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テクノロジーと社会

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#ロボット

《連続投稿572日目》ロボットに時給を払って雇う時代

 日経電子版の記事【ロボット、時給980円で雇う 省人化にもサブスクの波】では、クラウド上で管理されたロボットの、必要な時+必要なサービス+料金は利用した分だけ、という『RaaS(ロボット・アズ・ア・サービス)』がリポートされています。  ついに、ロボットも時給で雇う時代が来たか、という感じですが、さっそく記事などからそのベネフィットを整理してみると―― ▶『RaaS(ラース)』のベネフィット① ロボット導入に関心はあっても、買い切りとなると、投資負担は  大きく、導入障

《連続投稿547日目》進化するコンビニのオペレーション~未来型コンビニの4種の神器~

 日経電子版の記事【ファミマ、商品陳列用ロボ導入 人手不足緩和へ】では、ファミリーマートがロボット開発ベンチャーとのアライアンスで、VR端末を使った遠隔操作で店舗の商品を陳列できるロボットを導入する旨リポートされています。  さっそく、記事からこの驚くべきロボットの特徴を整理してみると―― ▶商品陳列ロボットの一例① 離れた場所で操作できる=一人で、移動することなく、複数店舗の陳列  ができる。 ② 店舗で必要な従業員数を減らせる=人手不足の緩和に繋がる。 ③ ロボッ

《連続投稿472日目》AIロボットで自動化のポテンシャル

 日経電子版の記事【ホクト、シイタケ栽培でAIロボット導入】では、シイタケ栽培で形の良いものを選別する「芽摘み」の作業にAIロボットを導入したことがリポートされています。  さっそく、記事からそのポテンシャルを整理してみると―― ▶(芽摘み用)AIロボット導入のポテンシャル①『省力化』  (従来)従業員30人を配置し、1回の作業に1人あたり2分程度かかる。  (導入後)ロボットの補助をする従業員6人。ロボは十数秒で選別。 ②『効率化』    芽摘みの際にデータを取得し⇨

ネットスーパーの未来~店舗型と中央集約倉庫型~

 日経電子版の記事【イオンが頼る英オカド ネット生鮮でアマゾンに先行】は、AI・ロボットなどを駆使した物流システムで生鮮ネット通販のプラットフォーマーとしての地位を築く「英オカド」とイオンの提携に関する興味深いリポートです。  自前でネットスーパーを手掛けるイオンが、あえて提携に踏み切る背景には、従来型のネットスーパーの限界がある、と考えられます。  そこで、一般論として、従来からの店舗型ネットスーパーと最新のIT化(AIなど)・自動化(ロボットなど)された中央集約倉庫型

旅するロボット~『VRツーリズム』のポテンシャル~

 日経電子版の記事【ロボットが恐山などを旅行、シャープとむつ市がイベント】は、ユーザーから送られたロボットをスタッフが観光スポットなどへ案内し、その映像などで観光の疑似体験ができる、という取り組みに関するリポートです。  異国の地、観光地を、あたかもそこへ行ったかのように、リアルな感覚で疑似体験できるVRの観光、『VRツーリズム』には、大きなポテンシャルがありそうです。  観光地の映像・音・空気感・風・体感温度・におい……様々な要素をセンシングするテクノロジーと、それを遠

『リユース市場』勝者の条件~ユーザーの「面倒臭い」をクリアする~

 日経電子版の記事【メルカリの台頭、ブックオフ潤す  中古市場拡大 消費者、手軽さに回帰】は、リユース市場における中古品買取のネットとリアルでの相違が、リアルに優位に働いている、という「なるほど」と思わせるリポートです。     そもそも、フリマアプリなどネットでの中古品買取では、①(個人間での価格交渉なども含め)出品の煩わしさ、②出品者が責任を持って梱包・発送する煩わしさという2大「面倒臭い」が存在し、それが理由で、どんなに買取価格が高かろうとも、ネットは使わずリアルを

ほったらかし調理家電~『時短』から『時産』へ~

 日経電子版の記事【働くママはほったらかし調理 時短から「手が空く」に進化】は、具材を入れたら、後はスイッチオンして待つだけの「ほったらかし調理家電」に関するリポートです。  まず、記事などから、「ほったらかし調理家電」のメリットを整理してみると―― ▶「ほったらかし調理家電」のメリット(1)『導入』・・・小型でキッチンに置きやすい。 (2)『簡単』・・・具材を入れたら、後はスイッチオンして待つだけの        「ほったらかし調理」。 (3)『メニュー』・・・スマ

未来のコンビニ、どうなる?

