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テクノロジーと社会

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2020年7月の記事一覧

《連続投稿573日目》不景気が跳躍台になる会社

 日経電子版の記事【日本電産の永守会長「不景気の後ほど最高益のチャンス」】では、日本電産の2020年4~6月期連結決算についてのウェブ説明会の骨子がリポートされています。  この記事で最も印象深いくだりは、何と言っても末尾の次の一節ではないでしょうか―― (記事より)永守会長「過去のことをどうこう言ってもしょうがない。外部環境が悪くても自分たちで風を起こし、たこを揚げる戦いができるチャンスだ。リーマン・ショックの1年後には最高益を出した。今期も、すぐに最高益をたたき出す元

《連続投稿572日目》ロボットに時給を払って雇う時代

 日経電子版の記事【ロボット、時給980円で雇う 省人化にもサブスクの波】では、クラウド上で管理されたロボットの、必要な時+必要なサービス+料金は利用した分だけ、という『RaaS(ロボット・アズ・ア・サービス)』がリポートされています。  ついに、ロボットも時給で雇う時代が来たか、という感じですが、さっそく記事などからそのベネフィットを整理してみると―― ▶『RaaS(ラース)』のベネフィット① ロボット導入に関心はあっても、買い切りとなると、投資負担は  大きく、導入障

《連続投稿569日目》ウェブ会議はリアルなUXが問われる時代に

 日経電子版の記事【ビデオ会議を「同じ部屋」で マイクロソフトが開発】では、米マイクロソフトが、ビデオ会議参加者が「同じ部屋」にいるように見せる機能「トゥギャザーモード」(仮想の講堂・カフェの座席に皆で座っているように表示)を開発した旨リポートされています。  さっそく、そのベネフィットを記事から整理してみると―― ▶ウェブ会議に「同じ部屋」感が加わると……① 在宅勤務の寂しさを紛らわす心理的効果。 ② 通常のウェブ会議よりも低ストレスで疲れを軽減できる。 ③ 発言者

《連続投稿566日目》AIのもう一つの活用法~現地に行けなくても~

 日経電子版の記事【くら寿司、マグロの品質をAI判定 仕入れに生かす】では、直接現地でマグロの品質を確かめることができなくても、スマホカメラとアプリで品質を判断できるAIがリポートされています。  この記事で「なるほどな」と思ったのは、①AIに熟練のバイヤーの目利きの技能を学習させ、②スマホで簡単に対応できるアプリをデザインする事で、③現地に行く必要がなくなった、という点です――「なるほど、AIにはそういう使い方もあるのか」と――。  このようなAIの使い方には大きなポテ

《連続投稿564日目》広がるD2Cのポテンシャル~D2Cはイノベーションの装置~

 日経電子版の記事【「D2C」でモノ・体験を直販 サイト工夫、ファン育成】では、企業が消費者にECなどで直接商品を販売するD2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)のスタートアップが続々と誕生している旨リポートされています。  さっそく、記事からその事例をピックアップしてみると―― ▶D2Cスタートアップの例(1)「MOON-X」   ① コミュニティー・・・自社サイトに作り手のこだわりを伝える物語を              掲載。            ・・・ビールを

《連続投稿563日目》裾野広がるダイナミックプライシング

 日経電子版の記事【進化する「ダイナミックプライシング」 採用分野拡大、変動要素多様に 奔流eビジネス】では、様々な分野で採用され出したダイナミックプライシングが取り上げられており、興味深いものがあります。  さっそく、記事から様々なダイナミックプライシングの事例をピックアップしてみると―― ▶裾野広がるダイナミックプライシングと                その周辺サービス① レストランを完全予約制・前払い制とし、曜日・時間帯によって価格を  変える。 ② 需給に応

《連続投稿561日目》テレワークのあぶり出す弱点~テレワークを支える4つの『必要性』とは~

 日経電子版の記事【「責任あいまい」テレワークで弱点あらわ テレワーク新常態(3)】では、テレワークにおける社員のマネジメントに悩む企業の抱える様々な課題がリポートされています。  さっそく、そのような課題の数々を記事からピックアップしてみると―― ▶テレワークにおける社員のマネジメントに                   関する悩み① オフィスという共通の場にいないので、業務の進捗を把握できない。 ② 目の前に本人がいないので、健康管理が難しい。 ③ 上司の指示が

