煽動的なポピュリズムの台頭
非民主主義国家
とある歴史学者(T・G・アッシュ)「自由主義の未来」と題した論文で、そう断じた。「民主主義の後退」である。民主主義の度合を図る指数がある指数を、英国週刊新聞「ザ・エコノミスト」の調査機関が2年おきに発表している。各国政治の民主主義レベルを評価する指数です。
ポピュリスト、英和辞書を引く以下の記述がある。
人民党は1892年に結党、通称「ポピュリスト党」を通じて広まったのが「ポピュリスト」ということば。
20世紀以降におけるポピュリズムとして、
など,多種多様な政治運動と現象がポピュリズムとして数えらた。
アメリカではそれをポジティブな意味合いとして、ファシズムを経験したヨーロッパ諸国などではネガティブに用いられる。
一般的には、
などが活動の特徴となる。そしてさらにその特徴は以下い整理できる。
既存利益に依存する団体に包み込まれず、政治的に不当な扱いを受けるなどと感じている層(農民、単純労働者など)の不満を汲み取る。さらに、既得権益層に代表されるマイノリティを非難し、活動などに動員をはかる。
このような特徴から、反エスタブリッシュメントであり非主流派の政治と呼称される。
民主主義 vs 非民主主義
成功を収めた資本主義は2類型に区分できると指摘する経済学者がいる。ブランコ・ミラノビッチ氏である。
自由型は米国とその同盟国、政治型は中国がその例となる。自由民主主義の価値はとは、
と主張している。何人も自由を求めることからその主張は尤もである。今回の米国大統領選挙で有権者はトランプ氏に見切りをつけた。これは正しく自由型である。一方、中国人は習近平(シー・ジンピン)国家主席に対し同じことはできない。政治型とはこういう事である。
扇動的権威主義
資本主義には「扇動的」権威主義型というものが存在する。東欧諸国に見られ、現在のロシアのような国家である。過去の共産主義崩壊や、ブラジルやトルコのように民主主義の弱体化。
要するに腐敗政治である。支配者は法に縛られず、権力は個人が握る。ならず者による政治であり、取り巻きが主要な役割を果たす。そして、親族がその政治中核を成すこと決して稀ではない。まさに、トランプ氏が米国で実現させたかった政治形態である。
トランプ氏登場の背景
昨年の大統領選挙は、バイデン氏が勝利した。しかし選挙後、「不正選挙」による選挙結果を無効にするなど司法に訴え続けた。さらに共和党議員の大半が不正選挙だと言い張るトランプ氏を支持した。その米国では裁判所をはじめ、国家機関が選挙結果を覆そうとするトランプ氏に抵抗する。真偽のほどはわからないは、共和党に対する大口献金者や減税・規制緩和を実現させようともくろんだ結果、ポピュリスト登場を促した。
文化や人種問題などが争点とし、経済的利益に反する投票行動をするよう仕向けた。今回は敗北したが、今後またこの戦略は奏功するだろうし、現在のトランプ氏の政治的影響力はなくなってはいない。
https://note.com/aum_kat1/n/n80c889c2d425/edit(編集中)
米国と中国を中止に述べたが、我が国においてもそううまく機能しているとは思えない。むしろ、機能不全に近い。
資本主義体制は「革新を生む」その一方で「社会や政治、環境」に大きな問題を生起させる。今、世界は自由民主主義は芯まで病んでいる。だからと言って、権威主義は看過はできない。