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テクノロジーと社会

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2019年5月の記事一覧

AIを助手にして、急増する仕事を乗り切る

 日経電子版の記事【電通デジタル、AIで広告作成 「見た目」も判別】は、AIによるバナー広告の自動作成システムに関するリポートですが、この記事の肝は、次のくだりだと思います――  「AIが広告のひな型を作成してくれれば、人間はそれを改良すればよい。バナー広告よりも複雑な動画広告やキャンペーン広告に時間を割ける」    AIを仕事の補助、助手として使い、比較的簡単な業務を自動化して、人間が、より複雑で創造的な業務に集中できるようにすることは、業界の発展や人手不足など様々な

事業承継、BtoCへのビジネスモデルチェンジがカギか

 日経電子版の記事【家業継ぎつつ新事業 「アトツギ」承継で廃業防げ】は、中小企業のアトツギが、本業承継と新規事業立ち上げをセットで引き継ぐ『ベンチャー型事業承継』に関するリポートで、とても参考になります。  引き継ぐ主体がアトツギであるかどうかは別として、最大のポイントは、中小企業の埋もれた技術リソースを商品の価値へと繋げていく新規事業のあり方である事は間違いありません。  そもそも、OEMや下請けを生業とする中小企業の場合、自社にどんな素晴らしい技術リソース、匠の技があ

無人タクシーのポテンシャルと課題~インターフェースをどうするか~

 日経電子版の記事【日産・DeNA「無人タクシー」 実験で分かった課題】は、実証実験の進む最前線からのリポートです。  今、現時点で、無人タクシーに関してどんなことが分かってきたのか、記事などから整理してみると―― ▶『無人タクシー』のポテンシャルと課題(1)ポテンシャル   ①『仮想停留所』・・・スマホ・アプリの中だけに存在するコスト0の            乗降場所。   ②『キャッシュレス』・・・配車から支払いまで、スマホアプリで完了。   ③『遠隔管制シス

デザインとは何か?

 日経電子版の記事【機能に美しさをプラス コクヨの新ブランドが好調】は、デザインとは何か、改めて考えさせてくれる好リポートだと思います。  そもそも、デザインの対象となる商品、ここでは『商品としてのモノ』を考えたとき、それは、どのような構成要素から成り立っているのでしょうか?――細かく見ればキリがなさそうですが、本質的には『形態』と『機能』から成り立っていると言えそうです。つまり、『見た目』と『働き』です。 ▶『商品としてのモノ』  =『形態』+『機能』  =『見た目』+

モビリティーにもう一つの新潮流~目的に合ったモビリティーを作ってしまう!~

 モビリティーの世界の新しい潮流といえば、自動運転などを含めたMaaSを思い浮かべますが、忘れてならないもう一つの潮流に、既成概念を打ち破った全く新しいモビリティーの開発があると思います。空飛ぶクルマはもとより、椅子型をはじめとしたパーソナルモビリティー、セグウェイのような電動立ち乗り二輪車……。そんな中、日経電子版の記事【佐川急便、積み荷4倍のパワフル自転車 前輪に秘密】に登場したのは、リヤカー型電動アシスト自転車(?)の「トライクカーゴ」です。  まず、記事などからその

電子棚札の課題とポテンシャル~ダイナミックプライシング、使いこなせるか?~

 日経電子版の記事【家電の価格、随時上げ下げ ビックカメラが「電子棚札」】は、電子棚札について改めて考えさせてくれる好リポートだと思います。  そこで、まず、電子棚札の課題とポテンシャルを記事などから整理してみると―― ▶『電子棚札』の課題とポテンシャル(1)課題   ①『営業時間中の売価変更』・・・ネット上の売価変更との最大の相違点    は、電子棚札を見て商品を買おうとカゴに取ったお客が、すぐにレジ    に行くとは限らない、という事です。例えば、商品をカゴに取った

生き物のようなプロダクト~『ニーズ』というDNAを求めて~

 日経電子版の記事【ヤマハ発、デザイン研究拠点 開放的空間で交流活発(わが社の一押し)】は、飽和した市場、レッドオーシャンを泳ぎ切り、生き抜いていくプロダクトのあり方について、改めて考えさせてくれます。     企業にとって、レッドオーシャンの真っ只中でコモディティ化の罠に陥り、業績がジリ貧となっていく事は、何としても避けたい事態です。その為には、ユーザーのニーズを掘り起こして、ユーザーの共感を得られるようなプロダクトを開発し続けなくてはなりません。  理屈は分かってい

