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かさぶたカサカサお受験記(4)復活の国立対策、そして運命の電話が鳴る【前編】

(注)第4話~第5話にかけて某国立小学校の学校名を明記しています。昨年twitter(X)でも受験を公表していたのでそのまま掲載していますが、その内容は私の主観がかなり入った偏ったものになります。記事の内容=真実ではない点お見知りおきください。noteやtwitter(X)には、正しい情報発信&解説してくれている国立小学校のプロがたくさんいらっしゃいます。ちゃんとした人のちゃんとした記事を読んで参考にしてくれよ!厚子を信じちゃいけないよ(泣)!

突然ですが、皆さんは国立小学校を受験する方法をご存じか?

国立小学校は、出願することで一次抽選にエントリーされ、抽選を通過したご家庭のみが入学検定(私立でいうところの考査)に進めるという私立小学校とは全く違うステップを踏みます。

つまり、金さえ払えば誰でも受験だけはさせてくれるある意味心の広い私立と違い(言い方←)、一次抽選を突破しないと試験さえも受けさせてくれないキングオブ塩対応。それが国立小学校な訳です。
*一部、前後の抽選がない学校もあります

ちなみに昨年の都内国立で1番出願倍率が高かった東京学芸大学付属竹早小学校は驚異の69.7倍(2022年度実施/*男子の倍率)

そして、やっとこさ一次抽選▶検定を突破したと思ったら最後にまたしても抽選がある。極悪非道の抽選サンドウィッチ

馬鹿じゃないのか、本当に意味わかんない。
国立の門、狭い。超狭い。厚子の人生初めての右方向転換時の左幅くらい狭い。(車出せないレベル)

出典:縁石に乗り上げた瞬間検定終了(脱落)


どんなに信念や情熱あろうとも、どんなに素晴らしいご家庭やお子様であろうとも…当たらなければ受験さえ許されない。これが国立小学校なのである。

しかし!だからこそ!!国立を受験できるっていうのは、もうそれだけでラッキーハッピークラッキーなことなのである。

盆と正月が一緒に来たように喜び湧き上がるっていうのも頷けるし、この抽選突破の為に日々こつこつと徳を積むという行為がいかに意味があり尊い行いか…賢い皆様ならもうお分かりでしょう。いいですね…皆さん、今からでも遅くないからしっかり積むんですよ、徳。厚子とのお約束だぞ★


話をまきもどしてかさぶた家。
お受験教室への課金地獄で鍛えられ、金銭感覚が狂いにくるっていた我が家にとって1回2000円前後の出願料などもはや誤差。コンビニのレジ横のチロルチョコレベルである。
当時金銭感覚だけはアラブの富豪(仮)だったので、出願できる国立小学校にはすべて出願。そして順当に抽選を外していった。


なんならその内の一校に至っては、出願するのが速すぎてうっかり一次抽選の立会人に選ばれ、更には初対面のお父さん2人と公衆の面前に晒される中抽選札をフィルムケースに入れては混ぜるという謎の軽作業まで参加させられた挙句一次抽選に外れるという屈辱を味わった厚子。(番外編で詳しく書きます)


こりゃあ我が家は国立には永遠に縁がないんだな…って諦めていたところにふと思い出したのが昭雄の存在である。

往年のフォロワーさんは覚えているだろうか。
抽選の神、昭雄のことを…

昭雄(68歳、趣味詩吟)

厚子の大学からのマブダチの父である。

詩吟を一躍有名にした方、昭雄はエロくない


マブダチは、姉妹そろって茗荷谷三校(違うとこ)の出身。つまり昭雄はあの宝くじに当たるより幸運といわれる国立抽選を2年連続4度ひきあてた、まさに抽選の神が右手に宿りし男なのである。

そして昭雄は愛の男でもあった。彼は娘を愛していたが、その友人たちのことも平等に愛してくれた。就職活動の際には

「いいか、君たちはみんな日本郵船に行くんだ…」


と謎の啓示を行い、素直に従った娘は船には乗れなかったものの今や日本を代表する大企業の課長だ。聞き流した厚子は日雇いのフリーター(仮)だ。

そんな溢れる愛と漢気、なにより抽選を愛し抽選に愛された男。昭雄。

行き場を失った厚子は昭雄にすがった。
そして昭雄はついに動いた。自身33年ぶり5回目となる、国立抽選に挑んだのだ(代理実行:かさぶた家)

11月の都内考査が終わって心身ともにぼろ雑巾のごとくズタボロになっていた頃、気力を絞って向かったのは、お年寄りの原宿こと東京巣鴨。

刺抜き地蔵名物の洗い観音様のお水をお借りして「とある物」をタワシで必死に洗う謎の家族がいた。我が家だ。

11月でもやっぱりTシャツ👕

この様子は、巣鴨を訪れる戦前生まれの猛者達にさえかなり奇怪に思われたことであろう。しかしかさぶた家は文字通り必死であった。

この国を守りそして立て直してくれたご老人達に大変申し訳ないが、今は巣鴨くんだりまでしっかり歩いて来られる貴方がたの健康祈願より我が家の合格である。未来ある若者にその席を譲ってくれ!!!なんなら共に祈ってくれ!!!!

