで完成だと意気込んだけど、世の中で「かすみ網」って密猟に使われていて、イメージがもの凄く悪くて、検索すると「所持していただけで捕まる」って言う代物だと気がついて、イラストレーターさんと話したのは、さすが日経の全国版に「二兎を追うのではなく、かすみ網を使って二鳥を得る」っていうメッセージになってしまうと、もはや「法律に触れようとも、なりふり構わず結果を出す」ようなイメージになるんじゃないかな、と心配になって、かすみ網じゃなくて、二鳥を簡単に捕まえられるイラストがいいなぁと無責任に注文して・・・・出てきたのがこれ
そう、鳥もちだ
イラストレーターさんは本物の鳥もちはみたことなかったらしいが、ドラえもんの秘密の道具の一つに本やテレビ番組の中から欲しいものを取り出せる「トリモチ」って言う道具があるらしく、「トリモチなら判るなー、こんな感じでしょ?」と言ってさっさと描いてくれた、雰囲気が出ていて、私のお気に入りだ、しかし「鳥餅」を検索すると・・・・

画像6

鳥もちは所持することも使うことも問題ではないが、野生の鳥獣捕獲に使うのは禁止されているようで、「鳥もちもダメとなったら、もう思いつかない」と私が弱音を吐くと、イラストレーターさんが「うん、判った、なんとかする!」といっていって差し替えで描いてくれたのがコレ

画像7

こうなると「二兎を追わずに二鳥を得る」と言いたいけど、なんか平和的で、鳥が何匹も自分からニコニコと嬉しそうに寄ってきて餌をついばむ、それは微笑ましいけど、もはや訳がわからなくなってしまった(笑)
でも野生動物の捕獲を推奨してるとか思われると、ネットで叩かれたら困るしどうしよう・・と途方に暮れてしまった。

結局、その後に紆余曲折があって、プロの編集者のかたの助言をいただいて採用されたのは、お気に入りの鳥もちのイラスト

画像9

そしてイラストには但し書きで
作画:mii(編集部注:鳥獣保護管理法により、許可を受けたり規定を満たしたりすることなく鳥獣を捕獲することはできません)
とすることで無事に掲載の運びとなりました。さすがプロの皆さんは違う!

この一連の顛末は、イラストレーターさんとLINEのタイムラインでやりとりしてたんだけど、本当にその場でちゃっちゃと次から次へとイラストを描き直してホイホイと送ってくるので、さすが餅は餅屋、プロってこういうもんなのね、と感心した次第。お楽しみいただけたでしょうか?

画像10

さて、以下からは、文字数制限と大人の事情で原稿に載せなかった幻のエピローグに相当するお話しで、コレを読んでから日経の記事を読んでも、日経の記事を読んでからこちらを読んでも二倍楽しめると良いな、と願う。

-------------------------------------------------------------------------

実は、随分と前には私はこう言っていた・・・

「二兎を追え!」

 これは「二兎を追う者は一兎をも得ず」からもじって、逆に二兎でも三兎でも追っかけて捕まえるくらいじゃないと今の世の中は生き残れないよ、と言う意味で使っていたんだが、日経の連載記事「時間泥棒シリーズ」を書いてから、ちょっとニュアンスが違うと思い始めた。

 と言うのは、やっぱり時間は有限で、高性能なCPUじゃないんだから、どんどんマルチタスクで複数の仕事を同時にパラレルでこなせるなんてことはなく(できると思っているならそれは錯覚か、大きな勘違い)、人間はシングルタスクなんだなぁ、と思い至った。

 もちろん、習慣化することで、脳に自動回路ができあがって、ほぼ無意識に素晴らしい仕事をやってのけることはいくらでもあるし、あなたでも私なんかでもそうなることは出来るのだ。今朝も、コーヒー飲みながら、ハムサンドにかぶりつき、朝ドラも観た。

