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IELTSの話 その1

カナダで永住権を申請にするにあたって避けて通れないのが英語です。
厳密に言えば英語力が求められない、もしくは低くても申請できるプログラムもありますがかなり特殊なケースかと思います。
あとカナダは公用語が英語とフランス語で且つ最近はカナダ政府がフランス語話者を増やしたいということもあり英語じゃなくてフランス語を第一言語として永住権を申請することも不可能ではないです。
といっても英語よりフランス語の方が得意だぜ、という人は稀なので大体の人はIELTSかCELPIPのスコアを伸ばす必要に迫られます。

今回は私がIELTSのスコアを上げるためにやったことをまとめます。
勉強を進める中で私もたくさんの人のブログやYouTubeを参考にしました。
そんなわけで自分の経験が他の方の参考になればと思い、記事として残しておくことにしました。
小さなことでもお役に立てれば幸いです。

渡航時の英語力

私はバンクーバーで語学学校やカレッジに通う予定もなかったので特段渡航前に英語の勉強を根詰めてやったわけではありませんでした。
ただ、一時期奥さんと一緒に渡航して現地のWeb Developmentのカレッジに通うことを考えていた時期があり、その頃Duolingo English Testを受検したことがありました。

https://englishtest.duolingo.com/

なぜDuolingoを受けたかというと、そのカレッジがDuolingoのスコアを認めてくれていたことに加え、

  • 安い(1回数千円とIELTSの1/5〜1/6の値段で受けられる)

  • 自宅で受検可能

  • 試験時間が短い(1時間程度で終わる)

  • 結果が出るのが早い(夜に受検して次の日朝起きたら結果が出ていた)

と、IELTSと比較してメリットしかなく、当時はまだ日本にいて今すぐ永住権を申請するような状況でもなかったので安易にDuolingoにしたのでした。
結局そのカレッジに行くことはなかったんだけど。

渡航3ヶ月前の2022年1月にDuolingoを受検し、結果はOverall 110でした(Duolingoは160満点)。

Duolingo English Test

これは換算表によるとTOEFLで76-81, IELTS Academicで6のようです。

https://englishtest.duolingo.com/scores

目標スコアを決める

自分の英語力がなんとなくわかったところで次は具体的なIELTSの目標スコアを決めます。
私は永住権申請が目的なので受験するのはAcademicモジュールではなくGeneralモジュールです。

カナダで永住権を申請する場合、英語力の証明としてIELTSかCELPIP(Canadian English Language Proficiency Index Program)のスコアを提出することができ、2つの試験のスコアを同じ基準で比較するためにCLB(Canadian Language Benchmark)という仕組みが導入されています。

カナダ政府の永住権申請プログラム"Express Entry"ではそもそもReading, Writing, Listening, Speakingの4技能でCLB7以下は申請できません。

You must get a minimum level of CLB 7 or NCLC 7 for 1 official language in all 4 language areas.

https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/immigrate-canada/express-entry/eligibility/federal-skilled-workers/six-selection-factors-federal-skilled-workers.html

というわけでIELTSで言うと全てのセクションで6.0以上が必要です。
加えて英語力以外の、特に年齢の部分が私は低いので(ExpressEntryでは若ければ若いほど申請時のポイントが高くなる)
1. CLB8以上2セクション+CLB7以上2セクション
もしくは
2. CLB9以上1セクション+CLB7以上3セクション
が必要という状況でした。

IELTSのスコアのイメージとしてはこんな感じ。

1. Reading 6.5  Writing 6.0  Listening 6.0  Speaking 6.5
2. Reading 7.0  Writing 6.0  Listening 6.0  Speaking 6.0

ここで注意が必要なのがListeningのスコア換算です。

Listeningのスコア換算
CLB Level 9 → IELTS 8.0  CELPIP 9
CLB Level 8 → IELTS 7.5  CELPIP 8
CLB Level 7 → IELTS 6.0  CELPIP 7
CLB Level 6 → IELTS 5.5  CELPIP 6

なぜCLBレベル7 → 8だけ必要スコアが1.5も上がるっ・・・!?
これは正解数にするとCLB Level 7では23/40問正解すればよかったのにCLB Level 8を取るには32/40問正解しなければいけないことになります。
9問アップってほぼ25%じゃないですか。こんなの無理ですよ。
私はこれは未だに何かの間違いじゃないかと思ってます。

