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テクノロジーと社会

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#ニーズ

《連続投稿550日目》技術リソースを活用するには~情報のマッチングが第一歩~

 日経電子版の記事【アスタミューゼ、保有技術から社会課題提示】は、ごく短いものですが、「(記事より)自社技術の生かしかたが分からない企業」の存在、そして、それら企業にその技術リソースと105項目の社会課題とのマッチングを提示する、というきわめて重要な価値の創出が語られていると思います。  そもそも、企業にとっては、自社の貴重な技術リソースを最大限有効活用して、需要を開拓していく事は最重要の課題の一つに違いありません。技術リソースは、それだけでは何の価値もなく、それを有効活用

ファミレスのデジタルトランスフォーメーション

 日経電子版の記事【すかいらーく創業50年、次世代ファミレスへ進化中】は、「全国一律・同一商品・同一価格」の『メニューブック』に象徴されるスケールメリットの古いビジネスモデルからの脱却を目指す「すかいらーく」の姿を見事に捉えた好リポートだと思います。  確かに、ファミレスを取り巻く昨今の情勢は、スケールメリットだけに頼った効率化では対応しきれない様々な課題(相互に絡んで相乗的な影響を及ぼしてくる様々な要素)に直面していると言えます―― ▶ファミレスを取り巻く環境の変化① 

TOTOの「走るトイレ」~インサイトをデザインする~

 日経電子版の記事【走るトイレ、TOTOがCESで公開 「TaaS」目指す】は、スマホアプリで呼び出せるトイレ一体型車両のサービスをリポートしたものです。  この記事を一読、久しぶりに面白いモノを見た、と思いました。  確かに、外出先でのトイレはちょっとした問題です。  ――すぐに使えるトイレはどこにあるだろう?  ――きれいで落ち着いて使えるトイレはないだろうか?  ――混んでないトイレがいいが……  ――やばい、トイレがない……  などなど  そして、こうし

アナログに使えるデジタル機器~プロダクトにおけるデジタルとアナログの融合~

 日経電子版の記事【紙のように書ける電子ペーパー、スマホ・Macと連携】を見ると、電子ペーパーもついにここまで来たか、との感を覚えます。    電子ペーパー「QUADERNO(クアデルノ)」、記事でも十分そのユーザビリティーが伝わってきますが、ネットで公式サイトを探して見ると、さらに迫力があり、企業の力の入れようが伝わってくるようです。  例えば、パソコンから資料のファイルをコピーしてクライアントとのミーティングに出かけ、指摘事項などを直接専用のペンで書き込める。その体

成長のエンジン~経営統合よりデジタルトランスフォーメーションか~

 日経電子版の記事【スシロー、進化形回転ずしで挑む一人勝ち】は、経営統合の交渉中止が株価下落に繋がった件を考察したリポートですが、具体的な事例はさておき、『経営統合』=正論とは限らない事だけは明白です。  ここで、改めて『経営統合』のメリット・デメリットを考えてみると―― ▶『経営統合』のメリット・デメリットの例(1)メリット   ①『調達力強化(スケールメリット)』・・・大量仕入れによる原価    低減。   ②『海外共同展開(スケールメリット)』・・・海外展開加速によ

オープンイノベーションの挫折~最悪の『出島』方式~

 日経電子版の記事【企業のオープンイノベーション なぜ空回り?】を一読し、何か違和感を感じて、2回ほど読み返してみました――浮かび上がってきたのは、そもそも『出島方式』でうまく行く訳がないのではないか、というものです――。  オープンイノベーション(OI)を実施するのに、社を真っ二つに分断して、『OI担当組織』という『出島』と『既存組織』という『本土』を設けてしまえば、『既存組織』が『OI担当組織』に対して冷淡であったり、反発しても何ら不思議はありません。社内が『オープン』

ポケモンGO、やっぱりそうだったか!

