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買うのに迷ったら、どこへ行くか?

 私達は、買うもの(モノ・サービス)に迷ったら、どこへ行くでしょうか? ――それは、何でも相談できて、信頼できるお店なはずです。

 日経電子版の記事【悩める若者が百貨店で紳士服 便利さより信頼感】は、販売における『相談(接客)』と『信頼』という問題について改めて考えさせてくれます。

 買物に悩みはつきもの。販売の現場は、そんな(1)お客の悩みにどう接していけばいいのか?そこでは、(2)接客の方法(3)販売員の資質が問われているように思います。


(1)買物の悩み

 一口に買物の悩みと言っても、事前に買おうと思う商品をどこまで絞り込んでいるかで、『悩み』の性質が違ってきそうです。


0%←←←←←←←←←←←←商品の絞り込み→→→→→→→→→→→→100%

(衝動買い)                      (目的買い)

何も決めてない→→→→→→ある程度決めてある→→→→→→単品を決めてある

●買う予定はない ●どれを選べばいいか分からない ●本当に買っていいか

              ●どっちを選んでいいか分からない

●何を買っていいか分からない ●商品のことで分からないことがある

   ●自分の悩みを解決してくれる商品を探している 

  ●商品について疑問点がある


 例えば、パソコン周辺機器のマウスを買おうと思って家電量販店に行くと、大量の商品が通路2本分も陳列されていたりして、一体どれを買っていいか分からなくなる。ネット通販もそうですが、品揃えが豊富になればなるほど、商品を選べなくなってしまう。そんな時、販売員さんのアドバイスほど貴重なものはありません。

 販売員の方と会話することで、自分でも気付かなかった、知らなかった商品との出会いがある場合もあります。

 今、販売の現場では、売場という未知の大海の水先案内人、アドバイザーが切実に求められているのではないでしょうか。


(2)接客の方法

 とは言え、あまり店員さんから話しかけられたくない場合もあり、お店側とお客との『情報交換の密度』には、ごくあっさりしたものから親密なものまで、段階を踏んだバリエーションがあることがポイントとなりそうです。

 記事にもあるように、お客がお店に来店する前段階としてのSNSでの情報発信や、その商品がその価格である理由(高い理由)を伝えるコトPOPや接客、いきなり高額商品を薦めるのではなく、まずは手ごろな小物から販売する手法など、お客との距離の取り方は、お客の気持ちに沿った繊細な対応が求められると思います。


(3)販売員のあり方

 このようなバリエーションに富んだ繊細な接客が実現できるかどうかは、ひとえに販売員のあり方にかかっている、と言えそうです。この場合、販売員のあり方とは、販売員の『接客姿勢』と『商品知識(専門知識)』のことです。どんなに商品知識があっても、ぞんざいな接客でお客の求めているものに応えてくれなかったら意味がありませんし、逆に、どんなに丁寧な接客でも、その人が専門外で商品知識が乏しかったら助けになりません。

 接客姿勢と商品知識が相まった『相談に応ずる力』が信頼を作り出し、そのお店で買物をする安心感が醸成されてくるのだと思います。その結果、お店のストア・ロイヤルティが向上し、業績が向上するのだと思いました。


接客姿勢✖商品知識=相談力=信頼⇒買物安心感

ストア・ロイヤルティの向上

業績向上

   

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