そんなわけでListeningは最低限の6.0を目標としました。
17問不正解でもOKと思うと気持ちに余裕が生まれますね。
また、私は4技能の中でSpeakingが一番苦手だったのでSpeakingの目標も6.0としました。
さらにWritingよりもReadingの方が自信があったので具体的な目標スコアは以下のようにしました。

Reading 6.5  Writing 6.5  Listening 6.0  Speaking 6.0
もしくは
Reading 7.0  Writing 6.0  Listening 6.0  Speaking 6.0

IELTSかCELPIPか

CELPIPとは

CELPIPはカナダ独自の英語試験でIELTSはブリティッシュアクセントなのに対してCELPIPは日本人には比較的聞き取りやすい北米アクセントであること、題材がカナダの生活に根ざしているもので出題される等、既にカナダで生活している人にはとっつきやすいことが特徴です。
また、同じCLBを狙うにはCELPIPの方が簡単だと言われているようです。

私はIELTSかCELPIPかどちらにするか以下の点を考慮してIELTSを受験することにしました。

IELTSの方が圧倒的に情報量が多い

CELPIPはカナダ独自の試験であるため世界的にみてもIELTSよりも受験者が少なく、インターネット上の情報や書籍が圧倒的に少ないです。
また、バンクーバーでもCELPIP対策のコースがある語学学校もIELTSと比較して少ないです。

IELTSのSpeakingは対人である

CELPIPのSpeaking試験はTOEFLと同じようにコンピュータ画面に向かってマイクで自分の回答を録音しますが、IELTSの場合は実際に試験官と一対一の面接形式で試験を行います。
これは人によってどちらがいいか分かれるところです。
マイクに話した方が緊張しないという人もいれば、実際に人に話す方が自然な会話に近くやりやすい、という人もいると思います。
私は試験官がアイコンタクトや頷いてくれたり、笑顔になってくれたりとリアクションがあった方がやりやすかったです。

あと、結構重要な点だと思いますがIELTSとCELPIPの見過ごしがちな大きな違いはListeningのCLBレベルへの換算にあります。
前述の通りIELTSのListeningのスコア換算はもうバグってるとしか思えないのですがCELPIPは直線的に換算されます。
そんなわけでListeningでCLB 8以上が必要だ、という人はCELPIPの受検を検討してもいいんじゃないかなと思います。

IELTSは運である

まあどんなもんか1回受けてみるか、ととりあえず1回受検した後の私の感想がこれです。

「IELTSって運だな」

このままだとかなり語弊があるのでもう少し説明します。
Writingで自分の馴染みのある問題(練習で実際に書いたことがあるテーマ、もしくはそれに近い問題)が出るかどうか、Speakingで相性の合う試験官にあたるかどうかは完全に運だと思いました。

自分のベースの英語力から1.5以上のスコアを出すことはまず無理だけど上記の要素でWritingとSpeakingのスコアは0.5-1.0くらいは平気で上下するな、と。
特にSpeakingでどんな試験官にあたるかは非常に大きいです。
結局私は3回IELTSを受検することになったのですが、

  • 頷き、笑顔など積極的にコミュニケーションをとってくれる人

  • こちらが何か言っても無表情に「Why?」としか返さない人

  • 某国出身らしくアクセントが非常に強く、何を言っているか(日本人にとっては)わかりづらい人

などと三者三様の試験官でした。
なので初回の受検後に私の英語のベースはスコア6くらいはあるんだから苦手分野を練習するのと同時に数をこなして相性のいい試験官や問題に巡り合うのを期待する作戦に出ました。

ちなみにこの作戦は自分の英語力が目標スコアにギリギリ届くか届かないかくらいの場合のみオススメです。
英語力のベースが低い場合は運以前の問題ですし、ベースが目標スコアを大きく上回っている場合は運など頼らず実力でスコアを出せるでしょう。

結果

とにかく受けまくると目標を立てた結果、3回目で目標スコアを達成することができました。

各セクションのスコアは
初回   Reading 7.0  Writing 5.5  Listening 6.0  Speaking 6.0
2回目 Reading 6.5  Writing 7.0  Listening 6.0  Speaking 5.5
3回目 Reading 7.0  Writing 6.0  Listening 8.5  Speaking 6.0
という結果に。

なんと3回目でこんなの無理とか言ってたListeningで8.5というとんでもないスコアが出て目標をクリアすることができました。

次回からはセクションごとにどんなことをやったか書いていきます〜。

サポートいただけましたら椅子から転げ落ちて喜びます。