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三浦大知『OVER』とフィンランドのダンスポップについて

三浦大知『OVER』

2024年2月14日に三浦大知の8thアルバム『OVER』がリリースされた。

Listnen

三浦大知の歌の存在感は凄まじい。たった一秒で場の空気を三浦大知そのものにしてしまう特徴的な声と歌い方、複雑なのにとてもキャッチーなメロディ。そのような歌と、緻密に作り込まれたダンスポップな音が組み合わさると、物凄く洗練しつつ勢いや荒々しさなどの衝動的一面も大切にしているという絶妙なバランスの曲と化する。KREVAやFurui Rihoとのコラボ曲も素晴らしい。互いの魅力を同じくらい出し切っているという意味での「対等」な共演は、本作の中でも非常に強力な要素となっているだろう。34分という短めな尺なのもあって、濃密な内容なのに聴き疲れせず何度でも聴きたくなる。まだまだ聴き始めたばかりだけれど、僕は本作を名作だと思っている。

『OVER』とフィンランドのダンスポップ

『OVER』によってダンスポップ熱が再燃した僕は、『OVER』と共にフィンランドのダンスポップを聴きまくっている。僕がフィンランドのダンスポップを積極的に聴くようになったのは2023年からなのだけれど、2023年に発売された新譜の中だけでもカッコイイ作品がたくさん生まれている印象を受けていた。例を挙げれば、2023年の年間ベスト記事に掲載したOona KapariOrvokkiRuusutのアルバムなど。

何よりその多くが、三浦大知の曲に近いものを感じるのだ。特に『OVER』の曲とは親和性が高い。ビートはとてもアッパーで力強いんだけれど、同時にどこか陰を感じさせる繊細な一面もあって、それらが共存することで少し霧がかかったような音が出来上がっている。そのような点で、『OVER』とフィンランドのダンスポップは共通しているのではないだろうか。

『OVER』を感じるフィンランドのダンスポップアルバム

タイトル通りだが、三浦大知『OVER』を感じるフィンランドの素晴らしきダンスポップアルバム5作品を掲載させていただく。2023年の年間ベスト記事に掲載し切れなかった作品や、『OVER』をきっかけに聴き直したらかっこいいじゃん!と感じることができた作品を掲載している。どれも味わい深い作品たちだ。『OVER』が好きな人に刺さる可能性が高い音に溢れていると思う。一作一作じっくり紹介すると長くなってしまうので、ストリーミングのリンクのみのテンポのよい掲載とする。サクッとチェックして、サクッと聴いて、楽しむときはじっくり楽しもう。それはまさに『OVER』がそうであるように。

BESS『KÄDET YLÖS』

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Minä ja Nieminen『Nurja puoli』

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Mahls『Muistikuvat Musta』

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Nelli Milan『Jano』

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Kuumaa『Hyvikset ja pahikset』

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『OVER』と上記作品の収録曲をミックスしたプレイリストを公開しましたので、とりあえずサッと聴いてみたい方はこちらを。『OVER』に寄せて、35分で聴き終わるように作りました。


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