 日経電子版の記事【世界で広がる無人レジ、消費財メーカーにも影響】は、ともすれば『無人レジ』、『レジ無し』のシステムそのものにフォーカスされがちなリポートとは一線を画した、『無人レジ』になったら、リアル店舗での買物体験はどうなるのか、『その先』を見据えた内容になっており、非常に興味深く、想像力を掻き立てられます。  さっそく、今まで日経電子版などを通して得たナレッジなどを基に、予測してみます。ただし、『無人レジ』ではなく、スマホアプリを活用した最先端の高性能な『レジ無し』の

食の3Dプリンター

 日経電子版の記事【柿の種を自分好みに調合、亀田製菓が専用装置】は、とてもさりげない記事ですが、『食の未来』を予感させるような内容を含んでいます――それは、『食のカスタマイゼーション』です――。     普段、私達は、外食でレストランに行ったり、加工食品を買って帰った時に、その味にちょっと残念な思いをする事が少なからずあります。理由は色々あるでしょうが、その一つ、最も大きなものに「自分好みでない」という現実がないでしょうか?――もっと辛ければいいのに、もっと大盛ならいいの

店舗の『敷居』~知らないうちに『敷居』を作っていませんか?~

 様々なモノ・サービスを扱う様々な店舗を見渡したとき、高級すぎる、ラグジュアリーすぎる、華やかすぎる、あまりにも高価……といった『敷居』はあるかも知れませんが、店自体が幅広く多くのお客に来てもらいたいと思っているのに、期せずして『敷居』を作って、自ら来店を阻んでしまっている、とすれば残念な事です。日経電子版の記事【SK-II、店員からの圧力なくす AIやロボット活用で 原宿に未来型店舗】は、そんな『敷居』の代表例=『店員のプレッシャー』をAIやロボットで取り除く試みに関するリ

アバターの限りないポテンシャル

 あの名作映画「アバター」では、最後に主人公が自分の人間としての体を離れて、アバターに完全に乗り移って幕切れとなります。しかし、この感動的なエンディングには、よくよく考えてみると重要な意味があります――不死性の獲得です――。もし、極めて高性能なアバターがあり、もし、完全に意識を転送できるのであれば、それを繰り返すことで、人間は、不死性を獲得することとなるのです……  日経電子版の記事【「幽体離脱」アバターが変える経済 最新技術体験ルポ】は、そんな事を考えさせてくれる、「アバ

スモールマスという名のブルーオーシャン

 日経電子版の記事【黒にんにくメーカー、自宅で手軽に熟成 臭いも軽減】に登場する「黒にんにくメーカー」は、どの位の大きさの需要があるか、その市場規模は別として、黒にんにくファンにとっては、そのニーズにささるような注目のプロダクトであるに違いありません。この記事は、改めてニーズと市場との関係について考えさせてくれます。     そもそも、ユーザー一人ひとりの細分化された体験の中にニーズを見い出さなくてはならないコト消費の時代、第4次産業革命の時代にあって、『ニーズ』のあり方

スマート化する工場と人間の役割

 日経電子版の記事【富士フイルム、内視鏡の「スマート工場」建設】や【[FT]自動化の新たな波「コボット」で進む産業変革 】は、AI、IoT、そしてロボットのテクノロジーを駆使して効率化されていく工場、スマート工場の姿をリポートしています。  記事などから浮かび上がってくるその大きな流れは―― ▶工場におけるAI・IoT・ロボットの活用(1)AI+IoTの活用   ①『生産状況の見える化』・・・工場の機械などあらゆる所にセンサーを    張り巡らし⇨生産状況・稼働状況など

『AIとモノづくりの融合』、その方向性

 日経電子版の記事【したたかにGAFAと戦う 日の丸AI急上昇】は、日の丸AIの方向性についてとても示唆に富んだリポートだと思います。  出遅れていると言われる日本のAI活用については、AIエンジニアの集積、ビッグデータの集積、政府の支援など、AIのエコシステムにおける与件の不利が叫ばれがちですが、より本質的な要素である『解析すべきデータ』と『自動化する対象となる課題』については、先進国の中でもいち早く少子高齢化社会に突入していく日本、そして、『おもてなしのサービス』と『モ