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テクノロジーと社会

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2020年6月の記事一覧

《連続投稿538日目》『自給自足型経営』を支えるものとそのメリット

 日経電子版の記事【中国、洗車機にAI活用 無人化で9割の店舗が黒字】では、AIを活用した無人洗車で知られる「1KMXC(駅公里智能)」の「(記事より)開発、生産、組み立て、運用、メンテナンスというライフサイクル全体に及ぶ完全に自給自足のスマート管理」がリポートされています。  この卓越したケーススタディーを、より一般化して、特定の設備でサービスを提供する企業、と捉えるなら―― ▶『旧来型経営』の例 =サプライチェーンの川上にある設備メーカーから設備を購入(設置も)  +

《連続投稿536日目》ESGは長期的に利益を生み、そのESGは会社と個人によって変わる

 日経電子版の記事【コロナ禍と社会分断の今こそ注目、ESG投資って何? 教えて山本さん!BizTechの基礎講座】は、昨今盛んに取り沙汰されるESGというものを改めて考えさせてくれる骨太のリポートだと思います。  さっそく記事から、様々なESGの事例を拾ってみると―― ▶様々なESGの事例① 新型コロナ感染者との濃厚接触の可能性を検出する技術。 ② SNSにおける誤情報の可能性を示すラベル付け、暴力を賛美している  ようなケースの非表示化。 ③ カーボンネガティブ(二

《連続投稿535日目》ツイッターで本当に『つぶやける』ように

 日経電子版の記事【米ツイッター、「声」でつぶやき可能に】では、米ツイッターが、自分のつぶやいた声を投稿できる新機能の試験を始めたことがリポートされています――(記事より)1回の投稿の長さは140秒まで。録音中に制限時間を超えると別のツイートが自動的に追加される――。  このありそうでなかった画期的な機能は、私達にどのようなUX(ユーザーエクスペリエンス)をもたらしてくれるでしょうか。  さっそく、記事などから整理してみると―― ▶声のつぶやきのUX① 文字情報では伝え

《連続投稿531日目》アフターコロナにも通用するオンライン試食会のポテンシャル

 日経電子版の記事【シャトレーゼがリモート試食会 コロナで集合難しく】では、コロナ危機によって会場に人を集める従来のやり方での試食会(=消費者の生の声を聞ける貴重な顧客接点)が難しい中で、ブロガーなどに宛てて事前に商品を送り、後日ウェブ会議によって試食会を開催する、という興味深い施策が紹介されています。  この記事のタイトルを見た時、最初に感じたのは、「一体どうやってリモートで試食するんだ?」というものでしたが、何のことはない、試食する商品は事前に送るのでした。  記事に

ウェブ面接の意外な効用~見えてきた『ネットとリアルの融合』の有意性~

 日経電子版の記事【ウェブ面接、企業の秘訣は? 質問工夫し採用基準明確に】では、相手の全身の所作等が見えず、言語以外の得られる情報が少ないなど、その制約の多さからあくまで緊急避難的に行われていると思われがちなウェブ面接に意外な効用があるコトがリポートされています。  さっそく、記事から、そんな効用を見い出している企業の面接法を整理してみると―― ▶ウェブ面接の活用法① 自己PRは聞かない。 ② 採用基準を明確化し、そこを重点的に聞く。 ③ 例えば、応募者の日頃、あるい

消費者の身近になり、企業にとっては外せなくなるAI

 日経電子版の記事【シャープがAI洗濯機 洗い心地評価でより賢く】では、洗濯後に⇨専用アプリで仕上がり具合を評価すると⇨AIが学習して⇨使えば使うほど利用者の好みに合った洗い上がりを実現するようになる洗濯機がリポートされています。  このごく短い記事は、AIが、いよいよ私達の生活の身近に寄り添うようになって、①簡単に評価を伝えるだけで、②複雑な操作なしに、③自動でユーザーの好みに合わせてプロダクトをカスタマイズしてくれるようになってきた事を教えてくれています。  このよう

見えてきた『未来の工場』の姿~3つのデジタル化が作るアフターコロナのニューノーマル~

 日経電子版の記事【シーメンス、「未来の工場」変幻自在 生産性が14倍に ビッグBiz解剖(上)】では、独シーメンスの戦略を通して、デジタル化による『未来の工場』の姿が描かれています。  今般のコロナ危機は、テレワークの普及・オンライン診療の導入など、様々な分野でデジタル化の潮流を加速させていますが、工場にとってはどのような意味を持っているのでしょうか―― ▶コロナ危機が生産現場に迫るもの(1)サプライチェーン上のリスクを見直し、先進国の生産回帰が起きる。 (2)その場

