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生き物のようなプロダクト~『ニーズ』というDNAを求めて~

 日経電子版の記事【ヤマハ発、デザイン研究拠点 開放的空間で交流活発(わが社の一押し)】は、飽和した市場、レッドオーシャンを泳ぎ切り、生き抜いていくプロダクトのあり方について、改めて考えさせてくれます。

  


 企業にとって、レッドオーシャンの真っ只中でコモディティ化の罠に陥り、業績がジリ貧となっていく事は、何としても避けたい事態です。その為には、ユーザーのニーズを掘り起こして、ユーザーの共感を得られるようなプロダクトを開発し続けなくてはなりません。

 理屈は分かっていても、一筋縄では行かないのがニーズです。人によって捉え方は違うでしょうが、ニーズには、おおむね次に挙げるような3つの特性があるのではないでしょうか――

▶『ニーズ』の3大特性

①『多様性』・・・ニーズは、人の数だけある。

②『進行形』・・・ニーズは、変化し続ける。

③『潜在性』・・・ニーズは、本人ですら気付かないことがある。

 このようにニーズが多様で、変容する、潜在したモノであるということは、例えるなら、ニーズとはDNAのようなものである、と言えそうです。



 逆に言うと、『ニーズ』がDNAのようなものであるとするなら、一見捉えどころのないユーザーのニーズさえ掘り起こし、ニーズDNAの設計図さえ手にできれば、そこには大きなチャンスが広がっている、というコトになります。

 つまり、ニーズを掘り起こせるようなエコシステム、イノベーションのエコシステムが重要な訳で、まさに、記事に出てくるオープンイノベーションのような事例が求められているのではないでしょうか?



 そして、その際に必要な切り口、コンセプトの一つが、記事に出てくる「生き物のような」プロダクトである、と考えられます。

 AI、IoT、そしてロボティクスの進化によって、機械の生命化、生き物のような機械を作るテクノロジーが進歩しています。そのテクノロジーの活用には、大きな意義があるように思えます。何故なら、普段私達がモノを擬人化する時、そこには、そのモノに対する愛着があるからです。

 『生き物のようなプロダクト』には、人々の共感を獲得する大きなポテンシャルがあるのではないでしょうか。

 ニーズという名のDNAでデザインされた『生き物のようなプロダクト』に注目したいと思います。



(追記:『機械の生命化』については、下記の拙稿でも考察しています。)



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