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テクノロジーと社会

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#第4次産業革命

企業にとっても所有より利用が~AI+IoTが加速するBtoBサブスク~

 日経電子版の記事【サブスクの波BtoBに 常に最新機種・追加料金なし】では、自律走行する高性能な搬送車・仮想発電所の管理サービスなどの事例を挙げながら、BtoBの現場で広がるプロダクト(モノ・サービス)のサブスクリプションの潮流がリポートされています。  さっそく、記事などから、BtoBサブスクの利用企業・提供企業、双方のメリットを整理してみると―― ▶BtoBサブスクのメリット(1)利用企業のメリット   ① 常に最新バージョンのプロダクト(モノ・サービス)を利用

スマホの次に来るのは何か?

 日経電子版の記事【アップル、仮想現実の米新興企業を買収 110億円規模】では、「iPhone」の次のイノベーション、パラダイムシフトたりうるメガネ型ウエアラブル端末を開発中と噂されている米アップルが、関連する技術リソース・人的リソースを取り込むべく、VR分野のスタートアップである米ネクストVRを買収した、とリポートされています。  確かに、今や私達の日常の生活シーンに欠くことの出来ない必須アイテムである『スマホ』、第4次産業革命のアクセラレータである『スマホ』ですが、盛者

サスティナビリティとディスラプション

 日経電子版の記事【エネルギーバトル 電力、代わる主役(上) 技術が変える供給網、大手介さず個人で融通】は、再生エネルギー(自然エネルギー)のテクノロジーとIT(情報技術)によって、個人間・地域内で電力を自在にやりとりできるようになった現状をリポートしています。  まず、記事から、新旧電力のビジネスモデルを対比してみると―― ▶新旧ビジネスモデルの対比●電気は、需給バランスが崩れると停電する。 ⇩ (旧来のモデル)電力会社が、巨額の投資で多くの巨大発電所と長大な 送電網

『テック化』でイノベーションを

 日経電子版の記事【肉、旅、トイレ…全産業に「テック化」の波】では、世界最大級の技術見本市「CES」を題材に、フードテック・エドテック・ヘルステック・リーガルテック、等々……あらゆる産業に広がる『テック化』の潮流がリポートされています。  そもそも、AI+IoTをコアなアクセラレータとする現在進行形の第4次産業革命の時代は、文字通り『イノベーション(革新)の時代』であり、長年にわたって未解決であったり、俄かに顕在化した社会課題へのソリューションとなる、今までにない全く新しい

『革新の時代』の企業経営~ローンチしてコミットメントする~

 日経電子版の記事【歴史を創る起業家の条件 より良い社会のために】は、新たなプロダクト(モノ・サービス)を世の中に送り出す企業の責任を問うた骨太のリポートだと思います。  そもそも、AI+IoTをコアなアクセラレータとする第4次産業革命の時代は、文字通り『革新の時代』であり、今までにない全く新しいプロダクト(モノ・サービス)が次々と世に送り出されてきます。  そして、そのプロダクトがイノベーティブであればイノベーティブである程、その影響は社会の様々なレイヤー(階層)に波及

モノからサービスへのシフトが成長の鍵

 日経電子版の記事【10年前の装置を最新型に ASMLが磨いたサービス力】は、半導体露光装置でシェア9割のオランダ「ASML」のポテンシャルの秘密をそのサービス力にあると読み解くリポートです。  記事では、様々な視点から強さの秘密が解き明かされますが、なかでも、故障対応などの保守点検から、部品交換などによって旧型を最新型のスペックに近付ける改造まで、幅広いサービスを充実させている事がクローズアップされます。  確かに、サービスが充実していれば、需要変動が上向きな時には設備

最適化経済・消費者余剰・経済成長~変化する『豊かさ』の所在~

 日経電子版の記事【先進国が患う長期停滞に克つには(大論戦)】は、今再び注目されている『長期停滞論』、需要不足などの要因で潜在成長率が下がり、低成長が常態化する『長期停滞論』についての、各界の識者による見立てを紹介しています。    この記事を通読して改めて痛感するのは、「モノ・サービスの生産・提供を通して生み出される付加価値の額」である『GDP(国内総生産)』では、今の時代、第4次産業革命の時代の『豊かさ』は測れないのではないか、という事です。  そもそも、第4次産業