 定型業務はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のように脳にプログラミング(習慣化)出来るので、意識しなくても勝手に作業をしてくれる。しかし、高度な判断が求められたり、非定型業務になってくると、CPUの使用比率が上がって、バックグランドのtaskとして処理をしてくれなくなる。

この脳の自動化プロセスに関しては、医療用のMRI装置(磁気共鳴画像診断のことで、CTのようなエックス線は使用せず,強い磁石と電磁波を使って体内の状態を断面像として描写することができる)まで使って、プロのサッカー選手であるネイマールの「華麗な足技の秘密」を解き明かすことで知られている。(この話はNHKスペシャル「ミラクルボディー」で放映)
論文※「超一流サッカー選手の脳活動の特殊性」内藤栄一(国立研究開発法人 情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター),594P, 計測と制御 第 56 巻 第 8 号 2017 年 8 月号

 ネイマールたち被験者に、MRI装置の中に横たわって、「迫ってくる選手を8回の違う方法で抜き去ってシュートする」ことを脳内でイメージしてもらい、その時の脳活動を解析すると、なんと驚くことに、他の人に比べてネイマールは脳のさまざまな部分を連携させながらプレーを考えているが、あの華麗な足さばきは極めて小さな脳の活動だけで運動を制御していたことが判明した。

 これは脳内でいくつもの運動プログラムを瞬時に切り替え、協調させることで、ほとんど運動を意識をせずに自動的に身体活動の制御高度な戦略的な攻撃を判断することができる脳回路が形成されていることによるものだ。

 でも、これはネイマールが幼少期のころ、いわゆるゴールデンエイジと呼ばれる7~9歳にかけていつも家の中で裸足(触覚信号を直接感知できている)で遊んでおり、常にボールに触れていたことで、彼の脳の成長が活発な時期に、こうした豊富な足運動の経験を蓄積したことが脳の成長につながったのかもしれないと推測されている。

 しかもこれは華麗な足さばきとサッカーに限った話であり、ネイマールがサッカー以外に釣りもゴルフも料理もなんでも出来るという話ではなく、限られた定型業務を自動でこなせる、高度な判断を瞬時に行えると言うだけの話であり、我々はネイマールほど小さい頃から職場で必要な技能を磨き上げてきたわけではないし、定型業務などはほんのわずかしかない。

 そうなってくると、同時に二つ以上のことを、一つのことに集中するのと同じくらいに上手く、効率的に正確に、こなすことは難しい。また、個人の能力だけに限らず、組織として限られたリソース(人と時間とお金)を分散させることで、選択と集中するよりも成果は出しにくくなるのだ。だから、二兎、三兎を追うのは、言うほど簡単ではない。もちろん、湯水のように人も時間もお金があるというのなら、この話は読む必要はない。

「二兎を追え」は手段であってゴールではない

ただ、ここで勘違いしてはいけないのは、「二兎を追え!」は目的はなく、単なる目的を達成するための手段にしか過ぎないと言うことだ。何か目的とすることがあって、その達成のための手段として二兎を追うのに過ぎない。

たとえ二兎を捕まえたいとしても、どうやって捕まえるのかと言う手段は別の話で、いくつも考えられる捕まえる手段のうちの一つに『(同時に)二兎を追え』があるに過ぎない。どうやら、この「二兎を追え!」と言うメッセージは手段と目的が入れ替わってしまったようなのだ。

だから、戒めも込めて言わせてもらうならば
やっぱり「二兎を追うな!」
なのだ。

じゃぁ、どうするの?

この続きは、いや続きというか、二兎を追わずにどうするのか?と言う話が、1月29日(水)発行の経営者に読ませる「B2Bマーケティング攻略ガイド」 で掲載されるので、お楽しみいただきたい。


この記事を読んで、支援したいなと思っていただいたみなさま、このブログは自分のヒラメキの備忘録みたいなものですから、金銭的な支援よりは、いいねやスキ♥️ボタンを押したり、SNSでシェアいただいたり、フォローしてもらえた方がはるかに嬉しいのです。 是非リアクションをお願いしますね♪