デジタル化の体力~デジタルも受けるコロナの影響~

 日経電子版の記事【スマホ決済低調、巣ごもりで「かざせず」 クレカ最多】では、キャッシュレス化の寵児とも言えた『スマホ決済』が、コロナ危機のもたらした行動変容によって、対面決済における「かざす」という利用シーンそのものが伸び悩み、シェアを減らしている――「(記事より)2月10日~3月8日と、直近の5月4日~17日のデータを比べると、最も利用が多かった決済手段はクレジットカードの36.2%で、1.9ポイント増えた。現金は2.8ポイント減の31.7%、「ペイペイ」や「LINEペイ

いかにしてスタートアップは舞い上がるか~イーロン・マスク氏のスペースXに見る~

 日経電子版の記事【火星移住へマスク氏の反骨心、スペースXが拓く宇宙開発】は、稀代のシリアルアントレプレナー(連続起業家)であるイーロン・マスク氏のスペースXが、2002年ロス郊外の倉庫でその産声を上げてから、この5月31日に「クルードラゴン」によって人を国際宇宙ステーション(ISS)に送り届けるまでの軌跡を、マスク氏の過去の発言を通して鮮やかな浮き彫りにして再現しています。  このホメロスの叙事詩オデッセイアにも比肩する雄大な物語は、一つのスタートアップの飛躍を辿るストー

コロナ危機を乗り越えていく店舗とは~ユニクロ原宿店に見る~

 日経電子版の記事【ユニクロ、東京・原宿に8年ぶり出店へ】では、郊外型路面店が主だったユニクロが、その知名度を上げ、「フリース」ブームへと繋がった原宿店(その後2012年に閉店)が、8年振りに原宿に帰ってきた事がリポートされています。  コロナ危機が流通サービス業界に突き付けた2つの大きな課題、①ソーシャルディスタンスと②オンライン化の加速(テレワークなど)をどう乗り切るのか、リアル店舗のあり方が問われる中、顧客接点の潮流が2000年代に始まった都心回帰(駅ナカなど)から郊

身近になって見えてきたAIのポテンシャル

 日経電子版の記事【歯科医を変えるAI、詰め物設計1回 虫歯もすぐ発見】では、歯科医療の現場で導入・開発が進むAIがリポートされています。  この記事で最も印象深いくだりは、次の一節ではないでしょうか―― (記事より)「虫歯1本の治療は早ければ30分程度。1度の来院で治療が終わるのは患者にとって大きなメリットだ」  このような驚くべきUX(ユーザーエクスペリエンス)の向上を実現するAIとは一体いかなるものなのか、さっそく記事からその実例を拾ってみると―― ▶歯科医療で

企業にとっても所有より利用が~AI+IoTが加速するBtoBサブスク~

 日経電子版の記事【サブスクの波BtoBに 常に最新機種・追加料金なし】では、自律走行する高性能な搬送車・仮想発電所の管理サービスなどの事例を挙げながら、BtoBの現場で広がるプロダクト(モノ・サービス)のサブスクリプションの潮流がリポートされています。  さっそく、記事などから、BtoBサブスクの利用企業・提供企業、双方のメリットを整理してみると―― ▶BtoBサブスクのメリット(1)利用企業のメリット   ① 常に最新バージョンのプロダクト(モノ・サービス)を利用

情報の信頼性と有用性~情報の洪水とどう向き合うか~

 日経電子版の記事【査読前論文、コロナで注目 信頼性確保がカギ】では、新型コロナウイルス対策のため、いかに情報をスピーディーに入手すれば良いか、その一つのメソッドとして、査読(専門家による事前の審査)前の研究成果を無料公開する「プレプリントサーバー」についてリポートされています。  さっそく、記事などから「プレプリントサーバー」のメリット・デメリットを整理してみると―― ▶「プレプリントサーバー」のメリット・デメリット(1)メリット   ① 情報が迅速に入手できる。

「オンライン疲れ」と「リモハラ」から浮かび上がるオンライン化の弱点~オンライン化の2大弱点とは?~

 日経電子版の記事【「オンライン疲れ」投稿80万件 在宅生活に悩み】では、コロナ危機の中広がるオンライン化によって増幅される様々なストレスが、また、同じく【テレワークに潜む「リモハラ」の危険】では、意図せぬリモハラのリスクなどがリポートされています。  この2つの記事を逆サイドから読み解くなら、そこにはオンライン化の思わぬデメリット、弱点が浮き彫りとなっており、この先オンライン化のサービスをデザインする際に検討すべき重要なポイントである、と考えられます。 さっそく記事などか