テクノロジーとスキルの腐れ縁

 日経電子版の記事【トヨタ、海外工場が3Dプリンターに飛びついた理由】は、日本で世界をリードする新しい生産技術を生み⇨国内工場で展開⇨海外工場に「横展」するのが基本のトヨタにあって、一見意外な事に、海外の方が3Dプリンターの実用化に積極的、というリポートです。     記事では、そのような現象の理由として、わざわざ3Dプリンターを使わなくても試作車を作り上げてしまう、試作部門の技術力の高さが挙げられています。  確かに、一般論として、既存のテクノロジーを使いこなす高度な

今一番オープンイノベーションが必要なのは行政

 日経電子版の記事【前代未聞の未来像 「理想」か「独りよがり」か 未来へ 東京都長期戦略(上)】は、2020年オリンピック・パラリンピック後の10年間をカバーする東京都の「長期戦略」に関するリポートです。  この記事、タイトルに「前代未聞」・「独りよがり」とぶっ飛んだ文字が躍っていたので思わず読んでしまったのですが、一読、何か違和感のようなものを覚えました。……一体どこに違和感を覚えたのか、再読してひっかかったのは、次のくだりです―― (記事より) 都が8月、長期戦略の「

AIを始める前にやるべき事~会社の組織はイノベーションのエコシステムになっているか?~

 日経電子版の記事【AIを加速させる組織 WAVE)米エヌビディア日本代表 大崎 真孝氏】は、第4次産業革命の時代のアクセラレータであるAIを導入するためには、それ以前にやっておくべきことがある、という事を改めて認識させてくれます。  そもそも、会社がプロダクト(モノ・サービス)イノベーションを達成し、また、継続的にイノベーションを起こし続けられるようなプロセスイノベーションを達成するには、会社が、イノベーションを起こせるような組織=イノベーションのエコシステムになっている

AIの可能性と限界

 日経電子版に限らず、AIに関する記事、ニュースは途切れることがなく、紙面のタイトルにAIの文字を見ない日はほぼない、と言ってよいくらいです。  AIは、5Gの普及に伴って加速するIoTによって収集される膨大なビッグデータを解析するのに不可欠な、第4次産業革命のアクセラレータですが、その可能性、ポテンシャルの一方で、AI警戒論、AI脅威論もまた盛んに論じられています。そのようなAIの限界について、最近の日経電子版の記事3本が大変参考になるので、そのポイントをピックアップして

無限ではない電力とビッグデータの時代~フォトンの実現するデザインの革新~

 日経電子版の記事【「スマホの充電、年1回」NTT研究陣の野心】は、ビッグデータ時代の意外な盲点と、そこに隠されたチャンス、広大なブルーオーシャンに気付かせてくれる好リポートだと思います。     まず、記事から、ビッグデータ時代に起こるであろうシナリオを整理してみると―― ▶ビッグデータ時代に想定されるシナリオ(1)IoTによって、生成利用されるデータが指数関数的に増大。  ⇩ (2)データを送信・処理・蓄積するIT機器の消費電力量が爆発的に増大。  ⇩ (3)IT需

IoT、観察か監視か?~イノベーションの先にあるビッグブラザーの影~

 日経電子版に掲載されたフィナンシャル・タイムズの【アップルウオッチをビッグブラザーにしないために】は、改めて第4次産業革命のコア・テクノロジー『IoT』の本質について考えさせてくれます。    IoTでデータを収集し、AIでそのビッグデータを分析する、この第4次産業革命のコアとなるアクセラレータは、その目的次第でいとも簡単に『観察』から『監視』へとその性質を変え得る、それこそが『IoT‐AI』の本質ではないでしょうか。  それを使用する人間、『IoT‐AI』のシステム

センサーの塊になるスマホ~観察と監視のボーダーライン~

 日経電子版の記事【「犬並み」においセンサー開発へ スマホで口臭判定】は、とうとうスマホに「においセンサー」が搭載され、口臭の判定などを行うというリポートです。     そもそも、IoTでデータを収集し(そのビッグデータをAIで)解析することで様々な課題に応え、ユーザーのニーズを満たしていく第4次産業革命の時代は、そのサービスの出発点となるデータの収集のためのセンシングのテクノロジーによって支えられている、とも言えます。  ことに、私達一人ひとりの身の回り、心身や周囲の