《連続投稿559日目》駅はAIロボット活躍の場

 日経電子版の記事【乗り換え案内はAIロボ 近鉄が奈良の駅で公開】では、近鉄大和西大寺駅での4ヵ国語に対応するAIロボットによる乗り換え案内や駅ナカ施設の情報提供がリポートされています。AIなので、経験(学習)を通してサービスの質が上がっていく事が期待されます。  この記事を読んでつくづく思うのは、駅ほどAIの活躍が期待される場所もない、という事です。  駅は、ただでさえ空間的に複雑な構造をしている上に、次々に発着する列車の時間に追われるという、空間的・時間的なストレスが

《連続投稿558日目》成功するオンラインイベントとは

 日経電子版の記事【イベントをオンライン化 4万人集客した米企業の運営術】では、1万人規模のリアルイベントが、オンライン化によって4万人規模に拡大した米エヌビディアの成功事例が紹介されています。  さっそく、この卓越したケーススタディーから、オンライン化のポテンシャル、そのポイントを整理してみると―― ▶オンライン化のポテンシャル(1)世界中のダイバーシティな人々に開かれたイベントになる。 (2)いつでも・どこでも・興味のあるセッションだけでも見れるイベント   になる

《連続投稿554日目》リサイクルで環境負荷を低減するのは付加価値、そして、付加価値を実現するのはアイデア

 日経電子版の記事【ビニール傘が質感豊かなバッグに 職人技で環境貢献】では、廃タイヤをリサイクルしたバッグ「SEAL」で知られるモンドデザインが、廃棄されるビニール傘を独自の加工法でリサイクルし、第1弾としてトートバッグなど3製品を発売した旨リポートされています。  そもそも、廃棄物のリサイクルを考えた時、①廃棄物を単に焼却したり、埋め立て処分などに回すのではなく、②焼却の際に発生する熱エネルギーを回収して利用する『サーマルリサイクル』、さらには、③新しい製品の材料・原料と

《連続投稿553日目》GDPが捕捉できない価値が急増している

 日経電子版の記事【GDPには含まれない消費(十字路)】では、コロナ危機の先行きが読み切れない中、実体経済と株価の乖離が問題視される状況で、確かにバフェット指数=株式の時価総額÷GDPが上昇している訳ですが、必ずしも株価が過大なだけとは言い切れず、GDPが実体経済を把握していない=過小評価している点が指摘されています。  GDP神話とまではいかずとも、ともすればGDPと言えば正確に実体経済を反映しているモノと思われがちかも知れませんが、実際には、GDPも一つの指標である以上

《連続投稿552日目》バス停の進化がスゴイ!~これはもうBSaaSかも~

 日経電子版の記事【郊外でも使えるスマートバス停、安川電機系と西鉄】では、紙などのアナログな時刻表を液晶画面化し、さらに様々な機能を追加した「スマートバス停」がリポートされています。  さっそく、記事からその機能(検討中、開発中含む)をピックアップしてみると―― ▶スマートバス停とは……① 携帯電話回線を使って遠隔で運行ダイヤを変更出来る。 ② 高齢者に配慮し、2時間以内の運行便だけを大きく表示するような  機能も。 ③ 蓄電池+省エネ技術で、送電インフラが乏しい山間

《連続投稿551日目》強い自給自足型ビジネスモデル~メーカー化するIT企業~

 日経電子版の記事【Apple、インテル縛りから解放 PC半導体を開発】では、米アップルが「(記事より)パソコン「Mac」についても他のアップル製品と同様に自社開発した半導体を載せると発表した」というビッグニュースが報じられています。  さっそく、記事からその効果、メリットをピックアップしてみると―― ▶PC半導体自社開発のメリット① 「iPhone」向けゲーム等のアプリがMac上でも動くようになるなど、  ユーザーの利便性が向上する。 ② 外部からの調達に頼っていたこ

《連続投稿550日目》技術リソースを活用するには~情報のマッチングが第一歩~

 日経電子版の記事【アスタミューゼ、保有技術から社会課題提示】は、ごく短いものですが、「(記事より)自社技術の生かしかたが分からない企業」の存在、そして、それら企業にその技術リソースと105項目の社会課題とのマッチングを提示する、というきわめて重要な価値の創出が語られていると思います。  そもそも、企業にとっては、自社の貴重な技術リソースを最大限有効活用して、需要を開拓していく事は最重要の課題の一つに違いありません。技術リソースは、それだけでは何の価値もなく、それを有効活用