見出し画像

法務・コンプライアンス部のMissionと行動指針

本日、BUSINESS LAWYERS主催の「Legal Innovation Conference 〜法務組織とキャリア〜」というイベントに、Hubbleの酒井さんと、ファンズの髙尾さんと登壇しました。

酒井さんと髙尾さんの熱いメッセージは私自身も刺激を頂いたわけですが、その熱さのために言い漏らしてしまいましたが、弊社(READYFOR)は今、法務機能をもっと強化したいと思っております。

法務機能を強化しようと思えば、いかに全社的にリスクを議論する文化を根付かせるかや、いかに法務と他部署が建設的に議論するしかけを作るかも重要なわけですが、なんといっても法務組織がしっかりしていることが重要だと思います。

というわけで、法務組織の強化のための採用活動を行っていきたいと考えています。
すごく重要な採用と考えているので、ある程度じっくり腰を据えて取り組みたいと思っています。

という下心をディスクロージャーしたうえで、法務・コンプライアンス部のご紹介です。

Mission

Missionは「READYFORの持続的な成長の実現」としています。

そのために、①リスクマネジメント、②コンプライアンス、③事業を推進する法務戦略の立案・実践をする部署だと位置づけています。

「誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくる」が会社のビジョンなので、「READYFORがやりたいことを実現できる法務戦略を実践する」と表現していた時期もありましたが、「法務戦略」ではあいまいなので、上記のような表現をしています(上記でもまだあいまいさは残りますが)。

行動指針

READYFORの行動指針をベースに、法務・コンプライアンス部の行動指針を定めています。
※下記のかっこ書きの中がREADYFORの行動指針で、これを法務・コンプライアンス部に置き換えたら、という発想で作っています。

これは自慢ではないですが、尊敬するREADYFORのエンジニアリング組織のパクリです。
会社のビジョンをテック文脈に翻訳して「TECH VISION」や「TECH VALUE」
を作っていて、すごくいいなと思って真似しました。
エンジニアリング組織は「READYFOR TECH BLOG」を運用していますので、ご興味ある方はぜひお読みください。

以下、社内向けに展開している法務・コンプライアンス部の行動指針です

違和感を見過ごさない(まよったら言う)

一定の違和感を感じながら、繁忙状況や他部署の所管であることなどを理由としてリスクとして現実化することがあれば、リスクマネジメントの失敗である。

法務は「最後の砦(ガーディアン)」であるという認識の下で、違和感を感じた場合は積極的に問題提起を行う。

日々の業務を通して磨いた感覚に自信を持つこと。

法務の「No」の重さを心得る(できる前提)

法務の「No」は事業をストップさせ、得られたかもしれない事業の果実を喪失するリスクをはらんでいる。
事業を実現できるスキームを粘り強く考えるとともに、事業上のリスクを精緻に分析し、合理的なリスクテイクを後押しすることも求められる。

ただし、「できる前提」で考えても、なおリスクが過大である場合は意思をもって「No」を言う。最後の砦(ガーディアン)として譲れないラインは持つことが重要である。

法務がブレーキをかける断固たる意思をもつからこそ、事業部は思いっきりアクセルを踏める。

まず解像度を上げる(まずやってみる)

特に未知の法的課題に関しては検討の糸口が見つけられない場合もある(論点に分解できないなど)。
このような場合であっても、関連知識をリサーチすることで解決したり、生の事実関係を整理することで思考が進んで法的課題の解像度が上がることは少なくない。

立ち止まって悩むのではなく、関連知識をリサーチする、他チームのメンバーのヒアリングを行う、同業者の話を聞く、営業提案を受ける、他部門と連携してユーザーへのヒアリングを行うなど、積極的に動くことを心がける。

「みなさまあって」と心得る(巻き込み力)

全社的なリスクは多岐にわたり(財務リスク、情報セキュリティなど)、リスクヘッジの手段としても契約はひとつの手段にすぎない(システム・オペレーションで解決する方が有効な場合は多い)。
また、サービス提供の前線でコンプライアンスが実践されなければ、いくらコンプライアンス遵守を声高に叫んでも無意味である。

社内に法務機能が存在する強みは、会社の状況・方向性を理解し、豊富な情報を前提に、解像度高く、法務課題を理解できることであり、この観点からも、他部署からの積極的な情報収集が不可欠である。

このように、法務としての役割を果たす上で他部署との協働は不可欠であることを理解し、積極的に連携すること。

「法務ナレッジが会社を強くする」と心得る(ヒマテマ)

ナレッジ・マネジメントを積極的に推進することは、法務・コンプライアンス部の業務の効率性・質を高めるとともに、全社的なリスクマネジメント・コンプライアンスの実践にとっても重要であると心得る。

また、READYFORは急成長を企図したスタートアップであり、直面する法的課題も変化する。
法務チームは新たに直面する法的課題に向き合えるように体制を整備しておく必要があり、その一環として、法務ナレッジを積極的に共有することで、重複の検討を避けることも重要である。

インパクトにフォーカスする(選択と集中)

大小問わず、法的な課題は同時に複数存在することが常であるが、リソースの有限性を理解し、法務として追及する価値(上記Missionの①②③)を意識して解決した場合のインパクトを考えて優先順位をつける。
そして、解決すべきと特定した課題についてはやりきる(もちろん、合理的な理由に基づく優先順位を適宜見直すこと自体は望ましい)。

また、法的な課題を解決する場合であっても、法務としてどのように動けば事態が前に進むかを意識する。
そのためにも、相談者がスムーズにネクストアクションに移行できるように配慮してアドバイスを行ったり、他部署との間で落ちそうなボールを積極的に拾いに行くことも推奨される。

逆に、インパクトが小さい対応は意思をもって行わないことも重要である。
法務相談を受ける場合で言えば、どのような事項に関し、どのような水準でのアドバイスを求められているかなどの把握に努め、自己満足で法的知識を披歴するようなことは厳に慎むこと。

公平・公正に、多角的に考える(〇〇(マルマル)視点)

法務も「持続的可能な成長」を意識すべきであり、事業部とは同じ船に乗った仲間である。
もっとも、リスクマネジメント・コンプライアンスの観点から、多様なステークホルダーの利益に配慮し、そのバランスをとることは法務の重要な役割である。
いわば、事業部と法務は、事業の健全な成長のために適切に役割分担しているといえる。

例えばパーソナルデータの取扱いなど、テクノロジー化の急速な発展を背景に、企業活動において人権に配慮することの重要性が増している。
法務としては、正義・平等などの理念や、客観的・公正な視点も重視する。

急速な成長を企図するスタートアップにおいては、事業の急速な成長とともにそのひずみが急激に拡大して社会的な非難を受けることが少なくないことにも留意し、しっかり法務の役割を果たすこと。

おわりに

なかなかえらそうなことも書きましたが、この手の話は「わが身は棚上げ」だと思っているので、あたたかな目で見て頂けると幸いです。

上のMissionや行動指針も完成形ではなく、継続的にアップデートしていくものだと思っているので、「うちの法務はこういう行動指針を定めています」などもしあれば、教えて頂けますと幸いです。

気持ちとしては、「READYFOR TECH BLOG」に負けじと更新できたらと思います。
もっとも、今日は登壇後の勢いで投稿できたところが多分にあるので、今後も無理がない範囲で法務・コンプライアンス部について紹介していけたらと思いました!では!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?