品揃えの充実が逆境を制する

 日経電子版の記事【紙おむつ、親心つかむ3割高のプレミアム製品】によれば、少子化が進行する中でも乳幼児向け紙おむつの国内向け市場規模は現状で維持されているといいます。インバウンドの爆買いや越境ECの普及によって国内生産が拡大しているのは分かりますが、国内市場の維持は何によって達成されているのでしょうか?  記事などから浮かび上がってくるのは、ユーザーの多様なニーズに応えた品揃えの充実です―― ▶乳幼児向け紙おむつの『品揃えの充実』(1)『プレミアム化』   ●核家族化・共

Amazon Go、データドリブンな経営とは

 日経電子版の記事【進化したAmazon Go データを棚と品ぞろえに生かす】は、ともすればレジ無し、省人化という側面にスポットが当たりがちなAmazon Goの真の目的が、データに基づいた業務の追求、『データドリブンな経営』にあることを改めて教えてくれる好リポートだと思います。  そもそも、リテールにおけるデータとは何なのか?――従来のようなPOSデータだけでは、顧客行動に関わる全てのデータのうち、ほんの一部分しか取り込めていない事は明らかです。顧客行動データのうち、誰が

AI活用を成功させるには?

 AIは、生身の人間では到底不可能なレベルで、膨大なデータをスピーディーに処理できるため、AIによって業務を効率化できれば、最終的な顧客のベネフィットで大きな差を付けることが出来るはずです。では、実際にAI活用を軌道に乗せ成果を上げるには、どのような点に注意したらよいのでしょうか?  日経電子版の記事【「使えないAI」生む過度な期待 エイベックスの回避策】は、直ちに全てのケースに当てはまる訳ではないにしろ、大きなヒントを与えてくれるように思います。  記事などから失敗を回

匠の技の光る『工場ブランド』~OEMとのシナジー効果も~

 日経電子版の記事【革カバン、自社ブランドで展開 香川のアーバン工芸】や【「捨てない服」が掘り起こす潜在市場】を読むと、OEMメーカーが自社ブランドを立ち上げることの意義、『工場ブランド』の持つポテンシャルがひしひしと伝わってきます。  そもそも、ファブレス企業などにとって、特定のOEMメーカーを選ぶという事は、そのOEMメーカーの技術力への信頼が前提です。ただ、企画・開発の主導権がファブレス企業にある以上、OEMメーカーが自身の持つ技術力を100%フルに使い切れるとは限り

IoE、人間が活躍する時代へ!~『観察』のデジタル化の意味するもの~

 日経電子版の記事【GMOクラウド、メーター数値をアプリが読み上げ】は、とてもさりげない記事ですが、何か心に引っかかるものがあって記事の保存をかけておきました。すると、数日後、日課の散歩をしていて突然ひらめいたのは――アナログなメーターの数値を読み取るソリューションを作るのに、わざわざ『現場に出向いていく』ロボットまでセットにして開発したりはしないよな――というものです。  もちろん、ドローンという手もあるかも知れませんが、基本的には、人間が現場に出向いてスマホでメーターを

スマート化するプロダクト~秘められたニーズの探求~

 IoT、AI、テクノロジーの急速な進化によって、プロダクトのスマート化が進行する中、ついに「ボールペン、お前もか」、スマートボールペンが登場したとのことです。  日経電子版の記事【キングジムがスマートボールペン、スマホ情報を通知】によれば、残念ながら「書いた文字をスマホと連携する機能などは備えていない」とのこと。最初、記事のタイトルを見てとっさに思ったのは、スマートペンが書いた文字をすべて記憶してパソコンなどに伝送する機能ですが、さすがにそれはなかった……  スマートフ

参考情報の『AI自動検索』~執筆の効率が上がるかも?~

 日経電子版の記事【文章作成中に参考情報を通知、AIがピックアップ】は、さりげない記事ですが、一読して、ハッとさせられました。  記事でリポートされているのは、技術者が文書を作成する時に、AIが、その文中に出てくる重要なキーワードを抽出⇨関連キーワードを多く含む文書を自動検索⇨一定時間ごとに執筆者へプッシュ通知するソリューションです。このようなソリューションが、私達が普段書いている様々な文書でも応用出来たらどんなに良いことでしょうか。  普段私達が文章を書く時、時間と手間