お年寄りの原宿でテンション爆上がりする息子


そんな自分勝手な強欲と念を込めにこめ、私たちは「とある物」を必死に握りしめ抽選に参加。その結果なんと一次抽選を奇跡の突破。しかも茗荷谷3校で一番通過人数が少ないと言われるお茶の水女子大付属小学校である。

我が家のお受験のキーマンは、お教室の先生でもなければ夫でもない。18年前に私たちに「日本郵船に入れ」と言い放った昭雄(68歳 趣味詩吟)その人であったのが証明された瞬間であった。

国立の一次通過の一報を聞き、東京に舞い戻った厚子とその息子。

お教室に国立小に関する相談に行くと、どの先生にエンカウントしても「一次通過おめでとうございます!」と声を掛けられる。

まるで

どこかの難関校の一次試験を実力で突破したかのような扱い

である。

しかし
(いや、めでたいのは我が家っていうより昭雄のクジ運だけどな…)
(うちがやったの2000円振り込んだだけで、ほぼ昭雄だけどな…)


と複雑な気持ちを抱えた。
同様に数少ないお受験仲間から「お茶の抽選受かった人初めて聞いたよ!すごいね」

と褒められるたびに

(いや、すごいのは我が家じゃなくて昭雄だしな。っていうか昭雄ってすごいんだな…さすがだわ昭雄…みんなの昭雄…昭雄…昭雄…しゅき)

と、いつの間にやら厚子の中では実父よりも尊敬する対象になっていった。



そして我が家のお教室通いも再開した。


息子には

「ぼっちゃんが11月にテスト頑張ったのを見ていた小学校の先生が、うちにも試験を受けに来てくれないかって誘ってくれてるんだけど。どうするよ?いってみる?それとももうやめとく??」
と聞いたところ

「えーそうなの、僕困っちゃうな。でも何事もチャレンジだからやってみる!」

と火傷しそうなほどのポジティブさを見せてくれた。(髭男)


そして火傷しそうな程のポジティブさと圧倒的代謝を持っていた息子は、もう12月も目前だというのに、毎日ポロシャツと半ズボンという夏期講習期間と一切たがわぬ服装で教室に通いまくった



「ぼっちゃん君は寒くないの…?」
「風邪ひかない?大丈夫???」

国立受験を専門とするお教室の先生方が心配するのは、息子の仕上がりではなくその防寒対策であった。

しかし着ない、母がどれだけ言ってもそのスタイルを崩さない。なんならハイソックスでさえしゃらくせぇと言わんばかりに着用を拒否。

周りのお子さんは皆さん品の良いコートや受験生の定番UNIQLOのウルトラライトダウンをはおっているというのに…これでは私がただの「子供に服を買い与えないケチな鬼母」ではないか。もしくは

「今日のおテストは×が2個あったから、貴方今すぐ服を2枚脱ぎなさい!!」


言うてコートとベストを脱がした教育虐待する中年だと思われてしまう。

ぼっちゃん、お母さんは割と世間の目とか気になるタイプだからお願いだから上着を着て頂戴…ここはもう右見ても左見ても畑ばかりが広がる東北の片田舎じゃないの東京砂漠文京区なの!!!教育熱心でお金持ちばかりが暮らす茗荷谷なの!!!お願いぼっちゃん服を着て、東京の人は服を着て外を歩くのよそんな薄着で真冬の文京区をダッシュするのはおさるのジョージかかぼっちゃんだけなのよー!!!

母の涙の訴えと懇願は連日連夜つづいた。母の想いが伝わったのか、息子がやっとひざ下丈の靴下をはいた日には、Twitter(X)のタイムラインが「ついに、あのぼっちゃんはハイソックスを…!!」と俄かに沸いた。(フォロワーさん、去年も今もいい人ばっかり。)


「とにかく薄着のぼっちゃん君」。



通い出して1週間も経たぬお教室で息子がそう呼ばれるようになった頃、運命を告げる一本の電話が鳴った。

【後編】に続く。


「スキ」を押して頂けると励みになりますが、今回は1週間限定(9/28 まで)で「スキ」を押すと「かさぶた家があの日とげぬき地蔵でどんな奇行を行うに至ったか分かる」仕様になっています。気になる方はぜひ「スキ」を押してみてね。


*我が家の奇行を真似して抽選に外れても怒らないでね!!!あくまで30年前に流行した面白おかしいジンクスだからね!(美輪明宏さんの待ち受けレベル)あとガチでとげぬき地蔵に行く場合はマナーとルールを守って施設の方と来訪客にご迷惑が掛からないよう隅でこっそりやるんだよ!厚子とのお約束だYO★小心者の厚子は炎上とか耐えられないからマジで頼むよ(泣)






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