【ワインの記録】Dunajとその他のスロバキアワイン
概要
2023年12月9日(金)〜11日(日)にスロバキアの首都ブラチスラヴァを訪問しました。そこで飲んだDunajというスロバキア生まれの品種の赤ワインを2種類飲んだので、その共通点をメモします。
飲んだ日:2023年12月9日、10日
飲んだ場所:スロバキア・ブラチスラヴァ市のワインバー、Wine not?とVinimkaにて。
生産者:ELESKO(Modra)とMRVA STANKO(Trnava)(ともにブラチスラヴァの北東にある町)
色
やや黒みがかった濃いルビーレッド、粘性は中程度から強め
香り
針葉樹林や鉛筆の芯のようなスッとするヴェジタルさ、カシス、ブラックチェリー、干し肉のような獣のニュアンスも感じられる。一番近いと感じたのはカベルネ・ソーヴィニヨン。
味わい
タックははっきりとした酸味、黒系ベリーの果実味、ざらつきも収斂感もないのでタンニンの量としては多くないのかもしれない。
Dunajという品種について
Dunajは1958年にブラチスラヴァのブドウ研究所で開発された早熟の黒ブドウのハイブリッド品種で、現在でもスロヴァキアにしかありません。その品種名はドナウ川を意味するスロバキア語に由来します。
このブドウは、Svätovavrinecké(Sankt Laurent)、Muškát BouchetとOportoを交配したものです。この品種は出芽が遅く(霜に強い)、早熟で、収量が多く、色も良いことから、この品種は1997年に正式に採用されました。
その品質はスロバキアの気候に理想的とされてはいますが、真夏の干ばつに弱いとのこと。現在、スロバキアでは約45ヘクタール(111エーカー)しか栽培されていない(国全体のブドウ畑面積の4分の1)。
(参考)
その他のスロバキアワイン
一口にヨーロッパといっても気候も土壌も様々。東ヨーロッパでは厳しい寒さや歴史的な背景から、西ヨーロッパのワインほど知られてもおらず、クオリティの面でも一歩譲るところがあるかもしれません。でもDunajのような交配品種など現地ならではの交配品種のワインに触れると、これが自然と歴史とに調和しようと重ねられてきた努力の結晶なのだという思いが湧いてきます。自分にとってはワインの世界を広げてくれる一杯です。
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