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ハーゲンダッツの販売計画(MD)をまとめてみた

与えられたヒントから仮説を導き出すーーそんな「ビジネス謎解き」のようなものありませんか? 例えば決算書やプレスリリースなどが挙げられますが販促計画(MD)もその1つ。もちろん公表されていないものだから地道にコツコツ調べるわけですが、俯瞰してみると企業の具体的戦略が見えてきたりします。

そんな販促計画。今回まとめたのは、ハーゲンダッツです
私が運営する食トレンドサークルの仲間、reikaさんと一緒にリサーチしました。

ハーゲンダッツ、言わずとしれたご褒美アイスですが、この巣篭もりの影響を受けて2020年の売り上げは約480億円(前年比110%伸長)で、特に限定品が売上を牽引しているようです。量販店はクリスマス、コンビニは正月に最も売れるということ。

「商品が売れる」状況下で、どのフレーバーを、どのタイミングで投下しているのか。それではみてみたいと思います!

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※ハーゲンダッツのブランドサイト参考に筆者で加工。


🍨発売数は2年連続23点。発売日は全て火曜日

2020年の新商品リリースは23点(カップ16、クリスピー3、バー3、コーン1)、2021年は23点(カップ15、クリスピー4、バー4)と同数リリース。

新商品販売の曜日は、全て火曜日
ブランドの主販路であるコンビニの新商品発売曜日に合わせていることがわかります。

🍨夏は果実系、冬はショコラ系

20年6月に「白桃」や「ゴールデンパイン」、21年は6月に「マンゴー&パッションフルーツ」、7月に「濃苺」など夏シーズンは果実系商品を毎年投下。一方毎年11月は「ショコラトリュフ」や「ザッハトルテ」などショコラ味を提案しています。

この展開はスターバックスのフラペチーノ と同様。

🍨抹茶フレーバー増は、新顧客のシニア層意識か?

20年→21年の変化の1つに抹茶商品が増えたことが挙げられます。
20年は5月にクリスピーサンドの「抹茶アンサンブル」のみでしたが、21年は11月「抹茶フォンダンショコラ」、3月に「抹茶クロッカン」バーが発売。

商品数を増やし、抹茶を推す理由は何か?
事実としては、ハーゲンダッツの売上増を後押ししているのがシニア層で2012年対比で年代別の売り上げ32%増なんですよね。ならば確かにシニア層に親しまれやすい(ハードルが低い)抹茶味を、春と秋(黙っていても売れる冬ではなく、ストレッチがある春と秋)に投下して売上増を狙う、かもな〜と思ってしまいましたが、全ては外野の予測。どうなんだろう〜

🍨季節イベント連動なしで脱・ごほうび。
キャッチーなフレーバーでニュース性意識

スターバックスのフラペチーノは、バレンタインや桜、クリスマスといった季節イベントに連動するようなヴィジュアルの新味を展開していますが、ハーゲンダッツは皆無。この差は販路の差なんだろうなと思いました。
また、近年のハーゲンダッツの戦略は脱・ごほうび消費。日常使いして欲しいので、モーメント連動ではないのでしょうね。

ハーゲンダッツの勝負はコンビニのアイス棚での10秒。そこで手に取られるために最高のフレーバーたちをいかに展開できるのかで戦っているんだろうなぁと思いました。

商品の購買を促すキードライバーとして、きっとニュース性(話題性)もあるでしょう。その視点から今キャッチーな食材、フレーバーを導入できるのかを非常に大切にしている印象。アイスの喫食タイミングや気温って結局、室内だからそこまで大きなポイントにならないのかもですね。


🍨コンビニ各社と限定商品開発

右上にコンビニロゴを貼っているのが、コンビニ限定商品

コンビニ限定商品をこんなに販売しているとは露知らず。セブン-イレブンとの"ジャポネシリーズ"は共同開発で本格的な和の味わいこだわったシリーズや、コーンタイプも販売していたんですね。


いかがでしたでしょうか?
リリース情報を可視化するだけで、色々と見えてくるものありますね。ぜひみなさんも、ハーゲンダッツ食べてみてくださいね!


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