 日経電子版の記事【ポケモンGO 始まりはエープリルフール ポケモンGOのつくり方(1)】は、多くのユーザーの心に刺さり大ヒットしたポケモンGOの開発にまつわる、とても興味深い内容です。  私は、この記事の肝、とでも言うべきくだりは、次の一節だと思います―― そこに流れていたのは「ポケモンチャレンジ」と題された動画で、スマホを手に岩山や砂漠を探検するひとたちの姿だった。岩陰にスマホをかざすとポケットモンスターのキャラクターが画面にあらわれる。ボールを投げてポケモンを捕まえ

3Dプリンティングが変えるメーカーとユーザーの距離

 日経電子版の記事【3Dの技術活用 アジアは注力を ビベク・パタク氏 国際金融公社東アジア太平洋地域担当ディレクター】は、改めて、第4次産業革命のアクセラレータ『3Dプリンティング』のポテンシャルを考えさせてくれます。  文字通り、物質を積層的に(3次元に)プリントしてモノを作る『3Dプリンティング』は、テクノロジーの進歩と共に、その基本的な概念でできるコトが増えていけば、驚くべき技術革新『ディスラプション』となることは間違いありません。  その最大の特徴は、例えれば何も

『ワンシーズン売り切り』の呪縛~ファッション業界に示された一つの道標~

 日経電子版の記事【ワークマン、当たるデータ経営 正確な予測と自動発注】は、新業態「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」の成功に関するリポートですが、見方を変えると、慢性的な過剰在庫に苦しみ、大量廃棄の社会課題が問われるファッション業界に一石を投じる内容を含んでいるように思います。  そもそも、衣料を扱う『アパレル業界』(製造・流通)という言葉が、流行というニュアンスを含んだ『ファッション業界』という言葉とほとんど同義で扱われていること自体が、いかに『アパレル業界

食の3Dプリンター

 日経電子版の記事【柿の種を自分好みに調合、亀田製菓が専用装置】は、とてもさりげない記事ですが、『食の未来』を予感させるような内容を含んでいます――それは、『食のカスタマイゼーション』です――。     普段、私達は、外食でレストランに行ったり、加工食品を買って帰った時に、その味にちょっと残念な思いをする事が少なからずあります。理由は色々あるでしょうが、その一つ、最も大きなものに「自分好みでない」という現実がないでしょうか?――もっと辛ければいいのに、もっと大盛ならいいの

コモディティ化の呪縛~誰も何も考えなくなった時にチャンスが~

 日経電子版の記事【感動体験を売る バルミューダ社長、家電ヒットの極意】は、コト消費の時代のモノづくりのあり方を見事に言い当てていると思います。     そもそも、第4次産業革命の時代は、テクノロジーの進歩によって、モノの高度化+均一化+低価格化というコモディティ化が進行すると同時に、消費者の体験重視のコト消費が進行する時代です。  そこでは、消費者は、自らの生活の大部分はコモディティ化したモノの利用で満足しつつ、ある部分では徹底的に体験価値にこだわる、と言う現象が起き

徹底的なDXとは~『事務』を効率化し、『創造』に集中する~

 日経電子版の記事【ネットで社内も変革 ストライプの中国巻き返し戦略 ストライプの中国「新小売戦略」(下)】は、改めて、コト消費の時代にスモールマスな顧客のニーズをプロダクト(モノ・サービス)に反映させるのに必須のDX(デジタルトランスフォーメーション)が、まだまだ不十分な事を思い起こさせてくれます。これだけモバイルやクラウドが普及して、ITが日進月歩なのにもかかわらず、記事に登場するケーススタディのレベルには到底達していない、という企業が多いのではないでしょうか。 (追記

スモールマスのエコシステム~ユーザー一人ひとりのニーズを掘り下げる~

 日経電子版の記事【出版不況でも返本ゼロ 成長への解、規模にあらず Neo economy(4)広がる異世界】は、この四半世紀で倍増した小売店の品目数に象徴される『スモールマス市場』(=マスではないものの一定の規模の見込める市場)の広がりについて改めて考えさせてくれます。  所有より利用する事、体験そのものを重視するコト消費の世界に生きる第4次産業革命の時代のユーザーに受け入れられるプロダクト(モノ・サービス)を生み出すには、ユーザー一人ひとりの体験を見据えニーズを深堀りし

変えてはならないもの~伝統と妥協と革新と~

 日経電子版の記事【天丼てんや、ご飯「お替わり自由」復活のなぜ】は、守ってきた伝統、アイデンティティーに直結するモノ・サービスを変えることのリスクについて考えさせてくれます。     まず、記事から、天丼チェーン「てんや」の事例を整理してみると―― ▶「てんや」の変遷(1)「てんや」のアイデンティティー=日本の伝統食「天ぷら」の大衆化   ①「定食のご飯お替わり自由」   ②「天丼の値段がワンコイン」  ⇩ (2)経営環境の変化   ①人手不足⇨人件費上昇   ②東南ア